• "老人専門病院"(/)
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  1. 東京都議会 1993-12-09
    1993-12-09 平成5年_第4回定例会(第17号) 本文


    取得元: 東京都議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-14
    午後一時三分開議 ◯議長(奥山則男君) これより本日の会議を開きます。       ━━━━━━━━ ◯議長(奥山則男君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。       ━━━━━━━━ ◯議長(奥山則男君) 昨日に引き続き、質問を行います。  九十二番須田耕作君。    〔九十二番須田耕作君登壇〕 ◯九十二番(須田耕作君) 私は、教育問題、高齢者福祉に関する課題並びに多摩の振興について質問をいたします。  まず、教育に関する基本的な事柄について伺います。  初めに、教育長の基本的な姿勢を確認しておきますが、東京における教育の責任者として、日の丸、君が代についていかなる認識を持ち、それを教育の現場で実践すべく指導されておられるか、お尋ねをいたします。  次に、あらかじめいただきました資料をもとに伺いますが、それによれば、都立高校の入学式、卒業式における国旗の掲揚状況は、昭和六十三年の約二五%から、平成四年には五〇%まで上昇しており、都教委の努力を多とするものであります。  しかしながら、国歌については、入学式、卒業式ともに斉唱した高校が、昭和六十三年に三校、平成四年には卒業式八校、入学式七校にとどまっている状況であります。このことは、これまでの都教委の校長会や教頭会に対する働きかけの限界を示しているのではないかと思います。  私は、国歌や国旗にいかなる態度をとるかという問題は、思想、信条の自由等憲法の保障する侵すことのできない基本的な権利の範疇にあることを否定するものではありません。しかし、発達段階にある生徒に対しては、まず、国旗及び国歌に対する正しい認識を与えるとともに、それを尊重する態度を植えつける基礎的教育を施す必要があります。決して、一部の左翼偏向教職員による職員会議等での妨害によって実施されない事態を許すべきではありません。  都教委は、今後とも校長会等への指導を継続することは当然でありますが、多数の良識ある教員や保護者の意見、意向が、一部の声にかき消されないようにすることが大切であります。都教委は、今後とも各方面の意見や意向を正確に把握し、校長会等への指導を継続することは当然でありますが、さらに、実施率を向上させるための方策について、教育長の見解を伺います。  次に、高齢者対策について、地域福祉の視点から伺います。  まず、住まいの問題であります。  第三次長計は、計画期間中に、老人室つきのいわゆる三世代住宅を千百戸建設することといたしております。しかし、その実績は、三年、四年度で五十五戸にしかすぎません。また、,93実計では二百四十戸となっておりますが、そのとおり建設されたとしても、長計前期のトータルが二百九十五戸、全体計画の二六・八%であります。この住宅は、公営住宅としては画期的な三世代住宅で、東京をふるさとと呼べるまちとして実現するマイタウン東京政策の一つの原点にも位置づけられるものであります。  そこで、住宅局長に伺いますが、高齢者が住みなれた地域で安心した生活が送れるために、今後住宅建設にどう取り組んでいくのか、伺います。  高齢化社会の到来をすべての都民がみずからのことと受けとめるよう誘導するためには、学校教育の段階で福祉教育を推進することが大切であり、その意味から、児童生徒を対象に、ボランティア活動を通じて社会福祉への関心を養うことをねらいとした、ボランティア活動普及事業協力校の取り組みは意義深いものがあります。
     しかるに、青年期の人間形成にとって最も重要と思える高校段階の協力校が小中校と比較して少ないことは、まことに残念であります。高校においては、就職や大学受験準備等、生徒を取り巻く環境にさまざまな制約があることとは思いますが、創意工夫を凝らして、事業の拡大に格段の努力を求めたいと存じます。  福祉局長並びに教育長の所見を伺います。  また、教育現場における実践の多くは、運動会等学校行事への招待の域を出ていません。一方では、積極的に教育研究や実践を重ねている高校もあるわけでありますので、この輪をより大きなものとして、都立高校全般の流れとすることが重要と考えますが、教育長の所見を伺います。  目前に迫った二十一世紀において、高齢社会に的確に対応するためには、在宅サービスを中心とした幅広い地域福祉の前進と充実が極めて大切であると考えますが、知事の総括的なご所見を伺います。  次に、多摩の振興について伺います。  まず、武蔵野の森スポーツ施設についてであります。  私は、昨年の四定において、陸上競技場の規模を二〇一三年の多摩国体開催のために拡張すべきことを提言し、教育長より積極的なご答弁をいただいたのであります。去る十一月二日には、地元関係市等の要望を踏まえ、調布、三鷹、府中の三市より選出の都議会議員が超党派で知事にお会いし、陸上競技場の観覧席等を、プロサッカーの開催にも十分対応できるよう、最低でも三万五千席分確保すること等を要請いたしました。  十一月五日には、調布市のスタジアム建設促進プロサッカーチームを調布に誘致する会の志太会長等のメンバーが、知事に対して、同趣旨のお願いをしたところであります。知事におかれては、TAMAらいふ21の閉会式のあいさつでこれに言及され、第三セクター方式で来年度から陸上競技場の建設に着手されることを明らかにされたのであります。  昨日の我が党三田政調会長の代表質問に対し、知事も答弁されたところでありますが、このことは、スポーツの振興にとどまらず、周辺地域の再編整備を促進し、多摩全体の都市基盤整備や活性化にとって、その持つ意義は極めて大きいと存じます。改めて知事のお考えを明らかにしていただきたいと思います。  また、全体計画の進捗についてでありますが、今回は、飛行場を除き地元調整も一応の決着を見ており、陸上競技場の建設テンポが速まる等、状況は著しく好転しているのであります。  そこで、これ以上計画年次を延ばすことなく、体育館や水泳場等の屋内施設や球技場等の屋外施設を含め、平成十三年度にはぜひ完全な姿で全面開設を実現していただきたいと存じますが、教育長の決意のほどを伺います。  次に、緑化の推進について伺います。  長期計画では、平成十二年度までに都民一人当たりの公園面積を六平方メートルにするとともに、地域緑化を推進し、都市の緑を倍増するとしております。しかるに、,93実施計画では、四・九平方メートルへの到達を七年度に先送りしております。地価の高値安定、用地の取得難、さらには厳しい財政事情等、さまざまな要因があろうと思いますが、水と並んで緑は都市の文化のバロメーターであり、東京のゆとりと潤いにとって不可欠な存在であります。  そこで伺いますが、この程度の進捗率で長計の目標達成は可能と考えているのか、環境保全局長にご答弁願います。  神代植物公園については、かねてより私の提案を受け、水生植物園の改良と駐車場の整備が実現し、また、全般的な改良整備がされているところであります。さらに、希少植物環境館の構想が検討されており、十一年度の開館に向けて今後基本設計等がなされるものと承知しております。  そこで、館の全体規模、保存すべき種等、構想内容の概要について建設局長より明らかにしていただきたいのであります。  次に、京王線調布駅周辺の連続立体交差事業について伺います。  本事業の促進は、現在鋭意工事が進められている多摩川原橋のかけかえや鶴川街道の整備事業と密接不可分なものであり、速やかな事業の再開が必要であることは、当局もよく認識しているところと思います。  また、最大のハードルとしては、京王電鉄側が在来の二線高架の必要性には理解を示しているが、四線並列の高架方式には難色を示していることにあることは、かねてより指摘しているところであります。昨年四定において、私は、在来の二線高架方式も視野に入れて事業化を検討すべきことを提言をしたわけであります。本事業の実現は、商業、業務、文化の中核都市である調布市の発展にとって必要不可欠なものと思いますが、どのような認識をお持ちか、お伺いをいたします。  また、私の提言を受けて、この一年間事業の再開に向けての取り組みと課題について、あわせて建設局長にお願いをいたします。  最後に、多摩全域に関する都市基盤の整備について伺います。  数多い諸課題の中から、環状方向の公共交通の整備と首都高多摩新宿線の二点に絞って当局の姿勢をただしたいと思います。  多摩東部地域には、都心に向かって放射状に伸びる交通機関の発達に比べ、縦軸に結ぶ線路が皆無に等しいため、隣接する市へ移動する場合は、一たん都心まで出て他の路線に乗りかえるという不便さを解消することはできません。そのためには、環状方向の公共交通網の実現は緊急な課題であります。  また、多摩新宿線については、都県境まで首都高がなく、杉並区で中央道と接続しており、多摩都民が自動車専用道路を利用して都心への往来には料金を二重払いする不公平さを解消するものとして、多摩都民がひとしくその実現を期待しているものであります。両事業については、私どもの長年の要請により、それぞれ導入検討調査や整備検討が行われることになっているのであります。  私は、この問題について、本会議、予特等で機会あるごとに言及しております。しかるに、当局の答弁は、常に調査、検討にとどまっているのであります。このような消極的な姿勢では、いつまでたっても、多摩都民の利便性の向上や不公平感の解消は図られません。  都市計画局長は、両事業の重要性をどう認識し、具体化に向けてどう取り組んでいくのか、平成六年度以降の計画について詳細に伺いたいと思います。  道路、橋梁、公共交通網を初めとする都市基盤の整備は、多摩各都市の自立都市圏の形成にとって緊急の課題であることはいうまでもありません。多摩地域の東京府移管からちょうど一世紀を経過する平成五年を終えるに当たり、改めて知事より多摩地域における都市基盤整備の重要性について所信を明らかにしていただきたいのであります。  以上をもちまして、私の質問を終わります。大変ありがとうございます。(拍手)    〔知事鈴木俊一君登壇〕 ◯知事(鈴木俊一君) 須田議員の一般質問にお答えいたします。  二十一世紀の高齢社会に対応した地域福祉の推進についてのお尋ねであります。  高齢者を初めすべての都民が、介護等が必要となった場合にも、住みなれた地域で、適切なサービスを受けながら安心して暮らせるよう、保健医療、住宅、教育、まちづくりなど、関連施策を総合化した地域福祉の推進を図っていく必要があると考えます。このため、都は、第三次東京都長期計画において、地域福祉の基盤づくりを緊急プランの一つとして位置づけるとともに、東京都地域福祉推進計画を策定し、福祉施策の充実に努めてきたところであります。  今後とも、ご指摘の趣旨を踏まえ、区市町村や民間団体等とも協力して、在宅福祉を基調とした地域福祉の一層の推進に努めてまいります。  次に、総合陸上競技場についてのお尋ねであります。  多摩地域のスポーツ振興の拠点としてはもとより、多摩国体の会場ともなり、都民要望の強いサッカーなども実施できる大規模かつ多目的な施設を第三セクター方式で建設したいと考えております。  このたびの競技場の建設計画は、ご指摘のとおりスポーツの振興にとどまらず、競技を通じて都民の連帯感と地域への愛着心が強まるとともに、都市基盤の整備が促進されるなど、地域社会の発展と活性化に大きく寄与するものと考えます。アクセスを初め、周辺地域の整備につきましても、今後施設の建設、運営の方法等の検討とあわせて、積極的に進めていく所存であります。  次に、多摩地域における都市基盤整備についてのお尋ねであります。  多摩地域が個性と魅力ある自立都市圏として発展するために、都市基盤整備は極めて重要な課題であると認識しております。このため、多摩都市モノレールの整備、JR中央線複々線化、立体化などの都市基盤整備事業TAMAらいふ21の記念事業として位置づけ、その着実な推進に努めているところであります。  今後とも、二十一世紀を展望しつつ、多摩新時代の創造に向けて、都市基盤の整備を積極的に進めてまいります。  なお、その他のご質問につきましては、関係局長から答弁申し上げます。    〔東京都技監石川金治君登壇〕 ◯東京都技監(石川金治君) 神代植物公園希少植物環境館の構想についてのお尋ねでございますが、平成四年度に神代植物公園全体の将来的な姿を検討する中で、希少植物環境館の位置づけについて基礎調査を実施しました。その結果、サクラソウなどの武蔵野に生育している希少植物や世界の温帯植物などを展示することや、それに加えて人と植物の関係を学ぶことができる環境学習の場など、多様な機能を持たせることも考慮することといたしました。  平成六年度以降、詳細な内容について基本計画調査を予定しています。  次に、調布市における京王線の連続立体交差事業の必要性についてのお尋ねでございますが、この事業の実現により、数多くの踏切が同時に除却されますので、慢性的な交通渋滞や踏切事故が解消でき、また、鉄道により分断された町の一体化を図ることもできるなど、調布駅周辺のまちづくりを進める上で極めて重要な事業であると認識しています。  次に、この事業の取り組み状況についてのお尋ねでございますが、この事業は、多摩地域の南北道路である鶴川街道の拡幅事業や、多摩川原橋のかけかえとの関連もございますので、早期に事業化が必要であると考えています。事業促進のためには鉄道事業者などの積極的な協力が不可欠であることから、さきにご提案のあった調布市、京王帝都電鉄、東京都の三者会談を開催し、事業化に向け協議を進めているところでございます。現在、調布駅付近の構造形式、事業の進め方、費用負担などが課題となっていますが、今後これらの課題解決に向け、なお一層関係者間の調整に努めてまいります。    〔教育長市川芳正君登壇〕 ◯教育長(市川芳正君) 初めに、日の丸、君が代についての認識とその指導についてのお尋ねでございます。  日の丸は国旗、君が代が国歌であるということは国民の間に定着していると認識しており、これを尊重してまいりたいと考えております。(発言する者あり)今日、児童生徒が国際社会において尊敬され信頼される日本人として成長していくためには、学校教育において国際社会に生きる日本人としての自覚を培うとともに、国旗及び国歌に対する正しい認識を持たせ、尊重する態度を養うことが極めて大切であると考えております。  都教育委員会は、学習指導要領に基づき、引き続き入学式や卒業式などにおいて国旗掲揚や国歌斉唱の指導が適切に実施されるよう指導してまいります。  次に、その実施率を向上させるための方策についてのお尋ねでございます。  ご指摘のように、特に都立高校における国旗掲揚や国歌斉唱の実施の現状につきましては、これを厳しく受けとめております。都教育委員会は、これまでも実施に至らなかった学校の校長に対し、教職員や保護者の意見を広く適切に把握するよう指導するとともに、その原因等についての聞き取りを行い、実施に向けての方策を指導してきたところでございます。  高等学校においては、平成六年度から新しい学習指導要領の内容がすべてにわたって実施されますので、これを機に、今年度の卒業式及び来年度の入学式に向けて、改めて国旗掲揚や国歌斉唱の実施について通知するとともに、指導資料を作成するなど、各学校に対する指導を一層徹底してまいりたいと存じます。(発言する者あり)  次に、ボランティア活動普及事業協力校を拡大することについてのお尋ねでございます。  都教育委員会としては、高等学校において、社会奉仕にかかわる実践的な態度の育成を図ることが極めて大切であると考えます。そのため、ご指摘の事業についても、積極的に参加するよう福祉局や関係団体とも連携を図りながら、各学校に対して一層の啓発に努めてまいりたいと存じます。  次に、都立高校における福祉教育の充実についてのお尋ねでございます。  多くの学校においては、老人ホームや障害者施設への訪問、養護学校等との交流、地域清掃活動、募金活動などの奉仕活動を行っております。また、都教育委員会は、福祉にかかわる教育の重要性にかんがみ、本年度都立高校に福祉コースを設置するなど、これまでも福祉教育の推進に努めてきたところでございます。高等学校の新しい学習指導要領におきましても、勤労や奉仕にかかわる体験的な学習を重視しており、今後ともご指摘の趣旨を踏まえ、都立高校における福祉教育の一層の充実に努めてまいりたいと存じます。  最後に、武蔵野の森総合スポーツ施設の体育館や水泳場等の整備についてのお尋ねでございます。  これらの施設につきましては、平成元年の建設基本構想検討委員会の答申や地元からの要望を踏まえるとともに、多摩国体の開催を視野に入れ、また、大規模かつ多目的な陸上競技場との調整を図りながら、総合スポーツ施設全体として整備を進めていく考えでございます。  開設の時期につきましては、ご指摘の平成十三年度を目指し、都教育委員会としても鋭意努力してまいりたいと存じます。  以上でございます。    〔住宅局長中嶋文雄君登壇〕 ◯住宅局長(中嶋文雄君) 高齢者向け都営住宅の建設についてのお尋ねにお答え申し上げます。  ご指摘のとおり、高齢化時代を迎えまして、高齢者が家族とともに住みなれた地域で安心して生活できるようにすることは、住宅政策上重要でございます。都は、こうした観点に立って、これまでも老人室つき都営住宅などの建設を進めてきたところでございますが、本年度は、一DKから四DKまで、多様な世帯構成に対応できる型別供給の本格的な導入を図ったところでございます。今後、型別供給を積極的に推進いたしまして、三世代が一緒に生活できる住宅など、多人数世帯向け住宅の需要にこたえてまいります。    〔福祉局長中嶋理君登壇〕 ◯福祉局長(中嶋理君) 児童生徒のボランティア活動普及事業についてのお尋ねにお答えをいたします。  この事業は、次代を担う児童や生徒がさまざまなボランティア活動の体験を通じて社会福祉の心を培うことを目的に実施されているものでありまして、その果たす役割は重要であるというふうに認識をいたしております。このため都は、東京都総合実施計画事業として位置づけ、積極的に取り組んでいるところでございます。  ご指摘の高等学校の協力校につきましては、今後とも都教育委員会を初め関係団体と連携を図りながら、その指定促進に努めてまいります。    〔環境保全局長竹尾格君登壇〕 ◯環境保全局長(竹尾格君) 緑化の推進についてのお尋ねにお答えいたします。  緑の倍増計画の進捗状況を見ますと、さまざまな要因により用地の取得が困難な場合もあり、平成五年四月現在の都民一人当たりの公園面積は四・六四平方メートルとなっております。一方、平成三年の市街地における樹木本数は一億三千二百万本となっておりまして、ほぼ順調に推移しております。今後とも、ご指摘のように緑豊かで快適な東京の実現のために、二十一世紀初頭の計画目標達成に向けて、関係各局や区市町村との連携を密にしながら、なお一層の努力をしてまいります。    〔都市計画局長長裕二君登壇〕 ◯都市計画局長(長裕二君) 多摩東部地域における環状方向の公共交通網についてのお尋ねでございますが、環状方向の公共交通機関が、東京の都市構造を多心型に再編し、均衡ある発展を図っていくために必要であることは十分認識してございます。都では、平成三年度より、多摩東部地域あるいは区部西部地域における環状方向の公共交通機関の導入の可能性について基礎的な調査を実施しているところでございます。その調査結果を踏まえ、平成六年度より二カ年にわたり実施する計画調査の中で、ルート、導入システム、事業手法等をさらに詳細に検討していく予定でございます。  次に、多摩新宿線についてのお尋ねでございますが、多摩新宿線は、新宿副都心等と北多摩、西多摩方面を結ぶ広域的な連携強化を図る路線でございまして、副都心の育成や多摩地域の振興の観点から重要な路線であると考えております。同路線につきましては、平成三年度に構想の可能性の検討を行い、平成四年度に地域のまちづくりと導入空間のかかわり等の検討を行ってまいりました。さらに、本年度から二カ年の予定で、路線周辺のまちづくりを含めた整備構想、ルート、構造、整備手法、事業採算性等について調査を行い、取りまとめることとしております。  これらの調査結果を踏まえ、関係機関との協議を進め、首都圏整備計画等の国の計画にも反映されるよう、鋭意努力し、その促進に努めてまいります。 ◯議長(奥山則男君) 三十八番永沢豊晶君。    〔三十八番永沢豊晶君登壇〕    〔議長退席、副議長着席〕 ◯三十八番(永沢豊晶君) 私は、都政の重要課題について、知事及び関係局長に質問をいたします。  初めに、地方分権の推進についてお伺いいたします。  今や地方分権を望む声は、大きな時代の流れとなっております。しかし、他方で、受け皿となる地方自治体についても、再検討も当然なされなければなりません。  本年十月の臨時行政改革推進審議会の最終答申では、市町村、都道府県が、それぞれより広域的で自立的な自治体に成長していくことを期待するとともに、望ましい基礎的自治体のあり方として、国からの権限の移管等の推進や自治体の財政基盤の強化と相まって、その受け皿として、市町村の自主的合併が推進されていくことが望まれると、市町村の適正規模への合併を期待しております。さらに、本年四月、地方制度調査会の広域連合及び中核都市に関する答申も、同趣旨の内容となっております。  住民にとって最も身近な政府である自治体に権限と財源が存在し、政治と住民の間に距離がなくなれば、まさに民主主義の理念が生きてくることになり、私どもの目指す地方主権、地域主権の政治、生活者のための政治像が見えてくるといっても過言ではありません。  そこで伺います。  第一は、国は、全省庁から成る地方分権特例制度推進本部を設けてこの課題に対応しておりますが、都は、この地方分権の推進に対して、現在どういう取り組みを行っているのか伺います。また、都は、全国最大の自治体として、この課題の推進のため、全庁的プロジェクトを編成し、対処すべきと思うが、ご所見を伺います。  第二に、現在知事は、地方分権を推進するため、安定的な地方独立税源の必要性を強く主張しておられます。去る十一月十一日に、知事は細川総理、武村官房長官を訪ね、地方独立税源の確保について要請をされました。お二人とも知事経験者であり、地方財政に深いご理解をお持ちと思いますが、会見の結果、この実現性についてどのような感触をつかまれましたか、ご感想をお伺いしたい。また、今後、引き続き地方財政の充実のため、具体的にどのように対処されるのか、お伺いいたします。  第三に、市町村合併について具体的に伺います。  地方分権を進めるためには、その分権の受け皿として、一定規模の市町村が必要となってまいります。したがって、多摩地域の市町村も、できるならば適正規模への合併が期待されるところであります。  そこで、都は、この市町村合併のメリットについてどのようにお考えになっているのか、お伺いいたします。また、合併について積極的に取り組むべきと思いますが、知事のご所見をお伺いいたします。  さらに、現在、秋川市と五日市町の合併が、来年を目途に進んでおります。また、田無市と保谷市の合併についても、両市の市長が積極的に取り組んでおりますが、都は、この二つの地域に対し、広域的立場から、合併推進のための積極的な助言など支援を行うべきと思いますけれども、知事のご所見をお伺いいたします。  次に、福祉のまちづくりについてお伺いいたします。  東京都福祉のまちづくり整備指針が制定をされてから既に五年が経過し、区市町村においても、理解と協力はかなり深まり、整備要網に基づいた福祉のまちづくりが進められております。しかし、二十一世紀初頭の本格的な高齢化社会の対応や、障害者の社会参加を促進する福祉のまちづくりの観点から、総合的な都市施設の整備が一層強く求められております。  本年三月、公共的建築物の整備を図るため、東京都建築安全条例の一部が改正され、一定の特殊建築物について、整備の義務化が図られました。しかしながら、駅舎や一千平方メートル未満の飲食店等が対象外であることなど多くの課題が残されていることは、本年第一回定例会において、我が党が指摘をしたところであります。  アメリカの第二の公民権法といわれている障害を持つアメリカ人法は、行政はもとより、民間事業に対しても、障害を理由にした一切の差別を禁止しており、交通機関や建築物等に障害者がアクセスできる設備の整備がされていない状況そのものを差別としております。したがって、福祉のまちづくりは、社会や経済という大きな枠組みから、福祉、交通、建築物、労働というような個別の枠組みに至るまで、さまざまなレベルで推進していかなければなりません。建設省、運輸省、厚生省という枠組みを越えた障害を持つ日本人法を制定し、差別禁止や障害者の権利規定を明らかにすることが重要な課題であると考えます。  ご承知のとおり、去る十一月二十六日、国会において、障害者基本法が成立しました。十二月三日に公布され、都道府県、市町村それぞれが障害者施策に関する計画策定に努めるよう、福祉のまちづくりの具体的施策が示されております。そこでお伺いをいたします。  第一に、一人一人が幸福を追求できる環境や条件、ひとしく人権が守られ、差別されることなく社会参加できる機会を確保することを目指すべきであります。こうした観点に立って、都も、緊急の課題として早期に福祉のまちづくり条例の実現を図るべきであると考えますが、知事の所信をお伺いしたい。  第二に、条例の制定に当たっては、福祉のまちづくりの基本理念や条例の実効性のある方策を明らかにするとともに、現行の東京都における福祉のまちづくり整備指針の技術的基準を見直し、二十一世紀の東京のまちづくりを進める上でふさわしい水準とすべきであります。さらに、新規の施設や大規模改修時等に整備を義務づけること、また既存の都市施設についても整備を促進する方策の検討や、行政、事業者、都民の責務について明確にすること、また、財政措置を含む効果的な誘導策等を明らかにすることが必要であります。さらに、条例を制定した後のチェック機能や、相談、苦情処理機関が必要であります。  福祉のまちづくり条例の制定に対しては、以上の諸問題を踏まえ、具体的な取り組みをすべきでありますが、所見を伺います。  次に、高校教育について伺います。  都は、この一年間、我が党の提案を受けて、生徒みずからのさまざまなニーズにこたえるために、業者テスト、進路指導の問題を初めとして、都立高校入試制度の改革、さらには総合選択制高校や全日制単位制高校総合学科など新しいタイプの高校の具体化や提言を行ってまいりました。  そこでお伺いいたします。
     第一に、保護者の方々が、これらの施策の内容や改善の意図をどれだけ正しく受けとめ、認識し、我が子の相談に対応できているかは疑問の残るところであります。保護者の理解という点について、教育長はどのように考えているのか、お伺いいたします。  第二に、現在、定時制高校の統廃合が問題になっております。我が党は、昨年、実施に当たって、学校の適正規模だけではなく、生徒の学校選択の幅を狭めないための配慮も必要であると要望してきたところであります。そこで、定時制高校については、生徒が集まらないから募集を停止するというのではなく、積極的な学科の改善を進めたり、単位制化を取り入れ、改革するなど努力を払いながら、必要に応じて適正規模、適正配置を進めれば、より都民の理解を得られるのではないかと考えますが、ご所見をお伺いいたします。  第三に、現在都では、二〇一五年の東京像を描こうとしています。二〇一五年を待つまでもなく、児童生徒の急激な減少により、十年後には、教育環境が大きく変化することは間違いありません。今後、都はどのような種類、性格の学校を幾つ用意し、どのような内容の教育を進めようとするのか、これからの教育のグランドデザインともいうべきものを都民の前に示す時期に来ていると考えます。あわせて見解を伺います。  次に、多摩地域の重要課題について伺います。  保谷市は、人口十万人に近い都市でありますが、市民が気軽にスポーツを楽しめる屋外スポーツ施設が極めて少ないのが現状であります。市民の間からは、長年、健康づくりのため、また青少年の健全育成のため、スポーツ公園の建設を望む声は、まことに大きなものがあります。  現在、保谷市には、約十四・五ヘクタールの都市計画東伏見公園が昭和十六年に計画決定されております。その計画地域内にある約一・九ヘクタールの老朽化した木造都営住宅が、東京都住宅局のご努力により、明年には撤去され、更地化される予定となっております。東京都としても、この用地を含む都市計画東伏見公園全体の整備計画をどう進めるかという大きな課題があります。  したがって、今回の住宅移転を契機に、地元市と協力し、公園の整備促進を図るべきと考えるが、所見をお伺いいたします。  最後に、多摩地域発展のために重要な交通問題について伺います。  多摩のまちづくりの基幹的事業は、何といっても多摩全域の道路、橋梁、公共輸送網の整備にあります。各地域がそれぞれ自立的な核の形成を図るとともに、相互に連携発展する条件整備が必要であります。  特に、多摩地域の重要な南北道路五路線の一つである調布・保谷線についてでありますが、この路線は、稲城市矢野口から保谷市北町二丁目までの約十四キロの計画路線であります。整備率はいまだに一四・二%と、他の南北道路に比べて著しくおくれております。この路線は、多摩東部地域の南北交通の渋滞解消のために、一日も早い整備が望まれている重要路線であり、特に保谷市内におけるまちづくりにとっては、極めて重要かつ期待されている路線であります。  東京都としても、早急な取り組みを開始すべきであると思いますが、これまでの整備状況及びこれにつながる青梅街道以北の整備計画についても、具体的にお示しをいただきたいのであります。  以上をもちまして私の質問を終わります。(拍手)    〔知事鈴木俊一君登壇〕 ◯知事(鈴木俊一君) 永沢議員の一般質問にお答えいたします。  まず、地方独立税源の確保等についてのお尋ねであります。  先般、細川内閣総理大臣、武村内閣官房長官に対し、全国知事会長として、また東京都知事として、税制改革における地方独立税源の確保を要望してまいったところであり、地方分権を推進していく上で、地方独立税の充実確保は、極めて重要であるとの認識をいただいているものと受けとめております。  私は、消費税率の引き上げを主張するものではありませんが、所得減税が行われ、その財源として仮に消費税率の引き上げが行われる場合は、消費譲与税を地方消費税に振りかえるなど、地方独立税により完全な減収補てんを行い、地方自治の確立に資する税制改革とするよう、今後とも国に対し強く要望してまいります。  次に、市町村合併に対する都の取り組みについてのお尋ねであります。  平成三年一月、東京都多摩振興構想懇談会から、二十一世紀に向けたまちづくりに当たって、長期的には、住民の意向を踏まえ、市町村の適正な規模や地域の一体性の確保に向けた合併、または再編を推進すべきであるとの報告を受けております。  都としては、この報告を踏まえ、各市町村の主体性を尊重しながら、合併等に取り組んでまいりたい。  また、秋川市と五日市町、また田無市と保谷市の合併に対する支援についてのお尋ねであります。  これらの合併の動向は、東京都多摩振興構想懇談会の報告に沿ったものであり、ご指摘の趣旨を踏まえつつ、都としては、関係する市や町の意向を十分尊重し、適切な助言をしていきたいと考えております。  次に、福祉のまちづくり条例制定についてのお尋ねであります。  都は、昭和六十三年に策定した東京都福祉のまちづくり整備指針に沿って、都民及び民間企業、団体等の理解と協力を基本として、ノーマライゼーションの理念のもとに、福祉のまちづくりの推進を図ってまいりました。また、本年三月には、その一環として、建築安全条例の一部改正を行ったところであります。  ご提案の福祉のまちづくり条例については、先般、学識経験者や区市町村、関係団体等で構成する福祉のまちづくり推進協議会から、条例を制定すべきであるとの提言がなされたところであります。すべての都民に優しいまちづくりを進める上で、貴重な提言であり、これらの意見を参考に、できるだけ早い時期に結論を出せるよう検討してまいります。  なお、その他のご質問につきましては、関係局長から答弁申し上げます。    〔東京都技監石川金治君登壇〕 ◯東京都技監(石川金治君) 調布・保谷線についてのお尋ねでございますが、この路線は、多摩東部地域の骨格をなすだけでなく、地域のまちづくりにとって極めて重要な路線であり、東京都といたしましても、積極的に事業を進めているところでございます。  お尋ねの保谷市内の整備状況につきましては、計画延長約三千九百メートルのうち、青梅街道以南の四百メートルについて事業を実施しています。残りの青梅街道以北のうち、約二千二百メートルが前期事業予定路線として位置づけられており、現在、石神井川や東伏見公園付近の構造などについて、地元市など関係機関と協議を進めているところでございます。  今後、その結果を踏まえ、条例に基づく環境影響評価を実施し、関係住民などの理解と協力を得て事業化を図ってまいります。    〔企画審議室長林育男君登壇〕 ◯企画審議室長(林育男君) 地方分権の推進についてのお尋ねでございますが、現在、都といたしましては、地方分権のあり方について、学識経験者から成る地方分権研究会を設置して調査を進めているところでございます。また、都民とともに地方分権について考えるため、去る十一月一日にシンポジウムを開催いたしたところでございます。  今後とも、国の動向を見きわめつつ、他の自治体とも協力し、地方分権の実現に積極的に取り組んでまいりたいと存じます。  地方分権推進のための全庁的プロジェクトチームの編成につきましては、今後、十分検討してまいりたいと存じます。    〔総務局長大森國裕君登壇〕 ◯総務局長(大森國裕君) 市町村合併のメリットについてのお尋ねでございますが、市町村合併によるメリットといたしまして、一般的には、大規模な事業、重点的な事業の実施が容易になること、また、計画的、広域的な施設整備によりまして財源の効率的配分が可能となること、さらに、組織の統廃合等による経費の節減によりまして、財政力の強化が図られ、自治能力が向上することなどが挙げられると存じます。    〔福祉局長中嶋理君登壇〕 ◯福祉局長(中嶋理君) 福祉のまちづくり条例制定に当たっての具体的な取り組みについてのお尋ねにお答えをいたします。  福祉のまちづくりは、障害者や高齢者を初めとするすべての都民が、地域の温かい思いやりと触れ合いに支えられながら、安全、円滑かつ快適に都市施設を利用できる環境をつくり出すことを目的にいたしておりまして、この意味で、ご指摘の諸点は、今後、検討の際には重要な課題になるというふうに考えております。    〔教育長市川芳正君登壇〕 ◯教育長(市川芳正君) 初めに、高校教育についての都の施策に対して、保護者の理解という点をどのように考えているかとのお尋ねでございます。  ご指摘のとおり、社会の変化や生徒の多様化に対応して、新しいタイプの高校の設置や入学者選抜制度の改善など新たな施策を進めるに当たって、保護者の理解を得ることは極めて重要なことと考えております。そのため、都教育委員会は、都民向けの広報誌である「とうきょうの教育」や各種冊子の発行、東京都提供のテレビ番組の活用などを行っており、また、各高校においても保護者等に対して説明会、パンフレット等によりPRに努めているところでございます。  また、特に、新しい入学者選抜制度については、中学三年の全生徒、保護者を対象として冊子を作成、配布してきたほか、説明会を開催するなどしてきたところでございます。  今後とも、都教育委員会が進める諸施策について都民の理解が得られるよう、あらゆる機会をとらえ、きめ細かなPRに積極的に努めてまいりたいと存じます。  次に、定時制高校の適正規模、適正配置と改善策についてのお尋ねでございます。  都教育委員会は、近年の著しい生徒数の減少により定時制高校の小規模化が進んでいる中で、教育効果の面や生徒の通学条件等への配慮などを総合的に検討し、定時制教育の内容の改善充実とあわせて、適正規模、適正配置を実施することとしたところでございます。実施に当たっては、ご提言のような生徒の学習要望に対応する学科の改善や、多様な履修形態を持つ単位制高校の増設などの施策をあわせて推進することが大変重要であると考えております。  今後とも、都民の理解を得ながら、さらに定時制教育の充実に努めてまいりたいと存じます。  次に、高校教育の総合的なあり方や将来構想についてのお尋ねでございます。  今日、我が国では、国際化、情報化の進展、高齢化、少子化の進行等に伴い、学校教育を取り巻く環境は大きく変化しつつあります。このようなとき、二十一世紀を視野に置いて都における高等学校教育の将来構想を考えることは、極めて重要なことであると認識をいたしております。とりわけ、生徒減少期の中で、高等学校の個性化、特色化を推進するとともに、生涯にわたる一人一人の個性を生かす学習環境を整えることがますます必要となるものと考えております。  ご提言の、グランドデザインともいうべき都立高校の総合的なあり方や将来構想について、都教育委員会としても、今後十分検討してまいりたいと存じます。  以上でございます。    〔都市計画局長長裕二君登壇〕 ◯都市計画局長(長裕二君) 都市計画東伏見公園の整備についてのお尋ねでございますが、この公園は、計画面積十四・五ヘクタールの都市計画公園でございまして、現在、その一部に市立東伏見公園が設置されておりますが、大半は都営住宅や民家が立地してございます。公園としての整備につきましては、計画区域内にある都営住宅の移転の進捗に合わせまして、引き続き地元市とともに、関係機関と調整を図ってまいりたいと存じます。 ◯副議長(萩谷勝彦君) 四十四番下村博文君。    〔四十四番下村博文君登壇〕    〔副議長退席、議長着席〕 ◯四十四番(下村博文君) 鈴木知事は、今定例会の知事発言の第一に、地方分権と行政改革を取り上げられております。日本の地方自治の育ての親としての、その取り組み姿勢について、私は高く評価する者の一人であります。しかしながら、具体的な各局の取り組み方や役人の意識等は、鈴木知事の情熱とは大きな隔たりがあるように見えてなりません。私はこの観点から、幾つかの質問をさせていただきます。  さきの第三回定例都議会でも、今議会においても、再三にわたって地方分権論議がされております。それというのも、国における政治改革法案において、衆議院選挙における小選挙区比例代表並立制等を含む法案が通れば、次は景気対策や規制緩和の実現などとともに早急に着手しなければならない重要課題であるだけでなく、この選挙制度の変更は、市町村合併までに波及する大きな変革であると思うからであります。  鈴木知事は、さきの定例議会において、国、都、区市町村の役割分担について、国は外交や安全保障、内政の基本を担い、内政一般は、挙げて地方自治体に任せるという視点に立って、まず、国から地方自治体への大幅な権限と財源の移譲を進めるべきである、また、都と区市町村の役割分担のあり方については、住民に身近な行政は区市町村が、総合的、広域的な行政は都が担うという観点を基本として、新たな役割分担について検討する必要がある、と述べられております。  しかし、ここでネックになるのは、地方自治体のアンバランスです。都道府県においては、一千二百万人の東京都から、人口わずか六十二万人の鳥取県を、とても同一条件で議論できるわけがなく、また、区部においても、人口七十九万の世田谷区と三万九千人の千代田区とも同列で役割分担ができるわけがありません。本来の地方分権を徹底させるには、平成の廃藩置県ともいうべき地方自治体の新たな見直しが不可欠ではないかと考えますが、知事のご所見を伺います。  また、都区制度改革においては、知事の公約である平成七年四月実現に向け、このような厳しい条件下でありますが、改めて今後のスケジュールと決意のほどをお聞かせ願います。  さて、一方で機関委任事務や中央官庁からの指示や通達が年々ふえている実態があります。そうした中で驚かされるのは、都のその対応の機敏性であります。同じ内容であっても、住民からの要求には腰が重く動かないのに、国に対しては手のひらを返したような処理の仕方に私は何度もびっくりさせられたことがあります。これは官僚としては、都の役人の優秀性を実証することで、中央集権官僚機構の模範生であるといえます。答弁を聞いても、国の動向を見きわめながら等々のいい回しが多く、都としての主体性が見られません。都庁における地方分権に対する意欲は、まだまだ鈴木知事お一人にしかないかのように見受けられます。  改めて早急に、各局に対し、各局の立場からも、地方分権に対する具体的行動内容の明示や、その思想の徹底化など、それぞれ主体的に取り組むよう、職員の意識変革とあわせ、指導する必要があると思いますが、知事のご所見を伺います。  付随しての行政改革でありますが、知事のこれまでの定数削減等における行政改革には深く敬意を申し上げます。そして、これからの都における行政改革とは、規制緩和であると思います。規制緩和とは、民間の自由な活動に行政が介入することを少なくするということであります。確かに、あらゆる面で行政の責任が問われることが多く、そのことが新たなる規則、規制を生み、行政を複雑にし、簡素合理化にますます逆行し、その上、国と都と区市町村の縄張りは複雑で、その調整に多額の経費と労力が費やされている現状でありますが、同時に、都民の意識変革を求めながらの規制緩和を都も積極的に推進すべきであります。そのための具体的な対策委員会を設置すべきと思いますが、知事のご所見を伺います。  次に、都立豊島病院について伺います。  豊島病院は、平成四年十一月に策定された総合実施計画で全面改築が計画されています。その計画の内容によりますと、四年度から六年度までに基本計画、基本設計、実施設計を順次行い、七年度から工事を開始して十一年度に開設を予定しています。改築に要する期間は、四年間にわたる長いものとなっております。この期間中、診療が受けられない場合は、地元住民はもとより地域医療にとって重大な影響を及ぼすことが予想されます。そのため、地元住民の請願等の強い要望を受け、板橋区議会は全会一致で意見書や要望書を提出したのを初め、板橋区長も要望書を提出し、地元を挙げて改築中の診療継続を要望しているところであります。  ところが、改築期間中の診療についての方針は、基本計画を作成中ということで明らかにされておりません。しかし、先月、衛生局は、六年度予算要求に向け、一部診療機能の縮小を決定したとして、地元説明を行いました。その内容は、六年度から入院、外来の診療規模をおよそ半分程度に縮小し、産科病棟は六年七月末に閉鎖するというもので、地元住民に一層の不安を募らせております。  都立病院は、医療設備及び医療スタッフが充実し、地域医療の中核として重要な役割を担っております。豊島病院も、明治三十一年に伝染病院として発足以来、地元に根づき、多くの方が利用しております。現在は救急医療、心臓病医療、感染病医療を重点としているほか、未熟児医療にも取り組んでおり、地元住民にとって必要不可欠となっております。最近の利用状況を見ても、地元板橋区民とその周辺の住民の利用が、入院でおよそ七割、外来でおよそ八割を占めております。  このような状況を踏まえて、改築中の四年間にわたる長い期間、診療を休止することなく継続していくことを要望し、伺います。  次に、都営地下鉄三田線におけるエスカレーターの設備状況と今後の計画について伺います。  現在、都営三田線二十四駅の中で、エスカレーターの設置されていない駅は、板橋区内の板橋本町、本蓮沼駅の二駅を残すだけとなっております。この両駅は、板橋区内の駅では比較的乗降者の多い駅であり、朝夕のラッシュ時には非常に混雑する駅であります。また、この地域は、旧市街地であり、高齢者人口が多く、さらに住宅が密集している中に病院等の施設が多数あり、いわゆる社会的弱者が頻繁に利用している状況であります。  これまで、交通局においても、設置についての検討をなされ、若干のネックもあるやに聞いておりますが、あらゆる技術の進展している昨今、これらの問題をクリアし、板橋区民が長年切望しているエスカレーターの設置について、早急に実現されるよう強く要請いたします。  次に、JR板橋駅前の国鉄清算事業団用地の活用についてお伺いします。  ご承知のように、JR板橋駅前には、赤羽駅寄りの線路わきに、現在もまだ具体的な活用方途が決まっていない国鉄清算事業団の用地があります。面積が約七千二百平米あり、この用地の利用のあり方が、この地域のまちづくりに大きな影響を与えるとともに、地域のまちづくりの一つの核となることは明らかであります。  既に、地元板橋区では、池袋駅寄りに位置し駅舎に隣接する国鉄清算事業団の用地約千六百七十五平米を平成四年十月末に取得し、今後、ホテル機能をあわせ持った国際交流会館を建設するとともに、駅施設との一体的な開発により活力あふれたまちづくりを目指して、積極的に取り組んでおります。  平成四年の第四回定例会でも取り上げ、ご指摘申し上げましたように、三区にまたがる地域であること、交通の利便性の高いこと、地元板橋区が取り組んでいる国際交流会館の建設等々を考え合わせ、この国鉄清算事業団用地に教育庁が計画している国際児童図書館を建設することを再度提案いたします。ご所見を伺います。  最後に、フロン問題について申し上げます。  オゾン層保護対策については、昨年十一月、コペンハーゲンで開催されたモントリオール議定書の第四回締約国会合において、特定フロン等に関する規制年次の大幅な前倒し及びこれら物質の回収再利用に関する決議が合意されました。  国の通産省においては、この十月にフロン等の回収再利用のあり方について分科会を設け、検討に着手したと聞いておりますが、都においては、既に庁有車カーエアコンや都施設における空調用冷凍機の冷媒フロンの回収再利用に取り組むとともに、冷蔵庫等の家電製品についても同様に対応していこうという積極的な姿勢を示しております。  しかし、回収したフロンは、再利用先が確保されない場合、保管しておくしかすべがないのが現状であります。これでは、今後、フロン回収が進んでいく中で大きな問題が残るといえます。  そこで、多くの試験研究機関を抱える都としても、国や民間の研究機関と連携しながら、フロン破壊技術の実用化に向けた積極的な取り組みを進めることが緊急の課題であると考えますが、ご所見を伺います。  ご清聴ありがとうございました。(拍手)    〔知事鈴木俊一君登壇〕 ◯知事(鈴木俊一君) 下村議員の一般質問にお答えいたします。  地方自治体の規模の見直しについてのお尋ねであります。  地方自治体には、歴史的沿革、地域としての一体性、住民の選択などによりさまざまな規模の団体があり、また、分権化の進んだ諸外国の例に照らしても、必ずしも同規模である必要はないと考えます。しかし、市町村の行財政能力に大幅な格差がある現状から、抜本的な地方分権を実施するに当たっては、当面、都道府県に重点を置いた国からの権限と財源の移譲を進めることが現実的かつ効果的であると考えております。  次に、都区制度改革の今後のスケジュール等についてのお尋ねであります。  今回の都区制度改革は、清掃事業を初めとする住民に身近な事務事業をできるだけ特別区に移管し、特別区を基礎的自治体に位置づけるものであり、自治権の拡充並びに地方分権の観点からも、ぜひとも実現したいと考えております。  現在、清掃事業の移管については、職員団体等と精力的に協議を進めており、平成七年四月の都区制度改革実現に向け、最大限の努力をしてまいりたい。  次に、地方分権に対する各局の主体的取り組みと、職員の意識変革についてのお尋ねでございます。  地方分権の推進に当たっては、ご指摘のとおり、各局の主体的取り組みが必要であり、職員の意識変革がなされなければならないと考えます。これまでも地方分権に関する調査や、職員に対する啓発を進めてまいりましたが、今後、地方分権を推進するための全庁的取り組みをさらに強めてまいります。  次に、規制緩和の推進についてであります。  民間に対する規制には、安全性の確保や消費者保護、環境保全など、緩和することが妥当でないものもあります。しかしながら、時代に即していないものや、必要以上に厳しい規制などは、都民が真に豊かさを実感できる社会の実現のために、緩和されるべきであると考えております。  都における規制緩和についても、重要な課題であると認識いたしており、ご提案の趣旨を踏まえて、今後検討してまいります。  なお、その他のご質問につきましては、関係局長から答弁申し上げます。    〔企画審議室長林育男君登壇〕 ◯企画審議室長(林育男君) 地方分権推進の具体的取り組みについてのお尋ねでございますが、現在、都といたしましては、地方分権のあり方について、学識経験者から成る地方分権研究会を設置して調査を進めております。また、去る十一月一日には、都民とともに地方分権について考えるため、シンポジウムを開催いたしております。  ご指摘の職員の意識変革につきましては、地方分権を考える政策研究論文コンクールを実施するなど、啓発に努めているところでございます。  今後、全庁を挙げた取り組みを一層進めるため、各局の参加によるプロジェクトチームを設置することなど、十分検討してまいりたいと存じます。    〔衛生局長渡辺能持君登壇〕
    ◯衛生局長(渡辺能持君) 都立豊島病院の改築期間中の診療についてのお尋ねでございますが、豊島病院は、今後とも高度専門医療を都民に適切に提供していくため、老朽化、狭隘化した施設を改築するものでありまして、現在、基本計画等でその技術的な検討を行っているところでございます。  診療を継続するためには、いずれにいたしましても、既存の建物の一部を残して診療することとなりまして、敷地としては大変厳しい条件のもとでの検討となっております。  具体的に申し上げますと、第一には、法的要件の検討でございまして、新しい豊島病院の建物の建設が、日影や高さ制限などの法的制限に触れることなく可能であるかどうかということ、二つ目には、機能面でございまして、計画している病院の外来、病棟、さらには手術室や検査などの中央診療部門が、高度専門医療を提供する病院として十分にその機能を発揮する配置が可能かどうかということでございます。三番目といたしましては、工事期間中の運営面での検討でございまして、工事の騒音等が診療に支障を来さないか、患者さんや住民の安全が十分確保できるかどうかということでございます。さらに、工事施工面での検討では、一部にこの地域は近隣商業地域を抱える住宅の密集地でございまして、工事に伴います搬入路や資材置き場が確保できるかどうか等の問題でございます。  こうした諸問題につきまして、総合的かつ多面的な検討を加え、ご要望の工事期間中の診療継続については、できるだけ早期に結論を出してまいりたいと考えております。    〔交通局長宮端清次君登壇〕 ◯交通局長(宮端清次君) 都営三田線の板橋本町駅と本蓮沼駅におけるエスカレーター設置のご要請についてでございますが、両駅とも階段の幅員等が狭く、エスカレーターを設置するに当たりましては、既存の構造物を一たん取り壊し、出入り口等を大幅に変更するなどの大規模な工事を伴うとともに、多額の費用が必要となります。  今後、さらに、設置に向けて、技術的な諸問題の検討を重ねるとともに、費用負担及び施工方法等につきまして、地元区等と早急に協議を進めてまいります。    〔教育長市川芳正君登壇〕 ◯教育長(市川芳正君) 児童図書館の設置についてのお尋ねでございますが、児童図書館は、東京都総合実施計画におきまして、児童図書に関するサービス、研究、交流の総合的拠点として計画したものでございます。  その設置につきましては、都民のニーズ、社会経済情勢の変化、国際化に適切に対応しながら、その機能、設置場所等も含めて、引き続き検討してまいりたいと存じます。    〔環境保全局長竹尾格君登壇〕 ◯環境保全局長(竹尾格君) フロン破壊技術の実用化に向けた取り組みについてのお尋ねにお答えいたします。  都は、オゾン層保護対策といたしまして、従来からフロンの回収再利用等に積極的に取り組んでまいりました。ご指摘のとおり、これからは、フロン破壊技術の実用化が緊急の課題であると認識しております。  そこで、今後、できるだけ早く、国や都の関係研究機関等と連携して、フロン破壊技術の実用化に向けた研究に取り組んでまいります。 ◯議長(奥山則男君) 五十三番望月昭広君。    〔五十三番望月昭広君登壇〕 ◯五十三番(望月昭広君) 私は、今、議員として都政に参画する立場となり、一般質問をさせていただきますことは、まことに感慨深いことであります。そのことを申し上げ、私の初めての質問に入りたいと思います。  まず、臨海副都心開発について質問いたします。  農村は神が、都市は人間がつくるといわれますが、高い地価水準と複雑な権利関係に起因して、ともすると後手後手になりがちな東京のまちづくりの中で、臨海副都心開発は、その規模と計画の先進性からして、歴史に刻まれるべきプロジェクトであり、私たち都民の知恵を結集して、ぜひとも成功させなければならない計画であると考えております。  さて、臨海副都心開発については、経済状況の変化の中で、開発のテンポは見直しを余儀なくされましたが、これはバブル経済の勢いによらず、まちづくり本来のテンポを取り戻し、まさに来るべき二十一世紀の世界都市としての機能を含め、臨海副都心を熟成させるための好機と考えるべきではないでしょうか。過去には、幾つものまちづくり構想が発表されながら、時代の変化の中で葬り去られてきた事案や、その結果、無秩序に広がった東京圏の現状を踏まえるとき、鈴木知事がさきの第三回定例会で、社会経済状況の変化に柔軟に対応しながら、事案の着実なる推進を、と発言され、土地利用方式の変更を決断されたことは、都民の貴重なるまちづくりの資源を守りながら、東京を風格ある生活文化都市として完成させるため、時代を的確にとらえた対応と思うものであります。  さて、本年八月、芝浦と台場を結ぶレインボーブリッジが開通し、臨海副都心と都心部とのアクセスは大分改善されました。また、新交通システムや臨海高速鉄道臨海副都心線の第一期工事も順調に進められ、平成八年の世界都市博覧会開催時には、これらの交通機関が開通すると聞いております。これにより、芝浦方面や江東方面からの交通アクセスは飛躍的に高まり、臨海副都心の利便性を大幅に向上させることになります。  しかし、問題は品川方面との交通アクセスであります。船の科学館や十三号地公園のある地域は、品川区の行政区域ですが、それと大井地区とを結ぶ交通アクセスは現在のところ有料道路である東京港トンネルだけで、品川区の住民は区内を行き来するにもお金を支払わなければならない状況です。地域住民の身近なアクセスとなる一般道路がないということは、臨海副都心が都市としての自立した機能を円滑に果たしていく上で大きな支障となるものです。東京港トンネルに、一般国道を追加設置することにおいては、これまでも地元区が強く要望してきたところであります。早急に、一般国道の整備を図るべきと考えますが、今後の見通し及び国への働きかけの状況をお伺いいたします。  次に、臨海副都心線の第二期事業の進捗状況についてお伺いをいたします。  東京テレポート駅から大崎駅までの第二期事業は、平成十二年開業予定となっておりますが、事業に着手するためにはさまざまな手続が必要と思います。現時点での進捗状況及び平成十二年度開業見通しについて、どのように計画されているかお聞かせをください。  次に、東京テレポート駅から大崎駅間の中間駅の設置についてお伺いをいたします。  この間七・三キロメートルで、現在予定されている中間駅は、大井町駅間の地域においては、天王洲アイル開発等、大規模な都市開発が実施、また計画されており、地域の活性化ということからも幾つかの中間駅を設置する必要があると考えますが、ご見解をお聞かせください。  次に、この臨海高速鉄道の接続する大崎副都心についてお伺いをいたします。  二十一世紀に向かい、東京をより住みやすい活力ある都市とするためには、現在、東京都が進めている職住はもとより、文化、教育を初めとするさまざまな機能がバランスよく配置された多心型都市づくりの理念を継承、発展させていくことが重要であると考えます。  しかし、副都心の現状を見ますと、新宿、渋谷といった副都心には業務、商業などの機能がかなり集積しているのに比べ、大崎副都心はこれらの機能集積が余り進んでおらず、同じ副都心でありながら格差が生じてきております。このような状況は、多心型都市構造を目指す副都心整備の方向として歓迎しかねるものではないでしょうか。  そこで、おのおのを個性的で魅力ある副都心として整備育成するためには、特色ある都市機能の誘導を計画的に行うべきであり、そのための方策、指針を作成する必要があると思いますが、ご所見を伺います。  続いて、大崎副都心の一層の整備促進と活性化について、お伺いをいたします。  大崎駅周辺は、ご案内とは思いますが、まちづくりの骨格となる広域幹線道路の形状が悪かったり、駅前広場などのターミナル機能が不足しているなど、都市機能を誘導するための基盤整備が余り進んでいない状況にあります。また、大崎駅周辺では、大規模工場跡地等で、業務・商業機能への土地利用の転換が進みつつありますが、均衡のとれたまちづくりのためには、これにあわせて、居住機能や都市環境への配慮が必要不可欠であります。  我が党がさきに発表した「東京政策とその方向 国際文化都市TOKYOをめざして」の政策においても、住居、業務、商業を立体的に組み合わせた東京ならではの新しい空間プランを提案しております。  今後の大崎副都心の整備促進をどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。  次に、医療についてお伺いいたします。  我が国の人口の高齢化は、非常に早い速度で進行しております。総務庁の推計によれば、日本の六十五歳以上の人口の割合は西暦二〇二〇年に二五・二%と、実に全人口の四分の一を超え、世界一の高齢社会となることが予想されています。若年人口が比較的多いといわれます我が東京都においても、同年には高齢者人口が二一・九%になることが予測されており、これに備えて早急に対策を講じる必要があります。  この高齢社会を支えていく上で、最も大きなウエートを占めるのは、やはり医療と福祉ではないでしょうか。福祉の面では、施設やサービスの充実を図ることはもちろん重要ですが、保健医療の面で、これらをバックアップできる体制が不可欠であると考えます。特に、いざというときに私たち都民が安心してかかれる医療システムの整備は欠かせないものであると私は考えています。  医療については、近年、クオリティ・オブ・ライフという言葉がよくいわれていますが、この言葉に集約されるように、医療サービスの量的な充実だけではなく、質的な充実が求められる時代となってまいりました。いいかえれば、それぞれの医療機関において、患者さんの多様な価値観や個々のライフスタイルを重視したきめ細かい医療サービスを提供していくことが必要になったといえるでしょう。  ところが、昨今の医療の状況を見ますと、全国の病院の七割以上が赤字病院であるとのデータもあり、公立病院はもちろん、民間病院に関しても経営の悪化が伝えられています。また、看護婦さんの慢性的な不足状況が、病院の経営に少なからぬ影響を及ぼしていると聞いています。  一方、昨年、医療法が改正され、高度専門医療を担当する特定機能病院と、慢性疾患の患者さんの長期療養を目的とした療養型病床群の制度がつくられました。この機能分化の考え方は、理念としてはすばらしいものと思いますが、実際に病院にかかる私たち都民の立場から考えますと、自分は一体どこで治療を受けたらいいのかわからない、このような不安が先に立つのではないかという気がしてなりません。  このような状況の中で、公立病院、特に都立病院に寄せる私たち都民の期待はますます大きくなってきており、都立病院は、今後も広く都民の信頼にこたえ、よりよい医療サービスを提供していただかなければならないと考えています。  先般、都は、都立病産院運営基本指針を公表されました。この指針によれば、都立病院の基本的役割は高度専門医療、行政対応の必要な医療の提供であることが示され、さらに、医療機能の連携、患者サービスの向上、経営改善の三つを大きな目標とする五カ年の事業計画が策定されています。拝見させていただいたところ、エイズ、ターミナルケアへの積極的な取り組みなど、評価できる点もありますが、幾つか都としての考え方を示していただきたい点がありますので、お伺いしたいと思います。  まず、この都立病産院運営基本指針を策定された経過についてお伺いをいたします。  次に、この基本指針を策定するに当たっての基本的な考え方についてお伺いをいたします。  都立病院が今後どうあるべきと考えておられるのか、平成三年三月に出されたあすの都立病院を考える懇談会の提言をどのように具体化したのか、お示しいただきたいと思います。  次に、当指針では、五カ年で二百五十二億円にも上る経営改善計画が示されていますが、民間病院や政令指定都市病院の経営状況の悪化が伝えられる中で、このような経営改善が本当に可能なのかどうか、見通しをお伺いいたします。  次に、来年開設を予定している都立荏原病院についてですが、どのような病院となるのか、その概要を明らかにしていただきたいと思います。さらに、地域の開業医の皆さんと、都立病院の新たな医療連携システムを実施し、医療レベルの向上と患者さんの利便を図るべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。  なお、一言つけ加えておきますが、私たち都民が都立病院に真に求めているものが何なのか、その点を十分に把握された上で、今後も医療サービスの向上に一層努められるよう要望しておきます。  最後に、環境問題についてお伺いいたします。  去る十一月十五日に東京都における環境行政のあり方に関する懇談会の最終報告が出されましたが、その中で、地域特性の重視ということが指摘されております。ご案内のとおり、私の地元であります城南地域は、工業を中心とした中小企業の集積地であると同時に、多摩川に沿った丘陵地は、住宅市街地として完成された状況にあり、地域特性としては全く異なった状況を有する地域であります。そればかりか、あらゆる機能が混在する地区も点在しており、いわば大都市東京の縮図ともいえる地域であり、一口に地域特性の重視といっても、どのように判断すべきか、そのこと自体に問題があると考えます。  こうした現実のもとに、都は、今後の環境行政を展開する中で、懇談会報告をどのように生かしていくのか、見解をお伺いいたします。また、懇談会報告では、近隣自治体との協調、協力関係の強化という提言をしておりますが、私の身近なところで申し上げれば、多摩川における水や緑の保全は、既に東京都だけでは解決し得ない状況にあります。そうしたことを踏まえて、この近隣自治体との連携強化について、どのようにお考えになっておられるかお伺いいたします。  以上、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)    〔知事鈴木俊一君登壇〕 ◯知事(鈴木俊一君) 望月議員の一般質問にお答えいたします。  まず、副都心の育成整備指針の策定についてのお尋ねであります。  多心型都市づくりを計画的に推進するため、都心に集中する業務機能の受け皿として、また、各地域の商業や文化、生活などの広域的な拠点として、副都心の育成整備を図ることとしております。個性ある副都心づくりを計画的に進めるため、それぞれの歴史や地域の特性を踏まえた副都心育成整備指針を策定してまいります。  次に、東京都における環境行政のあり方に関する懇談会報告についてのお尋ねであります。  ご指摘のとおり、東京は、地域ごとに多様な自然的、社会的な特性を有しております。懇談会報告においても、環境行政の推進に当たっては、こうした地域特性を重視した施策を展開すべきであるとしております。  都としても、今後、この報告の趣旨を踏まえ、区市町村とも連携し、それぞれの地域の特性に配慮した環境行政を積極的に推進してまいります。  また、環境行政における近隣自治体との連携強化についてのお尋ねであります。  都は、これまで七都県市共同で東京湾の水質改善に取り組むなど、近隣自治体との連携のもとに広域的な環境問題に対処してきたところであります。今後とも、ご指摘の河川の水質改善や自然環境の保全など、都県を超えた広がりのある課題については、懇談会報告の趣旨をも踏まえ、近隣自治体との協力関係を一層強化してまいります。  なお、その他のご質問につきましては、関係局長から答弁申し上げます。    〔都市計画局長長裕二君登壇〕 ◯都市計画局長(長裕二君) 臨海副都心に関連しまして三点お答え申し上げます。  東京港トンネル付近の一般国道の整備についてのお尋ねでございますが、ご指摘の国道につきましては、都としても広域道路網の形成及び周辺地域の開発を促進していくため、早期整備が必要であると考えております。都は、これまでも、国に対し事業化に向けての要望を行うなど、積極的に取り組んできたところでございます。  今後とも、引き続き、整備の促進を国に要請してまいります。  次に、臨海副都心線第二期事業の進捗状況についてのお尋ねでございますが、現在のところ、平成五年度中にも東京臨海高速鉄道株式会社が鉄道事業の免許を取得いたしまして、その後都市計画決定の手続に入ることを目途として準備を進めております。これらの手続を順調に進め、平成十二年度開業に向けて最善の努力をしてまいります。  その二期工事の東京テレポート駅から大崎駅間の中間駅設置についてでございますが、東京臨海高速鉄道株式会社に対し、中間駅設置の要望が地元から出されておりまして、会社では駅設置の技術的可能性及び事業採算性等について検討を進めているところでございます。東京テレポート駅と大井町駅との間は地下区間となり、駅を設置する場合の建設費は相当多額になると見込まれますが、沿線地域の活性化など、地元のまちづくりにも大きく貢献できることから、都としても、採算面も含めて、駅設置の可否について会社とともに検討を進めてまいります。  次に、大崎副都心の整備についてでございますが、大崎副都心は、先端技術産業の集積を生かしながら、業務や文化機能などの立地の計画的な誘導を図り、居住機能や都市環境を配慮したまちづくりを進めることといたしております。このため、市街地再開発事業の推進や再開発地区計画制度等の活用を図りつつ、骨格となる新たな幹線道路網や臨海副都心線などの関連する鉄道網の整備を促進していく考えでございます。    〔衛生局長渡辺能持君登壇〕 ◯衛生局長(渡辺能持君) 医療問題につきまして四点のご質問をいただきました。  初めに、都立病産院運営基本指針の策定の経緯についてでございますが、この基本指針は、知事の諮問機関であります、あすの都立病院を考える懇談会の提言を具体化するため、平成四年六月、局内に都立病産院運営基本指針策定委員会を設置いたしまして、将来とも都民の期待にこたえ得る都立病産院を実現するための実施計画として策定したものでございます。  次に、基本指針の策定の基本的な考え方についてでございますが、あすの都立病院を考える懇談会の報告では、都立病産院は、高度専門医療、行政対応が必要な医療を適正に都民に提供することが基本的役割であると提言されております。今回策定いたしました都立病産院運営基本指針は、この基本的な役割を踏まえまして、昨今の医療を取り巻く環境の変化に適切に対応し、時代のニーズにこたえ得る都立病産院の今後の方向を示したものでございます。  具体的には、第一に、現在の医療水準を一層向上させるとともに、エイズ、ターミナルケア等の新しい医療への対応、また、都立病院の持つ機能を十分に発揮するための医療連携システムの確立、二番目といたしましては、インフォームド・コンセント、説明と同意に基づく医療への取り組みの強化や、外来待ち時間の短縮など患者サービスの向上、第三には、これらを支える経営基盤を確立するため、収支比率の改善や経営管理体制の整備を行おうとするものでございます。  次に、経営改善計画についてのお尋ねでございますが、この計画は、高度専門医療、行政対応が必要な医療など、不採算性の強い医療を受け持つ都立病院の医療実態などを考慮した上で、収支比率を実質的に他の政令指定都市病院並みに引き上げることを目指したものでございます。今後、各病産院と本庁とが一丸となって、この計画の実現に向けて努力してまいります。  最後に、都立荏原病院についてのお尋ねでございます。  荏原病院は、来年度から三カ年をかけて開設する計画であり、全面開設時には、入院五百床、外来一日七百五十人程度の規模を予定しております。重点医療といたしましては、成人病医療、難病医療、リハビリテーション医療、感染症医療などを提供していくこととしております。  また、医療連携システムにつきましては、それぞれの医療機関が役割分担しつつ、相互に連携を図っていくものであり、今後の医療供給体制の望ましい姿と考えておりまして、荏原病院においてもこのシステムを導入していく考えでございます。  具体的には、地域の医療機関等から、荏原病院の医療機能を必要とする患者さんの紹介を受けるとともに、他の医療機関での治療や療養がふさわしい患者さんについては、逆に荏原病院から紹介をするなど、それぞれが病状にもっとも適した医療を提供し、トータルとして医療資源の効率的な活用を図ろうとするものでございます。 ◯議長(奥山則男君) 五十四番加藤まさ子さん。    〔五十四番加藤まさ子君登壇〕    〔議長退席、副議長着席〕 ◯五十四番(加藤まさ子君) 社会党・市民ネットの加藤まさ子です。大きく分けて五つにわたって質問をいたします。知事並びに関係局長の適切な答弁を求めて質問に入ります。  十二月四日から人権週間が始まっています。ことしは、国連における世界人権宣言が採択されてから四十五周年に当たり、東京都においてもさまざまな取り組みが行われています。  ことしの強調事項の一つとして、女性の地位を高めようと書かれてあります。我が会派の代表質問でも取り上げましたように、まだまだ古くからの家制度、戸籍制度に根差した制約があり、女性が自己の能力を十分に発揮して、充実して生きる環境は整っておりません。都民女性から寄せられた声を具体的に一つだけここで取り上げてみたいと思います。  妻が、夫とは別に国民健康保険に加入している場合です。保険料の支払いは妻の責任においてなされているのに、保険証の表は、世帯主である夫名になっているという点です。保険証の表ぐらい、保険料を現に支払っている当人の名前にしてもらいたい、こういう声です。お答えをいただきたいと思います。  九四年は、国連で決められた国際家族年に当たります。男女共同社会の実現に先駆的に取り組んできた東京都において、特に家族関係における男女平等の推進が図られるよう望みます。特に育児休業、介護休業について男女ともに取得できる環境をつくっていくことが必要と考えますが、都の取り組みを伺います。  国際家族年を経て、九五年には北京で第四回の世界女性会議が開かれます。この会議に東京都からもぜひ積極的に参加していただきたいと思います。また、その際のテーマに、女性差別の一つとして我が国にいまだに残っている、家制度的な差別についても取り上げていただきたいと考えます。ご所見を伺います。  厚生省の保育問題検討会の報告が、この会期中にも出されるそうです。検討内容には、従来の措置制度とは別に、親の年収によって保育所と直接親が契約を結ぶ直接入所の制度が導入されるなど、これまでの保育制度を大きく変更するものと聞いております。  子育てを私ごととしてではなく社会的に保障をしてきたこれまでの保育制度は、女性の自立を促し、核家族で孤立しがちな子育て家族を支えてきたと思います。子どもの権利条約も批准されようとしている今日、子供たちの育つ環境としても、保育施策の充実、発展が求められます。まず、保育所の将来を考える上での都としての公的責任について、知事はどのようにお考えでしょうか、お伺いをいたします。  ご存じのように、一人の女性が一生に産む平均子供数である合計特殊出生率は減少の一途をたどり、特に東京では、全国の一・五〇を大きく下回り、一・一四と全国最低となっております。保育所では定員割れが起こっている一方で、入所待機児童がふえているという現象が見られます。保育を希望するどの子にも保育の機会を公平に与えられることが大切です。都はどのように考えているでしょうか。  東京都では、これまで他の自治体に率先して無認可の保育所に対する補助を実施してきました。認可保育所にあきがあっても、小規模集団で家庭的なのがいい、自由な雰囲気だと評価して、選んで無認可保育所で子供を育てるケースがあります。しかし、少子化の中、無認可も定員を確保するのは容易ではありません。既に都は子育て支援ネットワークづくりなどに取り組んでいますが、家庭福祉員や保育室を、地域に密着した保育力として活用し、支援していくことを改めて求めておきます。都の考えをお聞きいたします。  三十年ぶりに水道水の水質基準の大改正が行われ、この十二月一日から施行されています。ところで、十二月五日の新聞では、大阪において、水道水中の変異原性物質により人の細胞の中のDNAが損傷されることが初めて測定されたと報道しています。水の安全性についてさらに警告が発せられたものと感じました。  新しい水質基準では、基準項目四十六項目、快適水質項目十三項目、監視項目二十六項目が設定されております。この際、DNAや染色体に影響を与える変異原性や発がん性のテストが考慮されたのでしょうか、お聞きします。テスト実施などを通して具体的に水の安全性を確保する研究や対策の確立が必要だと考えますが、都の水道事業者としての考えをお聞きしたいと思います。  九五年で金町浄水場の高度処理施設が完成されるとのことです。全体でどのくらいの水が高度処理され、供給されていくのでしょうか。高度処理水、そして通常の処理水との配分割合などもあるかと思いますが、お答えをいただきたいと思います。  高度処理ですべてを解決するというわけにはいかないと思いますが、合成洗剤の成分である陰イオン界面活性剤は除去できているのでしょうか、伺います。  日本の河川は、短い上に使い回しが激しく、水質が汚濁されやすい環境にあります。都の水源として八〇%を占める利根川水系も例外ではありません。原水をきれいにしていくことが大切なわけですが、利根川の上流地域における農薬、肥料の散布を制限するなどの対策が考えられます。また、流域や地域における積極的下水処理、あるいは合成洗剤を使わないなどの環境対策を応援していくことはできないでしょうか、伺います。  私の住む大田区には、多摩川の最下流の取水せきである調布取水せきがございます。二十年以上も前、水質の悪化から飲用の水としての取水が中止されて今日に至っております。水利権更新の交渉の最中と聞いておりますけれども、遠くの新たな水源を開発するということでなく、東京都の自前の水源としてぜひ確保、活用していただきたいと思います。  この点について、以前、同僚の池田議員の取水再開に関した質問に答えて、二〇〇〇年を目標に、B類型を達成したときに供給を再開するとお答えいただいております。現在、玉川浄水場には飲用の水製造のための施設設備はありません。B類型達成時に水道水としての供給を実現できる体制を、具体的にどのように準備されているのか、お示しください。  国においては、水源保全法の制定に取り組まれておりますが、都の水道事業者としては、法に率先した原水をきれいにしていく対策に取り組むべきと考えますが、どのような施策をお持ちか、お知らせください。
     東京都清掃局は、十一月十九日付で、清掃工場から排出されるダイオキシンの実態調査の結果を発表しました。添付された調査結果の説明資料によれば、一年で、たった一年でダイオキシン濃度が三倍以上にふえた大田清掃工場第二工場だって、指針値の三百三十分の一ですから大丈夫ですよというものになっています。  ダイオキシンは有名ですから、加藤、何だ、くどいぞとお思いになる方もおいででしょうが、何しろ史上最強の毒物、青酸カリの千倍以上の毒性、わずか八十五グラムで百万人も死亡させることができる毒物ということですから、大いに関心があります。かのベトナム戦争のとき、米軍が空中散布した枯れ葉剤の中に入っていた物質で、最近では母乳中からも検出され話題になっています。  大田第二工場の排ガス中のダイオキシン濃度は、九〇年は二〇、九一年一六、九二年五〇と急上昇をしております。大田清掃工場は京浜島という埋立地にありますが、京浜島はもとより、付近には多くの人が仕事をし生活をしています。ダイオキシンは食物を通しても人体に蓄積されますが、島を取り巻く東京湾には、たくさんの魚介類もいて、毎日その海に広くダイオキシンが降り注いでおります。清掃工場からのダイオキシンの発生量急増は、これでも不安がないといえるのでしょうか。お答えいただきたいと思います。  九〇年十二月、国・厚生省が示したガイドラインでは、新設炉の設備においては、排ガス中ダイオキシン類の濃度が〇・五ナノグラム・パー・ノルマル立方メートル程度以下になることが期待されると述べられています。清掃工場排ガス中の期待したいダイオキシン濃度ということで、これを目標としたとき、古い施設だから当てはまらないということはいえるかと思いますけれども、現状の第二工場の五〇ナノグラム・パー・ノルマル立方メートルは百倍にも当たり、ダイオキシン濃度を低くする施策を早急に打つ必要を感じますが、いかがでしょうか。  都では、大田第二工場のダイオキシン濃度の上昇の原因について、ごみ組成の不安定性を挙げ、その対策として、燃焼管理に関する改善を行おうとしています。このたびの調査では、他の清掃工場でも一様に濃度が上昇しています。焼却すべきごみの中の不燃不適ごみの混入率が高まっているからではないでしょうか。分別ごみだけを燃やす対象にする初めての清掃工場である大田第二工場だからダイオキシンが高いのはもっともだ、などとはいっておられません。問題が解決できないのなら、解決の方法が見つかるまで、不燃不適ごみの焼却をストップしていただきたいと思います。その上で、分別を徹底させ、燃えるごみの全量焼却のために使ったらいかがでしょうか。今後に向けての都のお考えをお示しください。  最後に、リハビリテーション医療の充実について伺います。  九〇年に墨田区の白鬚東防災拠点に東京都リハビリテーション病院が開設されて、三年を経ました。これは八〇年のリハビリテーション医療調査委員会の報告が、都におけるリハビリ医療供給の中核となるリハビリ専門病院を設置すること、と提言したのを受けて具体化されたわけですが、同病院の運営状況を見ますと、入院、外来ともに年々患者が増加し、入院では約二倍ですが、外来は約四倍となり、その需要の大きさを示しているところです。しかも、同病院の地域的事情もあり、東京東部の地域の患者が六割から七割を占めているのが現状です。  東京都が、都立病院の専門リハビリ施設の設置に努めるとともに、民間病院などに対しても専門病床整備事業を実施し、リハビリ医療の充実に取り組まれていることは高く評価しておりますが、今後の高齢化社会の進展や医学、医療技術の進歩などを考えるとき、ますます需要が増大すると考えられます。都による第二、第三のリハビリ専門病院の設置が不可欠と考えますが、ご所見を伺います。  以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)    〔知事鈴木俊一君登壇〕 ◯知事(鈴木俊一君) 加藤議員の一般質問にお答えいたします。  保育所の将来についてのお尋ねであります。  保育所は、地域において子育てと仕事の両立を支援し、乳幼児を健やかに育成する重要な役割を担っているものと考えております。このため都は、多様な保育需要にこたえられるよう、ゼロ歳児保育や延長保育などについては、国の基準を上回る助成を行い、保育施策の推進を図ってきたところであります。  今後とも、子供や家庭を取り巻く環境の変化に十分対応できるよう、保育制度の充実に努めてまいります。  なお、その他のご質問につきましては、関係局長から答弁申し上げます。    〔福祉局長中嶋理君登壇〕 ◯福祉局長(中嶋理君) 三点のご質問をいただきました。  まず、国民健康保険における被保険者証についてでございますが、国民健康保険法におきましては、被保険者資格の届け出、保険料の納付等は世帯主が行うこととされております。また同じく被保険者証につきましても、世帯主にその交付請求権を認めますとともに、世帯主名を被保険者証の第一面に記載することを定めているところでございます。ご理解をいただきたいと存じます。  次に、保育所における定員割れと入所待機児童の対応についてでございますが、近年、乳幼児人口が減少している中で、保育所におきましては三歳以上の児童の定員割れが進み、その一方で、ゼロ歳児や一歳児の入所待機児童が増加をしてきております。  都はこれまでも、入所待機児童の解消を図るため、三歳以上の児童の定員を三歳未満の児童に一部振りかえるなど、需要に応じた定員の設定を指導いたしますとともに、ゼロ歳児保育推進加算や延長保育の加算などを行いまして、施策の充実に努めてきたところでございます。今後とも、実施主体であります区市町村と協議しながら、保育需要に適切に対応できるよう努めてまいります。  第三に、保育室等の支援についてでございます。  保育需要が多様化する中で、保育室等は、乳児の受け入れや長時間保育の実施など、認可保育所を補完する一定の役割を果たしてきております。現在、東京都児童福祉審議会におきまして、東京における児童福祉・家庭支援の新たな展望というテーマで、子育て支援のためのネットワークづくりなどについて検討していただいているところでございます。保育室等の今後のあり方につきましては、この審議会の報告も踏まえながら、十分検討してまいりたいと存じます。    〔労働経済局長小久保久君登壇〕 ◯労働経済局長(小久保久君) 育児休業や介護休業についてのお尋ねにお答え申し上げます。  男女がともに職業生活と家庭生活との調和が図れるような、働きやすい職場環境をつくることは、男女平等社会を実現する上で重要であると考えております。  東京都といたしましては、育児休業につきましては、今後導入が義務づけられております中小企業の事業主への研修に対します支援、あるいは育児休業取得者の生活の安定を図るための融資などを行っているところでございます。  また、介護休業につきましては、現在、企業内福祉制度としての位置づけではございますが、制度導入を容易にするための手引やリーフレットを作成いたしまして、労使に対する啓発に力を注いでいるところでございます。  今後とも、制度の周知徹底を図りまして、男女がともに育児休業や介護休業を取得できるような環境づくりに努めてまいりたいと思います。    〔生活文化局長谷口晴康君登壇〕 ◯生活文化局長(谷口晴康君) 第四回世界婦人会議への参加についてのお尋ねでございますが、世界婦人会議では、政府間会議と、民間団体、自治体等が参加するNGOフォーラムとが開催されることになっております。  都では従来から、都内の各地域で活動されている女性を、東京都女性海外視察団として諸外国に派遣する事業を実施しておりまして、一九八五年にナイロビで開催された第三回世界婦人会議のNGOフォーラムにこの視察団が参加したところでございます。  ご指摘の北京で開催される第四回世界婦人会議につきましても、同様の形で派遣することを考えております。  なお、その際のテーマにつきましては、ご提案の趣旨を含め、NGOの動向及び参加者の意向等を踏まえながら検討してまいりたいと存じます。    〔水道局長菊田精君登壇〕 ◯水道局長(菊田精君) 水道関連のご質問につきましてお答え申し上げます。  変異原性や発がん性の検討、及び水の安全性を確保する研究、対策の確立についてのお尋ねでございますが、新しい水質基準の設定に当たりましては、変異原性や発がん性を含めた最新の知見をもとに基準値を設定したと聞いております。水道事業者といたしましては、今後も国が幅広い知見を蓄積するとともに、水の安全性を確保する研究、対策を充実させ、水質基準の拡充に関する検討を引き続き実施していくことを期待しております。  次に、金町浄水場の高度浄水処理施設の割合と供給についてのお尋ねでございますが、第二期施設完成時の平成七年度末には、日量五十二万立方メートルになり、この高度処理水は金町浄水場の平均配水量の約二分の一となります。高度処理水は場内で均一に混合して供給しております。  陰イオン界面活性剤の除去につきましては、従来から、粉末活性炭で基準値以下になるように処理を行ってまいりました。また、オゾンと生物活性炭を組み合わせました高度浄水処理では、より一層効果的に除去されております。  次に、農薬でございますが、農薬につきましては、その抑制と散布方法の改善につきまして、利根川水系水道事業者連絡協議会を通じて、また当局独自で国及び関係自治体へ強く要請をしてまいりました。  また、流域や地域における下水処理や環境対策につきましても、建設省、環境庁等関係機関に対して要望してきておりまして、今後とも働きかけを続けてまいります。  次に、玉川浄水場再開の取り組みについてのお尋ねでございますが、当局では昭和四十五年九月、調布取水せきから取水を停止してからも上水道としての再開を考慮いたしまして、玉川浄水場において基礎的な水処理実験を継続して実施しております。今後も環境基準B類型達成後の再開に備えまして、新たな水処理技術の調査等を行い、体制づくりの努力を続けてまいります。  次に、都はこれまで、下水道整備等による河川の水質保全対策の推進や、排水規制の強化等を、国や関係機関に強く働きかけをしてまいりました。また、都の独自水源である小河内貯水池及びその流域につきましては、湖の水質保全対策を図るため、水源涵養林の保護育成に努めるとともに、流域町村及び沿岸保養施設等と排水処理等に関する協定を締結いたしまして、水質保全の協力を得てまいりました。  今後とも、地域住民の協力を得ながら、水源保全に積極的に取り組んでまいります。    〔清掃局長小豆畑孝君登壇〕 ◯清掃局長(小豆畑孝君) ダイオキシンについての三点のご質問にお答えいたします。  まず、清掃工場のダイオキシン濃度についてのお尋ねでございます。  ダイオキシンの人体に与える影響については、国の廃棄物処理に係わるダイオキシン等専門家会議で評価指針が示されております。都においては、清掃工場から排出されるダイオキシンの濃度を評価する場合、この指針に基づいており、今回の調査結果では、発生量は増加したものの、指針を下回っておりまして、現在の数値は心配すべき数値ではないと判断しております。  次に、ダイオキシンの低減対策についてのお尋ねでございます。  国は、ダイオキシン対策として、新設の焼却炉と既設の焼却炉とに分けて、具体的なガイドラインを定めております。都は、新設焼却炉につきましては、建てかえ中の千歳工場外二工場はもとより、ガイドライン設定以前に計画しました有明清掃工場についても、新設焼却炉のガイドラインに基づいて建設を進めております。既設の焼却炉については、このガイドラインに沿いまして、燃焼温度、排ガス中の一酸化炭素濃度、酸素濃度を適切に保つことにより完全燃焼に努めるとともに、大規模な改修工事あるいは炉の更新時に設備改善を図ってまいる考えでございます。  第三点は、大田第二工場のダイオキシン対策についてのお尋ねであります。  今回の大田第二工場におけるダイオキシン濃度の上昇の原因は、分別ごみの質が一定していないことなどによると考えております。今後、ダイオキシン低減のため、適正な燃焼管理に必要な自動燃焼装置の改善や、集じん機入り口の排ガス温度を下げる工事などに取り組んでまいります。  また、都民の皆様の理解とご協力をいただいて、ごみの分別を徹底し、ごみ質の安定を図るとともに、可燃ごみの試験的な焼却なども実施し、その結果を確かめながら、ダイオキシンの低減策の確立に努めてまいります。    〔衛生局長渡辺能持君登壇〕 ◯衛生局長(渡辺能持君) リハビリテーション医療についてお答え申し上げます。  本格的な高齢社会を間近に控えまして、リハビリテーション医療の充実は極めて重要な課題であると考えております。都はこれまで、東京都リハビリテーション病院の設置、都立病院での専門病床の整備、さらには民間病院が行う専門病床整備に対する助成などを行って、リハビリテーション医療体制の充実を図ってきたところでございます。  今後の体制整備につきましては、昨年九月に設置いたしましたリハビリテーション医療推進委員会において検討をいただいているところでございまして、具体的な整備方針につきましては、その報告を踏まえまして、引き続きリハビリテーション医療の充実に努めてまいります。 ◯副議長(萩谷勝彦君) 六十八番高野之夫君。    〔六十八番高野之夫君登壇〕    〔副議長退席、議長着席〕 ◯六十八番(高野之夫君) 東京は、都制施行以来半世紀の間に驚くべき変貌を遂げ、現在、一千二百万都市として発展を続けております。  都は、鈴木知事が就任されて以来、マイタウン東京を掲げ、三次にわたる長期計画を策定し、東京のまちづくりを飛躍的に発展させ、着実な成果を上げております。  一方、国際情勢や国内の社会経済構造など、都政を取り巻く環境は、ここに来て大きく変化しております。  こうした中で、都においては、今後の都政の課題に対応するため、二十一世紀を見据え、二〇一五年の東京を考える懇談会を設置いたしました。これはまことに時宜を得たものであり、大きな期待を寄せるところであります。  しかし、考えておかなければならないのは、現行の第三次長期計画は、二〇〇〇年までを視野に置いたマイタウン東京の総仕上げに向けた計画であり、一方、長期展望は、二〇一五年を展望した長期的なビジョンであるということであります。  二十一世紀初頭から次の時代へと東京のまちづくりを継承し、その道筋を明らかにしていくためには、両者の連続性、継続性を考慮することが極めて重要であります。長期展望はビジョンであり、長期計画は目標であるということは十分に理解しておりますが、二十一世紀の東京のまちづくりを進めるため、第三次長期計画と長期展望との関連をどのように位置づけたらよいか、その継続性、整合性についてお伺いいたします。  東京は今、住宅問題、ごみ・環境問題など、多くの大都市問題を抱えておりますが、その大部分は一極集中に起因しており、その根底には中央集権的社会システムがあります。そしてその解決のためには、地方分権を積極的に推進し、地域が主体となって、みずからの手でまちづくりを進めるような条件整備が不可欠であります。  地方の時代といわれて久しくなりますが、国民の間に地方分権を進めていこうとする意識、理解は着実に広がり、深まってきております。今回の長期展望の策定に当たっても、地方の分権の推進など、自治の視点の重視という問題意識を持って検討を進めようとしておられるように伺っております。そこで、今後の東京のまちづくり、東京の均衡ある発展という観点から、地方分権をどのように進めていくのか、基本的な考え方をお伺いいたします。  東京は、これまで積極的にまちづくりを進めつつ、絶え間ない発展を続けており、将来にはまことに夢多いものがあります。しかし、高度に発達した大都市東京を今後とも維持していくためには、膨大なコストがかかることも忘れてはなりません。高度成長期に充実した社会資本等が、今後更新期を迎えることになり、この膨大な社会資本等を適切に維持、更新することは、東京が二十一世紀の都市として発展する重要な土台となるものであります。  今回の長期展望の策定に当たっては、社会資本の整備、更新と、財政運営のあり方を検討課題の一つとして挙げておりますが、これはまさに当を得た重要な視点であります。長期展望の検討及び策定に当たっては、それが画餅に帰すことのないよう、更新需要についても適切に把握し、的確な経済見通しの上に立った確実な計画を立てる必要があります。このような観点から、社会資本の整備、更新のあり方について、基本的なお考えをお伺いいたします。  次に、中小企業対策であります。  我が国経済は、依然、回復に向けた足取りに一筋の光明すらも見出せず、先日、経済企画庁の発表によれば、今回の景気後退は三十一カ月続いているといわれます。こうした状況のもと、不況に苦しむ都内中小企業を支援するため、知事は、緊急特別資金融資を柱とする中小企業緊急景気対策を五次にわたり実施してまいりました。私は、こうしたこれまでの知事の積極的姿勢を高く評価するものであります。  しかし、現在実施中の緊急融資は、年末までの間実施するとのことですが、現在の景気回復に対する大方の見通しは、来春以降にずれ込むものと見ております。したがって、少なくとも来年三月まで延長すべきではないかと考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。  次に、こうした当面の対策に加えて、景気低迷の長期化や、急激な円高の進行等を契機として、我が国の産業構造が急激に転換しつつあり、産業の空洞化が懸念される中で、構造変化に対応した中小企業の体質強化を、都としてどう支援していくかということについてお伺いいたします。  まず、中小企業のリストラ支援についてであります。  国は今国会で、いわゆるリストラ法を制定し、中小企業がみずから行う新分野の進出などの体質強化策を、金融や税制等の側面から支援することとしておりますが、都として、この法律の運用はもとより、同法の要件に該当しない中小企業への対応を含めて、今後どのように支援していくのか。  次に、中小製造業の操業環境の確保についてであります。  東京の工場数は、昭和五十八年の約十万工場から平成二年の八万工場まで、わずか七年間で二万工場も減少しております。東京が今後とも均衡のとれた成長をしていくためには、産業のバランスある発展が不可欠であります。都は、都内の中小企業が安心して操業を続けられるような場の整備を促進し、中小企業経営の安定を図るべきであると考えますが、ご所見をお伺いします。  人材の確保、育成についてであります。  私は、高齢化が急速に進展する中で、社会全体として必要な人材をどのように育成し確保していくかが、今後重要な課題となってくると考えております。このためには、中高年女性や高齢者の方々も、大切なマンパワーとして活躍していただくことは無論ですが、勤労者一人一人の能力有効発揮を図っていくことが大変重要であります。二十一世紀を展望した職業能力開発施策を今後どのように展開しようとしているのか、ご所見をお伺いします。  次に、商店街対策についてお伺いします。  バブル崩壊後の長い景気低迷の中で、商店街は塗炭の苦しみにあえいでおりますが、現在の中小小売商業、地域商店街の景況についてどのような認識をされているのか、また、中長期的に見た商店街の動向について、その実態をどのように把握されているのか、お伺いいたします。  ところで、現在数多くの商店街は、急激な社会環境の変化に的確に対応できずに、衰退の危機にさらされているのが現状であります。私は、このような状況がそのまま放置されるならば、地域の商店街は一層衰退し、地域住民の生活利便の確保だけにとどまらず、地域の活性化、まちづくりにも深刻な影響を与え、やがては地域コミュニティ崩壊へとつながるのではないかと危惧しております。  都が展開してきたモデル商店街事業、コミュニティ商店街事業などが、商店街の活性化に大きな成果を上げてきたと評価いたします。しかしながら、今後は、個別の商店街づくりにとどまらず、地域の中核的な商業集積地を広がりの持った面としてとらえ、これをまちづくり計画と結びつけて総合的に整備するといった、大がかりな振興施策も展開していく必要があるのではないかと考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。  次に、地域の問題についてお伺いいたします。  巣鴨は、おばあちゃんの原宿として、真性寺の六地蔵、高岩寺のとげぬき地蔵があって大変なにぎわいを呈しております。今回、駅前商店街では、アーケード改築と歩道のカラー舗装化が完成し、もてなしの町巣鴨として生まれ変わり、さらに大いなる発展が期待されます。しかし、この商店街の中核に都バス車庫があり、これが商店街の連続性を分断しているのが現状であります。バス事業において車庫の必要性は十分認識しておりますが、これからの巣鴨の商店街の振興、地元の活性化のために、車庫用地の有効利用を考えるべきと思いますが、ご所見をお伺いいたします。  次に、清掃工場建設計画についてお伺いいたします。  豊島区に建設される清掃工場は、既に都が予定地の約八割を取得して、いよいよ都市計画決定手続も秒読みの段階に入ったのではないかと思われます。そこで、この機会にお伺いいたします。  まず、この用地は、副都心池袋のターミナル駅から約五百メートルという至近距離で、かつ近隣に高層ビルがあるという立地条件から、どのような視点に立って工場建設を行っていくのか、その基本的な考えについてお伺いいたします。  また、都では、清掃工場をローカルエネルギーセンターとして位置づけることとしておりますが、豊島地区清掃工場では具体的にどのように計画しているか、お伺いいたします。  次に、池袋東西の交流デッキ構想についてお伺いいたします。  区、都、国、JRと一体となって推進している東西デッキ構想は、現在どのように進捗しているのか、お伺いいたします。  また、今回、豊島清掃工場の建設計画を機会に、池袋大橋周辺の北地区に、東西の交流の新たなるデッキ構想をとの強い住民要望がありますが、副都心計画の中でどのように考えていくのか、ご所見をお伺いいたします。  次に、都市計画道路についてお伺いいたします。  環五の一及び補助一七三号の都市計画道路は、先日の豊島区議会においても促進の請願も採択され、早期実現に強い期待を持っておりますが、その見通しについてお伺いいたします。  また、環六、山手通りの道路拡幅と、中央環状新宿線の工事も計画どおり順調に進み、補助一七二、山手通りまでの九百メートルも用地測量に入っているとのことでありますが、その状況と今後の見通しについてお伺いいたします。  さて、両方の道路計画が順調に進むと、交通安全確保の面から、また防災上から、さらには地域のまちづくりの観点からも、山手通り以西より練馬まで計画されている補助一七二号の都市計画道路の推進が必要なことは当然であります。しかしながら、この計画は第二次前期事業計画に入っておりません。両道路の進捗状況により、早期に計画し、地域全体のまちづくりのために事業化すべきと考えます。地元住民の大多数も大きな期待をかけておりますが、その見通しについてご所見をお伺いいたします。  最後に、現在豊島区では、東池袋四丁目地区において、区と地元地権者により再開発計画が進められておりますが、この地区は交通利便性が高いだけでなく、隣接して博物館、プラネタリウム、水族館などを擁するサンシャインシティーが立地しております。このため、この再開発によって建設される施設の一部として、都立児童図書館を整備すれば、都内全域から多くの児童の来館を見込めるだけではなく、既存の文化・教育施設とあわせて、生活文化拠点として池袋副都心の育成に大きく寄与すると考えますが、ご所見をお伺いいたします。  これをもちまして、私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)    〔知事鈴木俊一君登壇〕 ◯知事(鈴木俊一君) 高野議員の一般質問にお答えいたします。
     まず、第三次長期計画と長期展望との関連についてのお尋ねであります。  平成二年に策定した第三次東京都長期計画は、東京をだれもが安心して住めるまち、いきいきと暮らせるまち、ふるさとと呼べるまちとするマイタウン東京構想を、引き続き推進していこうとするものであります。  一方、近年の国際情勢の急激な変化とともに、経済の低迷、高齢、少子化の進行、地球環境問題の深刻化など、都政を取り巻く社会潮流に大きな変化が生じてきております。二十一世紀の東京のまちづくりを推進していくためには、こうした時代の変化を見据えた東京の長期的なビジョンが必要となっております。今回の長期展望は、こうした長期ビジョンとしての性格を有するものであり、新たな総合計画の基本となるものと考えております。  次に、東京のまちづくりと地方分権の推進についてのお尋ねであります。  一極集中に起因する東京の大都市問題を解決し、個性ある東京のまちづくりを推進していくためには、ご指摘のとおり、都や区市町村が、都市計画に関する権限や財源などの移譲を受け、みずから主体的にまちづくりを推進していく必要がございます。  また、地方分権の実現は、全国のそれぞれの地域を活性化させる推進力となり、ひいては一極集中の誘因を弱め、東京の過密解消に寄与するものと考えております。現在進めている長期展望の策定過程においても、地方分権の重要性を十分踏まえて検討してまいります。  次に、中小企業緊急特別資金融資についてのお尋ねであります。  都は、長引く不況により、事業活動に支障を生じている中小企業の経営の維持安定を図るため、昨年六月から五次にわたり、融資条件の改善を図りながら、六千八百億円に上る融資を行い、中小企業の経営支援に努めてきたところでございます。  しかしながら、今日に至っても景気回復の兆しが見えないことから、ご提案の緊急融資の実施期間の延長について検討しているところでございます。  また、中小小売商業の景況などについてのお尋ねであります。  都内の中小小売商業の景況については、商工指導所の景況調査によれば、景気の長期にわたる低迷や、個人消費の冷え込みなどの影響により、業況が悪いとする企業数が、よいとする企業数を、昨年三月以降連続して上回っております。  また、商店街の状況については、不況による影響に加えて、消費動向の多様化、経営者の高齢化や後継者難による店舗の減少などが見られ、中長期的に見ても厳しいものがあると認識しております。  次に、商店街振興対策についてのお尋ねであります。  商店街は都民生活に大きな役割を果たしており、その活性化を図ることは重要な課題であると認識しております。このため、都としては、コミュニティ商店街事業や中小企業振興基金による商店街活性化推進事業を実施し、地域に根差した商店街づくりを支援してきたところであります。  今後、区市町村など関係機関との一層の連携を図り、まちづくりの視点も踏まえ、総合的な商店街環境整備を促進し、商店街の振興に努めてまいります。  なお、その他のご質問につきましては関係局長等から答弁申し上げます。    〔東京都技監石川金治君登壇〕 ◯東京都技監(石川金治君) 豊島区内の環状五の一号線及び補助一七三号線のこれからの見通しについてのお尋ねでございますが、まず、環状五の一号線、雑司が谷地区につきましては、現在整備のための基礎調査を進めているところです。その整備につきまして、地域住民からさまざまな要望がございますので、それらに配慮した道路構造等の検討を行い、今後、関係機関との調整を十分図りながら、事業化に努めてまいります。  また、補助一七三号線のうち、豊島、板橋区境付近約五百六十メートルにつきましては、第二次事業化計画において、前期事業化予定路線にいたしました。この路線は、区施行に相当する路線でございますが、東京都といたしましても、この事業が円滑に進められることが望ましいと考えておりますので、今後、指導、調整に努めてまいります。  次に、環状六号線の拡幅と都市高速道路中央環状新宿線の工事及び補助一七二号線についてのお尋ねでございますが、まず、環状六号線につきましては、渋谷区松涛から豊島区長崎までの八千二百メートルで事業を実施しており、用地取得率は、平成五年度末までに約四〇%の見込みでございます。今後とも、地元住民の理解と協力を得て事業の進捗を図ってまいります。  また、中央環状新宿線は、現在、中野坂上駅付近外四カ所で、首都高速道路公団により工事が進められています。  次に、補助一七二号線についてでございますが、西池袋地区約九百メートルの区間につきましては、既に現況測量を完了しています。このうち、東側約五百メートルの区間につきましては、現在、事業化に向けて鋭意用地測量を実施しているところでございます。    〔企画審議室長林育男君登壇〕 ◯企画審議室長(林育男君) 社会資本の整備、更新についてのお尋ねでございますが、都は、従来から、社会資本の整備につきましては、三次にわたる長期計画に基づき、鋭意努力を重ねてきたところでございます。  ご指摘のとおり、これらの社会資本が今後更新期を迎えることになりますが、これを良好な状態に保つよう適切に維持し、更新を進めていくことは、東京が今後とも都市として発展し続けていく上で極めて重要なことと考えております。また、都民が真に生活の豊かさを実感できるような観点から、社会資本を一層整備充実していくことも大切であると認識しております。  このような基本的な考え方のもとに、今後、経済情勢や国の新社会資本整備の動向等も踏まえながら、長期展望の検討を進めてまいりたいと存じます。    〔労働経済局長小久保久君登壇〕 ◯労働経済局長(小久保久君) 中小企業のご質問にお答えいたします。  中小企業のリストラ支援についてでございますが、本年十一月に、特定中小企業者の新分野進出等による経済の構造的変化への適応の円滑化に関する臨時措置法、大変長い法律名でございますが、いわゆるリストラ支援法が制定されたところでございます。この法律では、新分野への進出等を図ろうとします中小企業者に対しまして、金融、税制上などの支援措置を講ずることとしております。  東京都といたしましては、多くの中小企業者がこの支援措置を受けられるよう、法の普及と適切な事前指導に努めるとともに、新製品、新技術の開発助成など、都の既存事業との有機的連携を図りまして、法の趣旨を踏まえた運用を図っていく考えでございます。  また、商業、サービス業などの法の対象とならない中小企業者のリストラにつきましても、相談、指導や各種の融資制度などの施策を活用いたしまして、積極的に支援をしてまいりたいと思います。  次に、中小製造業の操業の場の確保についてのお尋ねでございますが、都は、これまでも地域活力の担い手でございます中小製造業の振興を図るため、工場アパートの建設支援などを実施してきたところでございますが、また、住工混在地域におきまして、周辺環境と調和した工業ビルなどを整備する都市型インダストリアルパークの建設支援事業の検討を進めているところでございます。  今年度は、操業の場の確保対策の一つでございます貸し工場の供給促進策の調査に着手しております。今後、さらに、地域と調和した工場のリニューアル化の推進方策など、将来に向けた施策の検討を進めてまいります。  次に、今後の職業能力開発施策についてでございますが、都はこれまで、技術革新の進展や高齢化などに対応いたしまして、地域の産業特性を踏まえました、例えばエレクトロニクス系とかアパレル、ファッション系、こうした特色のある専門校づくりや、事業主が行います能力開発に対する支援を積極的に推進してきたところでございます。  今後、さらに、中小企業や都民のニーズを的確に把握いたしまして、二十一世紀に向けて予想されます産業構造や就業構造の変化に対応いたしますとともに、個人が能力を最大限発揮できますよう、新たな職業能力開発施策のあり方を検討してまいります。    〔交通局長宮端清次君登壇〕 ◯交通局長(宮端清次君) 巣鴨自動車営業所用地の有効利用についてのお尋ねでございますが、バス事業におきましては、地下鉄路線網のネットワークの拡充整備によりまして、バス路線の見直しが将来必要となると考えております。  これを踏まえまして、長期展望に立って、バス事業の運営及び地域特性等に配慮しつつ、局事業の収益の確保や、ご指摘いただきました地元商店街等の活性化にも寄与することを基本として、そのあり方について今後十分検討してまいりたいと存じます。    〔清掃局長小豆畑孝君登壇〕 ◯清掃局長(小豆畑孝君) 豊島地区清掃工場の建設に関するご質問にお答えいたします。  まず、基本的な考え方についてでございますが、ご指摘のとおり、建設予定地は副都心池袋の繁華街に近接しているという立地条件から、一つは、極力土地の高度利用を図ること、二つには、交通量の多い川越街道と山手線、埼京線に囲まれた地域であることから、複数の搬出入路の設置を検討するなど、交通対策に十分配慮すること、三点目は、活力あるまちづくりに寄与するため、地域の発展に役立ち、住民の利便に供される施設を合築すること、四点目に、工場のデザイン等については創意工夫を凝らし、親しみのある清掃工場とすること、これらを基本的な考え方として事業の進捗を図ってまいります。  次に、余熱利用についてでございます。  お話のとおり、都では、これまでも清掃工場をローカルエネルギーセンターとして位置づけ、ごみ焼却により発生する熱エネルギーの有効活用を積極的に行ってきたところでございます。豊島地区清掃工場についても、この方針に沿って対応してまいります。  その具体的方策については、地元区初め関係者と現在協議しているところでございますが、豊島区が建設する公共施設への熱供給を行うなど、積極的な活用に努めてまいります。    〔都市計画局長長裕二君登壇〕 ◯都市計画局長(長裕二君) 池袋駅の東西デッキについてのお尋ねでございますが、地元豊島区が、平成二年度に国及び都の補助金を受け、デッキ整備等の計画策定調査を行ったところでございます。現在、区が中心となりまして、この構想の実現に向けて、JR東日本等関係機関と協議中でございます。  また、新たに地元要望としてご提案のございました池袋大橋周辺のデッキの件についてでございますが、事業主体、周辺道路状況等の技術的な問題もございます。地元区及び関係機関とともに、今後研究してまいります。  補助一七二号線の山手通り以西の事業化についてのお尋ねでございます。  区部における都市計画道路につきましては、計画的、効率的に整備を進めるため、平成三年六月に策定いたしました第二次事業化計画において、おおむね平成十二年度を目途に優先的に着手または完成する路線を選定し、この整備を積極的に推進してきているところでございます。  お尋ねの路線の事業化につきましては、この第二次事業化計画の進捗状況及びこの周辺の地域のまちづくりや周辺道路整備の動向などを勘案して、今後検討してまいります。    〔教育長市川芳正君登壇〕 ◯教育長(市川芳正君) 児童図書館の設置構想についてのお尋ねでございます。  児童図書館は、児童図書に関するサービス、研究、交流の総合的拠点とするため総合実施計画において計画化したものでございまして、その設置につきましては、都民のニーズや社会経済情勢の変化などに適切に対応しながら、図書館の機能のあり方、設置場所等も含めて、引き続き検討してまいりたいと存じます。 ◯議長(奥山則男君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。    午後三時四十五分休憩       ━━━━━━━━    午後四時九分開議 ◯副議長(萩谷勝彦君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  質問を続行いたします。  十五番曽根はじめ君。    〔十五番曽根はじめ君登壇〕 ◯十五番(曽根はじめ君) 日本共産党の曽根はじめでございます。  私は、初めに、桐ケ丘都営団地の再生計画について質問します。  「このままでは二十一世紀までふろなしのままだ、一体いつまで待たせるのか」これが入居開始から四十年、いまだに大半の住宅に浴室がない桐ケ丘団地居住者の圧倒的な声です。  お年寄りは口々に、「雨や風の強い日とか冷え込む晩はうちで入れるおふろがあったらとしみじみ思う」と私に訴えています。五人家族のAさん宅では、おふろ代もばかになりません。一月の入浴予算が一万円しかとれないので、せめて三日に一回くらいは銭湯に行きたいというのが願いです。  改善を待ちかねた居住者がやむなくユニットバスを台所やベランダに置いていますが、狭い家がますます狭くなり、家族一緒の食事さえできません。あるお母さんは、たまたま入浴中に息子さんが友達を連れて帰ってきたので、ベランダのユニットバスから出るに出られず風邪を引いてしまったという、笑うに笑えない話もあります。  東京都は、一九八二年に桐ケ丘のおふろのない住宅について住戸改善の調査を行い、一たんは青写真もでき、居住者の一部にも示されました。それなのに、以後十年以上、ほかの団地の改善はどんどん進んでいるのに、桐ケ丘は全く手つかずで取り残されているのです。  東京都はこの十年以上一体何をやってきたのか、私は怒りさえ覚えます。これだけ居住者に期待を持たせながら、都がやったのは、その願いにこたえることではなく、建設省が大規模団地再生事業の方針を打ち出すとこれに追随し、桐ケ丘全体の三分の一を建てかえ、その大半を超高層に変えるという計画を住民に押しつけることでした。そして、この計画を受け入れなければ、すぐできる住戸改善さえ一切手をつけないという強硬な態度をとったのです。  このプランは居住者の反対で撤回されましたが、その後、都は計画の見直しを地元住民に何の相談も周知もしないまま、さらに四年間も放置してきました。  しかも、ことし四月にようやく発表された都の見直し案においても、居住者の不安が最も強い超高層住宅が六棟も計画されているなど、団地住民にそのまま受け入れられるような抜本的な見直しにはなっていません。居住者の中には、長年の計画のおくれに業を煮やし、自分たちも老い先短いので、もうこのままでいいというあきらめや失望の声すら上がっており、実際に、願いを寄せていた多くの方が既に亡くなってしまいました。  居住者のせめておふろだけはというささやかな願いをここまでおくれにおくらせたのは東京都であり、知事の責任です。これ以上のおくれは断じて許されません。せめて二十世紀のうちにふろなし住宅を解消するため、浴室増設の住宅改善を直ちに着手すべきです。答弁を求めます。  そして都は、常に住民の納得と合意を得ながら進めてこそ計画が促進されるという立場に立つべきです。私はこの立場から、今回の再生計画について、何点か質問します。  第一に、超高層住宅であります。桐ケ丘の自治会が行った居住者アンケートでは、九割近くの人が低層階への入居を希望しています。居住者は、災害や事故でエレベーターがとまったら下におりられない、日当たりの悪い住宅が多くなるし、風の害も心配だと、不安を募らせています。  事実、超高層については、高齢者のみならず、幼児にとっても発育阻害要因になるなど健康や心理面の影響の問題、犯罪の多発、防災上も避難、救出が困難な点などから、専門家の間でも住宅としてふさわしくないとされています。高齢者や障害者が多く居住する都営住宅の場合はなおさらです。再生計画には超高層を組み込まずに進めるべきであります。  第二に、団地内の桐ケ丘中央公園は、桐ケ丘南公園とともに、地域全体の憩いの場です。樹木を含めそのまま残しながらの再生を行うべきであります。  第三に、団地内商店街は、大型スーパー進出で売り上げが二割減り、不況が長引く中、二年後完成予定の赤羽駅西口再開発などでさらに大きな打撃を受けるのは必至です。今後建てかえによる居住者の一時移転が始まれば、商店街自体の存立さえ危うくなりかねません。ある店主は、このままじゃ商店街自身の建てかえまで店がもたないと嘆いています。  団地のお年寄りや障害者、子供たちになくてはならない身近な商店街です。再生事業の中でも営業が続けられるよう、各商店の要望を把握し、支援策を講ずるべきです。  第四に、都営住宅に併設できる公共施設の規模を広げ、特別養護老人ホームや在宅サービスセンターなど大型の福祉施設なども取り込めるようにすべきであります。  以上、住民の具体的な願いにこたえるよう求め、答弁を求めます。  次に、住宅供給公社の賃貸住宅家賃値上げについて質問します。  値上げの対象は公社住宅の八割に及びます。夫の会社がつぶれて職安通いをしているときに余りにむごいなど、居住者の声は悲痛です。供給公社の資料でも、年収五百万円以下の世帯が四割を超えているのです。加えて、今日の深刻な不況、雇用不安の中で、最高額七千円の値上げは居住者の生活を直撃します。  一九五五年前後の古い住宅ほど値上げが大きく、最高二九・五%、まさにお年寄りいじめであります。年平均にすると五・六%の値上げ、これはこの二年間の平均勤労者所得の伸び率の二倍に上ります。余りに居住者の生活実態を無視したやり方ではありませんか。不況下の今日、三年ごとの見直しに基づく値上げ案は撤回すべきです。知事の見解を求めます。  最後に、自衛隊十条基地増強計画への知事の特例許可について質問します。  今、首都の軍事施設は、防衛本庁や十条基地を含め三千億円をかけて本格的に強化されつつあり、横田の在日米軍司令部とも一層緊密な連携をとろうとしています。十条基地の建てかえは、市ケ谷にいる補給統制部隊千三百人を約三千名に増員、ハイテクを駆使した施設で、将来米軍の武器、物資の補給まで担える体制を整備しようというものです。  現在の十条基地は、民間や都営の住宅密集地域に囲まれ、しかも障害者施設、学校、公園などに隣接する文教地区に位置しており、都市計画上も第二種住居専用地域に指定されています。地域の住民は長年にわたり、ほとんど使われてもいないのに居座り続けてきた自衛隊基地が一日も早く立ち退いて、跡地を区民のために全面的に活用できる日をひたすら待ち続けてきたのです。  北区民にとって二度と得がたいこの二十四万平方メートルの国有地に対して、知事は軍事施設に特例許可をおろしました。これは北区民の悲願を踏みにじるとともに、知事みずからが決めた用途指定をほごにする、許しがたい暴挙です。  基地周辺の住民は、短期間のうちに二千八百人余の請求人を募って行政不服審査請求を行い、改めて反対の意思を明らかにしました。ところが、都知事はこれに対しても六カ月回答を引き延ばしたあげく、審査会に提出した弁明書では住民の請求権を認めず、なぜ法的制限の五十倍もの建築物を認めたのか、まともに答えませんでした。余りに不誠実ではありませんか。  地元住民は、戦前から基地の町として帝国陸軍、戦後は米軍に接収され、今度は自衛隊と居座りを続けられてきた住民の苦しみがわかっているのか、何のための住居専用地域かと、都の態度に心の底から憤慨しています。  知事は、到底認められるはずのない基地増強のための違法な建築計画への許可を撤回し、工事強行を直ちに中止させるべきです。  また、今回の新制度での用途見直しに当たっては、現在、第二種住居専用地域のこの地区は、第一種もしくは第二種の中高層住居専用地域として指定し、住環境整備の方針を貫くべきです。答弁を求めます。  以上で私の質問を終わります。(拍手)    〔知事鈴木俊一君登壇〕 ◯知事(鈴木俊一君) 曽根議員の一般質問にお答えいたします。  公社賃貸住宅の家賃改定についてのお尋ねであります。  公社賃貸住宅の家賃については、昭和六十年十二月に東京都住宅供給公社賃貸住宅家賃審議会から、物価等経済事情の変動や公租公課の増減への対応などを重点に、おおむね三年ごとに見直すべきとの提言があり、公社はこの提言に基づき、家賃改定を実施してきたところであります。  今回の家賃改定については、前回の改定から三年余を経過しており、現在公社において、学識経験者や公社住宅入居者等から成る賃貸住宅管理問題調査会の意見を聴取している段階と聞いております。都としては、公社の対応を見守ってまいりたい。  次に、北区十条駐屯地の再配置計画にかかわる特例許可についてのお尋ねであります。  この特例許可は、建築基準法に基づき、公聴会の開催、東京都建築審査会の同意などの手続を経て適法に行ったものであり、撤回する考えはございません。  なお、その他のご質問については、関係局長から答弁申し上げます。    〔住宅局長中嶋文雄君登壇〕
    ◯住宅局長(中嶋文雄君) 桐ケ丘団地の再生事業について、五点にわたるお尋ねにお答え申し上げます。  まず、住宅改善についてのお尋ねでございますが、桐ケ丘団地は五千戸を超える大規模団地でございまして、再生事業の完成には相当の期間を要する見込みでございます。したがいまして、事業の実施に当たりましては、建てかえと増築方式等による住宅改善を並行して進める計画であり、現在、団地居住者や関係機関に再生計画案の説明を行っている段階でございます。  住宅改善と建てかえを一体で進めるためには、都市計画の変更手続あるいは環境アセスメントの手続等が必要でございますので、団地居住者及び関係機関の協力を得ながら、早期に事業に着手するよう努めてまいります。  次に、超高層住宅についてでございますが、桐ケ丘団地の再生に当たりましては、居住者の要望にこたえまして居住水準の向上と住環境の改善を図るとともに、都民の切実な要望にこたえまして必要な戸数を確保することが課題となってございます。したがいまして、土地の有効利用を図る観点から、一部超高層住宅も組み込んだ計画案としているところでございます。  次に、桐ケ丘中央公園についてでございますが、現在、同公園と桐ケ丘南公園とは、公設市場等によりまして分断されておりますので、公園の緑を生かし、地域の憩いの場として活用するためには、一部配置の変更を行いまして、両者の一体的利用を図るのが望ましいと、このように考えているものでございます。  次に、再生事業と団地内の商店街についてでございますが、建てかえ事業の実施に伴いまして居住者の仮移転が必要となりますが、移転計画の策定に当たりましては、団地内商店街への影響をできるだけ少なくするよう配慮してまいります。  最後に、特別養護老人ホームなどの福祉施設の併設についてでございますが、桐ケ丘団地再生事業における福祉施設の取り扱いにつきましては、現在、事業主体でございます区と協議をしているところでございます。  以上でございます。    〔都市計画局長長裕二君登壇〕 ◯都市計画局長(長裕二君) 北区十条駐屯地の用途地域見直しについてのお尋ねでございますが、用途地域等の見直しにつきましては、本年九月に用途地域等に関する指定方針及び指定基準を作成し、区市町に原案の作成を依頼したところでございます。  都といたしましては、区市町の原案を受けまして、関係機関との調整を図りながら、都案を作成することとしております。十条駐屯地につきましても、適切に見直しを行ってまいります。 ◯副議長(萩谷勝彦君) 十八番鈴木貫太郎君。    〔十八番鈴木貫太郎君登壇〕 ◯十八番(鈴木貫太郎君) 初めに、民間社会福祉施設に従事する職員給与の公私格差是正策について、まず伺います。  我が国の社会福祉は、多くの社会福祉法人等の民間事業者によって支えられているといっても過言ではありません。したがって、福祉従事職員が誇りを持って働くことができる安定した職場にしていくことが、まず不可欠でありましょう。  都は、全国の自治体に先駆けて、民間施設に従事する職員に対し、給与の公私格差是正事業を実施しておりますけれども、制度発足以来二十年以上を経過し、福祉ニーズの多様化、高度化が進む中、民間施設に期待される役割はますます大きくなっております。こうした状況を踏まえ、民間施設の人材確保を図り、同時に都民ニーズにこたえる上からも、この際、給与の公私格差是正について都は積極的に取り組むべきでありましょう。同時に、福祉環境の変化に対応すべく基本的なあり方を見直し、より一層の充実を図るべき観点から、私は何点か伺います。  第一に、制度発足以来二十年以上経過をいたしておりますけれども、これまでの給与公私格差是正事業の効果及び定着がどのようになっているのか、具体的に伺います。  第二に、去る十月に東京都社会福祉審議会地域基盤整備分科会からの審議経過報告が出されております。その趣旨及び内容について伺っておきます。  第三に、都として今後、こうした審議経過を踏まえ、給与の公私格差是正事業の充実について都は具体的にどう取り組んでいくのか、伺います。  次に、都立病産院における産科医療を中心に伺います。  近年の少産化傾向、核家族化等により、小児や母親を取り巻く環境は大きく変化をしております。特に社会の高齢化の進展、出生率の低下現象の中で、次代を担う子供たちを健やかに育てることは、我々の重要な責務であると痛感をいたしております。  東京都における分娩件数は、昭和四十七年度の約二十四万件に対し、平成四年度は約十万三千件と、この二十年間で実に半数以下にまで減少をいたしております。一方、こうした少産化傾向の中で、分娩数に占める二千五百グラム未満の未熟児の割合は、昭和四十七年度の五・四%に対し、平成四年度は六・七%と逆に増加をいたしているのであります。  また、母子救急医療の充実、新生児医療技術の向上等により、千五百グラム未満の極小未熟児の救命率は高まっておりますけれども、開業産科医の高齢化、医科大学における産科医希望学生の減少化傾向等の状況を見ますと、母子医療体制の充実が望まれるところであります。  このような状況の中で都は先般、都立病産院運営基本指針を発表しました。都立産院については産院等問題検討委員会を設置、今後のあり方について検討を進め、このたび荒川産院について「中間のまとめ」を行ったところであります。  地元に荒川産院を抱える荒川区民を初め当産院を利用する近隣各区の都民から、歴史のある産院がとりあえず存続するとしても、都民の医療ニーズにこたえ得ることができるのかといった懸念の声が出ております。そこで、以下三点伺います。  第一に、産科医療を取り巻く環境の変化を踏まえて、この際、都立産院の機能転換を図り、今後の新しい医療ニーズに的確に対応していくべきと考えます。  第二に、荒川区における医療の供給実態はいまだ十分とはいえないというのが、私の認識であります。特に公的病院としての荒川産院に対する都民の期待は、極めて大きいものがあります。そこで、荒川産院については、地域の実情を考慮し、存続を前提に小児救急医療、新生児救急などの医療機能を備えた新総合産科病院として、地域の医療ニーズにこたえるべきと考えます。  第三に、荒川産院が実施しているハイリスク妊婦への超音波検査のみならず、妊婦の健康診断機能の充実をより一層図るなど、この際、診断のあり方についても大いに発想の転換をすべきと私は考えます。また、今後は存続に向け、地元住民の考え等を十分に反映をしていくべきと考えます。  次に、都北東部問題にかかわる何点かの問題について伺っておきます。  荒川、足立両区を含む当該地区は、常磐新線、日暮里・舎人線の導入など、今後さらなる交通の結節点を持ち、しかも大規模な未利用地の開発が見込まれるなど、地域活性化の拠点として大いに期待をされている地域であります。私は、東京の多心型都市づくりを推進し、南北千住地区を合わせ新たなる副都心として育成、整備すべきとの立場から──もう一度いいますと、南北千住地区を合わせ新たなる副都心として育成、整備すべきとの立場から、伺っておきます。  第一は、入谷ランプで終点となっている首都高速道路一号線延伸についてであります。  全体計画では、これを中央環状線まで延伸することとなっております。ところが、昨年十二月に唐突的に「下町の首都高、高架下に住宅」の大見出しで大きく報道されて以来、延伸計画が水面下でかなりの速さで動き出しているのではと懸念する声が関係区内で出ているのであります。そこで、伺います。  このような状況の中で、一号線の延伸計画の位置づけと都の認識について伺うとともに、今後の進め方について都はどのように取り組んでいかれるのか、あわせて所見を求めます。  第二は、南千住地区の特定住宅市街地総合整備促進事業についてであります。  この事業は、国の補助事業であり、これまで恵比寿地区、木場地区、大川端地区等がそれぞれ地区採択を受け、当南千住地区も加えられ、その整備促進が待たれております。当地区は、これまで都が事業主体であったものが、荒川区が改めて事業主体になったモデル事業として位置づけられているのであります。そこで、伺います。  第一に、既に南千住地区は地区採択を受けておりますけれども、事業化の前提として、整備計画の、まず建設大臣の承認が必要であります。その見通しについて伺います。  第二に、当地区の開発推進については、都市計画上の配慮が必要であると考えます。所見を求めます。  第三に、都の助成策についてであります。  特住総事業の実施例として、先ほども指摘したとおり、木場地区、大川端地区がありますけれども、いずれも都が事業主体となり、国の助成を受け、事業を実施しているのであります。当該南千住地区は区が主体の事業であり、当区に対する都の財政面での何らかの助成策を講ずべきと考えます。所見を求めます。  第三は、南千住地区の将来像についてであります。  同地区には、百ヘクタールにも及ぶ低利用、未利用地があります。将来に向け大きな可能性を秘めたポテンシャルの高い地区であり、都北東部の中における中心核となる地区と考えます。都の将来展望を伺っておきます。  最後に、学童疎開五十周年について伺っておきます。  初めに、平和についての都の取り組みについてであります。  冷戦構造が終えんした今日、世界各地で民族、宗教問題に起因するさまざまな形での地域紛争が絶えません。平和を求める国際社会の状況はいまだ厳しく、二十世紀が戦争の世紀といわれるゆえんでもあります。  我が国においても、さきの大戦後、はや五十年、戦争を知らない世代が人口の七割を占めるまでになりました。戦争の悲惨さ、残酷さ、そして平和のとうとさを思うとき、来るべき平和の世紀に向け、体験した先人の苦労を断じて風化をさせてはならないと私は思います。  ことしは期せずして学徒出陣五十年、来年は学童疎開五十周年、再来年には東京大空襲五十周年を迎えるのであります。この機会に、細川総理が過日、過去の日韓関係についても率直に陳謝をしていることは、私は高く評価をするものであります。  そこで、まず知事に伺います。  来るべき平和の世紀へ向け、改めて平和への取り組みについての知事の決意をお聞かせください。  次に、学童疎開五十周年にかかわる記念事業についてであります。  「東京都戦災史」によれば、戦局の悪化に伴い、昭和十九年八月、都内区部の小学生二十万余が集団学童疎開をしたとあります。疎開先は宮城県、岩手県、青森県など実に十七県に及んでおります。この中にも学童疎開を経験をされた方は幾人かおられることと思いますけれども、当時東京の子供たちは、空襲を避けるための疎開により、終戦までの一年間以上親元から離れ、苦しい生活を余儀なくされたのであります。今でもこうした悲惨な体験を胸に秘め、二度と戦争には巻き込まれたくない、大空襲の悲惨さは味わいたくないとの思いを、心の底に実感として持たれていることと思います。  これら体験された方々も既に還暦を迎える年代になっております。今こそ大空襲を初め過去の戦争体験、学童疎開体験を風化させることなく、平和のとうとさを次の世代に伝えていくことが大切であります。そこで、二点伺います。  第一に、都は、平和の日記念行事を実施しておりますけれども、この平和の日記念行事の一環として学童疎開から五十年を経たことを記念するための行事を考えてみてはいかがでしょうか。  第二に、過日、私は江戸東京博物館で何点かの学童疎開の資料展示を拝見をいたしましたけれども、それは一言でいえばお粗末そのものであります。江戸東京博物館において学童疎開に関する資料の収集、展示の充実になお一層努め、平和への意識を将来に引き継ぐべきと私は考えます。  以上、二点について所見を伺います。  さらに、二十三区の中では、学童疎開について当時世話になった疎開先を訪問し、定期的に交流をしたり、郷土資料館等での資料展示を行うなど、努力がなされております。  そこで、教育長に伺います。  学校における平和教育についてであります。次代を担う子供たちに学童疎開及び平和のとうとさをいかに伝え、指導されているのか、まず伺います。  また、学童疎開五十周年を記念し、疎開先との交流事業、例えばお互いの姉妹校としての交流や、学童疎開のために卒業式が実施できなかった例もあり、合同卒業式の実施などを積極的に都は支援をすべきではないでしょうか。  以上まとめて伺い、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)    〔知事鈴木俊一君登壇〕 ◯知事(鈴木俊一君) 鈴木議員の一般質問にお答えいたします。  まず、都立産院についてのお尋ねであります。  ご指摘のように、少産化、少子化が進む一方で、ハイリスク分娩、未熟児医療を初めとする周産期医療は、都立病院が果たすべき役割として重要性を増しております。今後、周産期医療を中心とした母子医療体制の整備を図っていくためには、産院の持つ機能を見直し、高度な診療基盤を持つ都立総合病院を充実していくことが必要であると考えます。  次に、南千住地区の将来展望についてのお尋ねであります。  当地区では、白鬚西地区の市街地再開発事業が進展しており、また、駅周辺の大規模用地等を活用したまちづくりの機運も高まってきております。さらに今後、常磐新線の整備により、交通利便性の向上が見込まれるなど、東京北東部の拠点として発展の可能性を秘めた地域であると考えております。  次に、平和への取り組みについてのお尋ねであります。  かねてから申し述べているように、平和は何事にもまさる最も基礎的な条件であり、千二百万都民の共通の願いであります。東西冷戦構造の終えんに伴い、世界の政治経済システムは今大きく変化しつつあります。その一方、ご指摘のとおり、国連を中心とした和平、救援への取り組みにもかかわらず、世界各地で今なお内戦や飢餓、民族や宗教の対立が続いております。  都は、これまで姉妹・友好都市提携を初めとする国際交流、国際会議、国連への協力などを通じて、友好親善や相互理解の増進に努めてまいりました。現在、東京都国際政策懇談会において、東京が将来に向けて国際社会の中で果たすべき役割などが検討されているところであり、この報告も踏まえ、今後さまざまな機会をとらえて国際社会に貢献し、平和の確立に寄与していく所存でございます。  なお、その他のご質問につきましては、関係局長から答弁申し上げます。    〔福祉局長中嶋理君登壇〕 ◯福祉局長(中嶋理君) 民間社会福祉職員の給与公私格差事業につきまして、三点のご質問をいただきました。   まず、この事業の効果及び定着についてでございますが、都は、民間社会福祉施設に従事する職員の処遇改善を図ることなどを目的とした、給与公私格差是正事業を他県に先駆け実施してきております。この事業は、都内民間施設の人材の確保や定着、施設経営の安定化をもたらし、ひいては利用者処遇水準の向上に欠くことのできない役割を果たしておりまして、広く定着をしているというふうに考えております。  次に、社会福祉審議会の地域福祉基盤整備分科会の審議経過報告についてでございますが、この報告は、民間社会福祉施設職員の給与公私格差是正制度に関するものでございまして、その主な内容は三点ほどございます。  第一に、民間施設に対し、都の給与制度を準用するという本制度の基本は維持しながらも、民間施設が給与上のさまざまな課題に自主的かつ柔軟に対応できるよう、一定の制度改善を行うこと。  第二に、現在、施設部門の職員にのみ適用している本制度を在宅部門の職員にも適用すべきかどうかということにつきましては、区市町村と社会福祉法人が事業の委託関係の中でその処遇の向上を図るべきであること。第三に、本制度においては、都が経費の全額を負担いたしておりますが、サービスの実施主体としての区市町村の果たすべき役割に着目をして、都と区市町村の役割分担を整理する必要があると、こういう三点などでございます。  次に、第三に、給与公私格差是正事業の充実のための具体的な取り組みについてでございますが、この事業は、長年にわたり民間社会福祉事業の振興に大きな役割を果たしてきたところでございます。都といたしましては、本制度の基本は維持しながら、民間施設職員の給与上の課題に、施設が自主的に対応できるよう一定の改善を行うなどの審議経過報告で示されております趣旨をも踏まえまして、今後十分検討してまいりたいと存じます。    〔衛生局長渡辺能持君登壇〕 ◯衛生局長(渡辺能持君) 都立荒川産院についてのお尋ねでございます。  荒川産院は、高度専門医療などの提供を基本的役割といたします都立病院としては、必ずしもそぐわないものとなってきております。しかし、現在におきましても、荒川、足立両区の分娩件数の相当数を担当しているほか、荒川区におきます唯一の助産施設として入院助産を行うなど、地域の産科医療に大きく貢献しているところであります。  また、先般、学識経験者等から成ります都立産院等問題検討委員会から、荒川産院が果たしている地域での役割、地域の医療機関の状況や医療ニーズなどを踏まえ、産科医療の提供を含めて今後の方向を検討すべきとの提言を受けております。  今後はこれをもとにいたしまして、敷地の制約等もございますが、産科医療を中心に地域の医療機関としてどのように位置づけるかを十分検討してまいりたいと考えております。  また、検討に当たりましては、地元関係機関や住民の意向にも配慮してまいります。    〔都市計画局長長裕二君登壇〕 ◯都市計画局長(長裕二君) まず、首都高速道路一号線延伸計画についてのお尋ねでございますが、この計画につきましては、首都圏整備計画に位置づけられておりまして、都としても、地域の交通利便性の向上、都市高速道路のネットワークの形成及び一般道路の交通混雑の緩和等の観点から整備を促進する必要があると考えております。  現在、首都高速道路公団とともにルート、道路構造、整備手法等について検討を行っているところでございまして、今後とも本路線の計画の具体化に向けて取り組んでまいります。  次に、荒川区南千住地区の特定住宅市街地総合整備促進事業について、三点お答え申し上げます。  まず第一点の大臣承認の見通しについてでございますが、現在、荒川区が事業化の前提となる整備計画案を作成し、関係機関と協議を進めておりまして、今年度中に建設大臣の承認を受ける見込みでございます。  二番目に、その開発推進に当たっての都市計画上の配慮についてでございます。  当地区の開発に当たっては、特定住宅市街地総合整備促進事業を導入することにより、住宅の供給と道路等公共施設との一体的な整備をすることとしております。本事業を効果的に進めるため、主要な道路、公園等の都市基盤施設について都市計画決定するとともに、再開発地区計画等の導入を検討することとしてございます。  三番目に、区に対する助成策についてでございますが、ご指摘のように、当地区におきましては、地域により密着したまちづくりを進めるため、地元荒川区が整備計画の策定主体となっております。当該事業の円滑な推進は、東京都としても重要な課題と認識しております。今後、区に対する支援の方法も含めて、この推進策について検討してまいります。    〔生活文化局長谷口晴康君登壇〕 ◯生活文化局長(谷口晴康君) 学童疎開五十周年にかかわる記念事業についてのお尋ねでございますが、東京都は、平和の意義を確認し、平和意識の高揚を図るため、記念式典を初め平和展、スポーツイベントなどの平和の日記念行事を毎年行っております。  ご提言につきましては、平和の日記念行事の一環として、記念講演や写真展の中で検討してまいります。  また、江戸東京博物館では、空襲と都民のコーナーにおきまして、学童集団疎開について取り上げており、そこでは疎開者数、疎開先などの調査資料や疎開先での生活用具などを展示しております。  今後とも関係資料の収集に努めまして、一層わかりやすく充実した内容の展示を行ってまいりたいと存じます。    〔教育長市川芳正君登壇〕 ◯教育長(市川芳正君) 学童疎開などについての二つのご質問にお答えいたします。  初めに、学童疎開及び平和にかかわる学校における指導についてのお尋ねでございますが、学童疎開につきましては、小学校、中学校の社会科や高等学校の日本史の教科書、また、区や市で作成された副読本等の中で、戦時下の生活を知るための事例として取り上げられております。  また、平和にかかわる指導につきましては、学習指導要領に基づいて社会科を初めとするさまざまな教育活動を通して行っておりまして、児童生徒が平和への意識を高め、平和のとうとさを認識できるよう、区市町村教育委員会や各学校に対して指導してきたところでございます。  次に、学童疎開五十周年を記念する各種行事への支援についてのお尋ねでございますが、幾つかの区や学校では、疎開先の学校との姉妹校提携、相互訪問、交流等を実施したり、学童疎開によってできなかった卒業式を数十年ぶりで実施したところがあると聞いております。
     ご指摘のように、こうした学童疎開にかかわっての交流や卒業式は、疎開を経験した人たちだけではなく、現在の子供たちにとっても、戦争への思いや平和な時代に生きる幸せを改めて自覚することのできる大変意義のあるものと考えます。今後、区市町村や学校が、交流や卒業式など、学童疎開にかかわる諸事業を実施するに際し、疎開に関する資料等の情報提供を行うなど、都教育委員会としても、関係部局や区市町村教育委員会等と連携を図りながら、積極的に支援してまいりたいと存じます。 ◯副議長(萩谷勝彦君) 六番大西英男君。    〔六番大西英男君登壇〕    〔副議長退席、議長着席〕 ◯六番(大西英男君) 私は、当面する都政の課題について、都民の切実な声をもとに質問いたします。  初めに、都区制度の改革についてお尋ねします。  都区制度の改革は、今日まで多くの困難を乗り越えて着実に前進してきました。特に昭和五十年の改革は、区長公選の復活や保健所の移管等大幅な事務の移譲が行われ、二十三区の自治権を確立する上で画期的なことでした。しかし、二十三区の自治体としての性格が都の内部的団体とされ、市よりも権限が制約されていることから、二十三区が名実ともに最も身近な基礎的自治体となるよう、その後、都区間の努力が続けてこられたのであります。  都と二十三区は昭和六十一年二月、都区制度の基本的方向を合意し、平成二年九月には国の地方制度調査会から、二十三区を基礎的な地方公共団体と位置づけることなどを内容にした都区制度の改革に関する答申が出されたのであります。今、地方分権促進の論議は、国会での地方分権の推進に関する決議が議決されるなど、大きな高まりを見せていますが、都区制度の改革こそ地方分権の先駆けといえるものであります。  知事は、戦後初の自治省事務次官として、未知の分野を切り開き、日本の地方自治を確立されました。地方自治の進展一筋に歩んでこられた足跡は、地方自治の父といっても過言ではありません。今こそ知事の英知と決断によって都区制度の改革をなし遂げ、地方分権の輝かしい先駆けを実現していただきたいと思いますが、知事の決意のほどをお聞かせ願いたいと存じます。  次に、清掃事業の二十三区への移管についてお尋ねします。  ごみ袋問題は、都民にごみの分別の徹底や資源化、再利用を促し、ごみを減量することなどが目的でしたが、都民の理解が得られず、大変な混乱を招きました。このことは都が地域の実情や住民のニーズに即して適切な対応をとれなかったことが大きな原因ではないかと指摘せざるを得ません。  八百万人余りが住む二十三区の地域性は、区によって大きな違いがあります。地域の実情に応じたごみ出しや、収集日、ごみ置き場の設置が必要です。ごみの減量化やリサイクル型の都市づくりなど、地域からのきめの細かい取り組みがぜひとも求められているのであります。今こそ最も住民に身近な自治体である二十三区に清掃事業の収集と運搬事業を移管し、ごみ問題解決のために、地域の実情や住民のニーズに即したきめ細かな清掃事業を確立しなければなりません。  清掃事業の区への移管についての都区の合意に基づき、職員団体や清掃事業関係者との話し合いが続けられていると聞いていますが、どのような現状にあるかをお尋ねいたします。  清掃事業の区への移管問題は、都区制度改革の最大の懸案となっておりますが、この際、ごみ問題の解決のためにも早期に実現できますよう、特段のご努力をお願いするものであり、所見をお聞かせ願いたいと思います。  次に、教育制度の改革についてお尋ねします。  都区制度の改革の一環として、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第五十九条の改正が検討されていると聞いています。特別区の教育委員会は、市町村と比べて制度上できない仕事が幾つかあり、区は地域の実情に合った個性豊かな教育を進めにくくなっています。この改正が実現すれば、幼稚園、小中学校の教員等の身分の取り扱いや、教育課程及び教科書等の取り扱いに関する事項等について、区教育委員会の権限で行うことができるようになるのであります。  このことによって地域の教育環境や実情を最も理解している区が主体的に教育に取り組めるようになり、父母や住民の意見をきめ細かく聞きながら、責任を持って、より一層の質の高い、個性豊かな教育を進めることができるようになると考えますが、教育長の所見を伺いたいと思います。  次に、保健医療圏における病院の均衡のとれた整備についてお伺いいたします。  東京都が平成元年に策定した保健医療計画では、十三の保健医療圏のうち七つの医療圏で病床数が不足しています。特に区東部保健医療圏は、平成元年二月時点で必要病床数が約七千五百床と算定されているのに対しまして、既存の病床数は六千四百床となっており、実に一千床を超える病床が不足とされております。これは都内の十三保健医療圏の中でも最大であり、十二月の保健医療計画の改定においても、東部地域病院の開設等にもかかわらず状況は変わらないと聞いています。  東部保健医療圏の中でも、江戸川区の病床数の不足は極めて深刻な現状にあります。江戸川区は病院の数が人口十万人当たりで四・二カ所となっており、都内平均の六・三カ所を下回り、かつ総合病院が所在しない唯一の区です。病床数で見ましても、人口十万人当たり四百床強で、都内の平均と比べ、およそ三分の一となっております。  江戸川区では毎年一万人近い人口が増加し、医療施設や病床数の不足は年ごとに深刻さを増しています。区東部地域の住民が命と健康を守り、安心して暮らせるまちづくりを進める上で、地域医療を担う中核施設の誘致や確保が緊急の課題となっているのであります。  地域の中核となる医療施設を誘致、確保するためにはさまざまな問題があり、容易なことではありません。医療機関にとって唯一、最大の収入である診療報酬の上では、新たに病院を建設したり病棟を増築する場合の建設経費など、いわゆるキャピタルコストと申しますか、イニシャルコストは十分に算定されているとはいえない状況にあります。また、病院建設には広大な用地を必要とし、都内は地価が高いところから、用地の確保が並み大抵ではない厳しい現実があります。これらのことが総合病院の誘致、確保にとって最大の障害なのであります。  こうした状況に対応するため、国におきましては、病床不足地域での病院の整備について、社会福祉・医療事業団が病院の新築に対して低利融資を行うなど、財政金融上の支援方策を実施しているところであります。また、都においても、救急医療やリハビリテーション医療など特定の分野の医療を確保するため、施設整備に対する助成制度を講じているところであります。  しかしながら、江戸川区のように早急に医療施設を誘致、確保する必要の高い地域にとっては、これだけでは必ずしも有効な呼び水とはならないのではないかと懸念するものであります。  私としては、診療報酬を大都市における病院経営の実態を踏まえて抜本的に改善するとともに、社会福祉・医療事業団の融資利子を引き下げるよう、国に対して強く要請すべきと考えるものであります。  また、都としても、病床の不足を解消し、あわせて病床の偏在を是正するため、都心に立地する病院が病床不足地域に移転する場合の支援策、例えば都有地との交換方式の導入などの方策を講ずることについて、検討をお願いをしたいと考えるのであります。  都は、都民の保健医療を取り巻く情勢の変化に対応するため、本年末に保健医療計画を改定するとのことでありますが、この機をとらえ、江戸川区のように医療施設の病床が不足する地域で、地域医療を担う中核施設の誘致、確保が円滑かつ効果的に行われるよう、都として積極的な役割を果たすべきと考えますが、衛生局長のご所見をお伺いいたします。  次に、区部周辺部公共交通の整備についてお尋ねします。  東京都心部においては人口の減少が著しく、一方、区部周辺部では増加の一途をたどり、業務機能については逆に都心部への一極集中化が強まるという、人口の外延化と業務機能の過度の集中化が同時進行し、多くの問題が発生しています。都心部への業務機能の過度の集中を抑制し、都心部の定住人口の確保を図り、職と住の均衡のとれた多心型都市づくりを進めることが、二十一世紀に向けての新しいまちづくりの重要課題と考えます。  そのためには、都の公共交通網が都心から周辺部への放射状を形成する路線が主体となっていることから、区部周辺部における環状型の公共交通の整備が急務となっているのであります。また、人口増加が著しい区部東部地域では、各区の努力により、それぞれ個性的で魅力的なまちづくりが進んでおり、環状方向への公共交通の整備が強く望まれています。  都においては区部周辺部環状公共交通についての調査が行われていると聞いていますが、調査結果に基づき、早期に具体的な計画等の立案や、実現に向けての施策の推進を望むものでありますが、ご所見を伺いたいと思います。  最後に、区部における都市計画道路の整備についてお尋ねします。  都市計画道路は、昭和五十六年に都では区部における都市計画道路を再検討し、事業化計画を策定して努力を続けてきたところでありますが、平成三年六月に策定された第二次事業化計画でも、完成を平成三十二年としているのであります。都市計画道路の整備のおくれは、計画区域内の住民や事業者にとっては生活設計や事業計画に大きな支障を来しているなど、重大な問題を引き起こしています。  都市計画道路の整備の促進のために、各都区間の相互協力を強化し、各種開発事業との協調を進めるなど、新しい制度や手法を駆使すべきであると考えますが、所見をお聞かせ願いたいと思います。  また、計画区域内の建築制限の緩和を国に対して強く要請すべきであると考えますが、所見をお尋ねいたします。  以上をもって私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)    〔知事鈴木俊一君登壇〕 ◯知事(鈴木俊一君) 大西議員の一般質問にお答えいたします。  都区制度改革の実現に向けた決意についてのお尋ねであります。  私は、都知事として、また全国知事会の会長として、機会あるごとに地方分権の推進を訴えてまいりました。今回の都区制度改革は、特別区へ清掃事業を初めとする住民に身近な事務事業をできるだけ移管し、基礎的自治体に位置づけようとするものでありまして、地方自治体からの発案による地方分権という点からも大きな意義があり、ぜひとも実現したいと考えております。今後とも関係者と精力的に協議を重ね、平成七年四月の制度改革実現に向け最大限の努力をしてまいります。  なお、その他のご質問につきましては、関係局長から答弁いたします。    〔総務局長大森國裕君登壇〕 ◯総務局長(大森國裕君) 都区制度改革に関連してお答え申し上げます。  まず、清掃事業の移管に関する関係者との協議の状況についてのお尋ねでございますが、職員団体との間では、去る四月に共通認識に達しました清掃事業のあり方を基本にいたしまして、資源循環型清掃事業、自区内処理の原則、一貫性の確保等、具体的な内容につきまして精力的に協議を進めているところでございます。  また、関係事業者は、都の清掃事業に長期にわたって携わってきた経緯などから、安心して営業を継続できることを強く求めておりまして、こうしたことを踏まえ、制度改革の趣旨を説明し、業者選定、契約方法など個別具体的な事項について協議を重ね、理解と協力を求めているところでございます。  次に、ごみ問題を解決するためにも、清掃事業の区移管を早期に実現すべきではないかというお尋ねでございますが、住民に身近な事務である清掃事業を特別区が実施をすることによりまして、住民の意見が一層反映され、住民との関係がより密接になることから、ごみの分別、減量化、リサイクルなど、地域からのきめ細かい多様な取り組みが期待でき、今日のごみ問題解決にも寄与することが大きいと考えております。今後とも清掃事業移管の早期実現に向けまして、より一層努力してまいりたいと存じます。    〔教育長市川芳正君登壇〕 ◯教育長(市川芳正君) 教育にかかわる都区制度の改革についてのお尋ねでございます。  現在、東京都及び特別区で検討の場を設けまして、都区制度改革の一環として、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第五十九条の改正について協議しているところでございます。この改正は、教育行政における特別区の特例を廃止し、区教育委員会が一般の市町村教育委員会と同様の権限を持つことにより、ご指摘のとおり、区立学校の管理者として、地域の特性を生かしながら、よりきめ細かな教育行政の実現を図ろうとするものでございます。都教育委員会といたしましても、関係方面のご理解を得て早期に実現されるよう、さらに努力してまいりたいと存じます。    〔衛生局長渡辺能持君登壇〕 ◯衛生局長(渡辺能持君) 江戸川区など区東部地域におきます中核医療施設の誘致、確保についてのお尋ねでございます。  江戸川区を含む区東部保健医療圏は、ご指摘のとおり東京都保健医療計画の上で、既存病床数が必要病床数を下回る、いわゆる病床不足圏域となっております。都はこれまで、地域に必要とされる医療を提供するため、主として二次医療を担う地域中核病院として東部地域病院などを設置するとともに、墨東病院などの都立病院につきましても、高度専門医療機能の充実を図ってきたところでございます。  また、民間医療機関に対しましては、都民医療を確保する上で行政的な対応を必要とする医療の充実を図るため、救急医療やリハビリテーション医療などの整備につきまして、所要の助成措置を講じてきたところでございます。今後とも地元区や医療機関等の協力を求めながら、区東部保健医療圏などにおける地域の医療機能の整備に努めてまいります。    〔都市計画局長長裕二君登壇〕 ◯都市計画局長(長裕二君) 区部周辺部の環状方向の公共交通機関の導入についてのお尋ねでございます。  環状方向の公共交通機関の必要性は十分認識しております。都では平成三年度より、区部周辺部あるいは多摩東部地域における環状方向の公共交通機関の導入の可能性について基礎的な調査を実施しておりまして、この調査の中で総合的に検討しているところでございます。この調査結果を踏まえ、平成六年度以降引き続き実施する計画調査の中で、ルート、導入システム、事業手法等をさらに詳細に検討していく予定としてございます。  次に、都市計画道路の整備についてでございます。  都は、都市計画道路の整備促進のため事業化計画を策定し、事業の計画的、効率的執行を図ってきたところでございます。今後ともその整備に当たっては、従来の街路事業のほかに立体道路制度や市街地開発事業など、まちづくりと一体となった整備手法を活用するとともに、新たな制度や手法につきましても、国等関係機関とともに研究を進めてまいりたいと存じます。  都市計画道路区域内における建築制限の緩和についてのお尋ねでございますが、区部におきましては昭和五十六年より、一定の要件を満たす計画線内の敷地に対して、三階までの建築制限の緩和措置を講じております。さらに建築制限の緩和を進めることにつきましては、法律との関係もございまして困難な問題も多くございますが、引き続き国と協議をしてまいりたいと存じます。 ◯議長(奥山則男君) 九十九番長尾彰久君。    〔九十九番長尾彰久君登壇〕    〔議長退席、副議長着席〕 ◯九十九番(長尾彰久君) 高齢者福祉の充実について、一般質問をしたいと思います。  知事は、カニューレというのをご存じでしょうか。一円玉ほどの金属の管でございます。脳溢血、脳出血等により全身が麻痺し、特にのどが麻痺したときに、気管を切開して、そこに取りつけて、そして、そこで息をする管をカニューレと申します。  岐阜県の医療ソーシャルワーカーである渡辺哲雄さんの、実例に基づいた短編小説に「カニューレの詩」という小説がございます。この小説から一部引用したいと思います。  庄平は、しゃべることのできなくなった咲江を家に引き取りました。食事は流動食をチューブに流し込みます。そして昼夜の別を分かたず、のどに絡むたんを吸引いたします。「むごか、人生はむごか」、庄平は疲れ切っておりました。そして理性の殻を破ってしまいました。「そうだなあ、人間はただ生きていればいいというものと違うもんなあ。咲江も楽になりたか」、庄平は厳しい表情で、咲江の左手と、そしてベッドの鉄さくを結んでいる真っ白な包帯をおもむろに解きほぐしました。咲江は泣きやみました。そして、久しぶりに自由になったこの左の腕で、信じられぬほど正確にゆっくりと自分のこの呼吸する穴をふさいでしまいました。咲江は、老人福祉病院、これに入るようにいわれました。しかし、老人福祉年金で生活しているこの夫婦に十万円を払うことはできません。また、老人専門病院も、手間がかかり、そして収益につながらないこれらの患者を嫌がります。そして、在宅福祉ということでホームヘルパーをお呼びしても、週に二回ぐらいしか来てくれない。家族は大変困ります。この小説は、介護の実際を、現実をえぐる話で、胸の痛むところでございます。  右半身不随、そして失語症に陥ったご主人が、殺してくれ、こういうことで手にかけてしまった、これが一昨年名古屋で事件が起こっております。  そして、私の住んでおります町田市、ことしの五月十九日、玉川学園におきまして、この庄平と咲江と境遇の非常によく似た、六十六歳の奥さんを六十八歳のご主人があやめてしまいました。自分自身もかもいに首をつろうと思って、しかし死に切れずに、十九日二時五十分、市民病院に駆け込んでまいりました。そして、その場で逮捕されました。罪名は殺人罪でございます。この奥さんも、実は特別養護老人ホームの待機者でございました。そのときの町田の待機者は百九十二人でございました。  今、東京都では、ことしの三月、八千八百人の待機者がおりました。そして、この八月、五カ月後に九千五百人を超えております。  いわゆる日本型福祉、この政策が次々と破綻しております。この日本型福祉というのは、一に家庭における介護、二にシルバー産業、すなわち有料老人ホームを中心とした、それらの施設を行うことでございます。  しかし、この公的福祉を身軽にして、そして行ったこの日本型福祉は、今、高齢者を見る本人が高齢者になっている、こういう高齢化時代に入っております。家族のきずなによる介護、これはいわば発展途上国型の介護でございます。途上国は、親が若い、そして見る子供も若い、そして人数が多い、そして医療がおくれているために介護する期間も短い。  しかし、高齢化の先進国である北欧、そして西欧社会は、家族型介護、そしてシルバー産業、そしてボランティア、この三つを経験して、そして同じような結論に陥っております。これはまずホームヘルパーを大幅にふやし、家族を介護から解放いたします。そして二点目は、施設を民間の新しい発想、こういう民間の施設に、この施設介護を任せることであります。しかし、その費用と責任は自治体がしっかりと持つ、これが西欧が出した結論でございます。  長期的に見ると、これが費用を膨張させない一番いい方法でありました。人それぞれ、必要な在宅、そして施設のサービスを組み合わせて、お年寄り、そして家族が地域に住み続ける、そのような施設が今望まれております。  そこで、知事にお尋ねいたします。高齢化社会に向けての知事の基本姿勢はいかがでしょうか。そして、車の両輪といわれる在宅介護、そして施設介護、この今後のあり方について、知事の見解をお示し願いたいと思います。  それから、今、あの町田のお年寄りたち、そして庄平、咲江に象徴されるあの方々、あの方々が一生懸命待っている、この特別養護老人ホーム等の高齢者福祉の建設の現状、そしてこれからの推進に当たっての知事の決意をお伺いしたいと思います。  今、学校が空き教室がたくさんあるといわれております。東京都において一万二千の教室があいております。都民の持っている大事な社会資本でございます。そこで教育長にお尋ねいたします。この施設を有効に活用して、子供たちを一生懸命育てたそのお年寄りたちの施設として、この学校施設を有効に活用できないか。地域で一番身近な施設というのは学校でございます。そして、学校というのはちょうどその地域の真ん中にございます。地域の真ん中にあるのが学校でございます。  昨日、坂口議員が代表質問の中でおっしゃられていました合築、これも大事でございます。しかし、この一万二千、これだけあいた教室は統廃合を行わなければならないと私は考えております。この統廃合も拙速でなく、長期的に、そして、地域の人の理解を得られながら、着実に地元の市区町村と東京都が連携をとりながら行っていく。そして、二十一世紀の施設というのは学校を中心とした地域の施設、地域の福祉は地域で見る、この施設として学校が重要なポテンシャルを持っていると考えますけれども、教育長のお答えを希望いたします。  次に、臨海副都心における高齢者の施設、今、臨海副都心の中でどのような高齢者の施設をご用意されているか、それをお答え願いたいと思います。  そして最後に、民間の施設、これは今後高齢化がどんどん進む中でますます新増設が求められると思います。これらの民間施設の建設に当たっては、地域によって、容積率、高さ制限など厳しい制限が加えられております。そこで、私の見解でありますが、このような施設に対して緩和等の検討が必要であると思いますが、行政側からの積極的な支援を要望したいと思います。  今、国会におきまして、委員会も、そして本会議も自分の言葉で質問し、そして、わかりやすい言葉で答弁する、こういうことで政治が身近になった、こういわれております。大変失礼と思いましたけれども、私の質問もそういう意味で自分の言葉でしゃべらせていただきました。知事の温かい、そして、あの庄平と咲江を二人、三人出さないための前向きな答弁を期待して、一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)    〔知事鈴木俊一君登壇〕 ◯知事(鈴木俊一君) 長尾議員の一般質問にお答えいたします。  高齢社会における福祉の基本姿勢についてのお尋ねであります。  本格的な高齢社会を迎える二十一世紀の東京は、優しさにあふれた人間性豊かな都市でなければならないと考えています。このため、すべての都民が住みなれた地域で安心して生き生きと暮らすことを目指して、第三次東京都長期計画では、住宅や福祉など都民の生活基盤整備を重点課題として取り組んでおります。さらに、福祉を初めとする関連施策を総合化した東京都地域福祉推進計画を策定して、高齢社会に向けた各種施策の積極的な展開を図っているところであります。今後とも、区市町村や民間団体等とも協力しながら、福祉サービスの充実を初めとする地域福祉の推進に努めてまいります。  また、特別養護老人ホーム等の設置促進についてのお尋ねであります。  特別養護老人ホームや高齢者在宅サービスセンターの整備は極めて重要な課題であると認識しております。このため、用地取得費特別助成や国基準を上回る建設費助成に加え、平成三年度からは緊急整備五カ年計画による特別助成を実施するなど、設置促進策の充実に努めてきたところでございます。こうした施策の効果もあり、平成五年度においては、特別養護老人ホームについては計画を上回る着工数が見込まれております。今後とも、区市町村等と緊密な連携をとりながら、一層の設置促進が図られるよう施策の充実に努めてまいります。  なお、その他のご質問につきましては、関係局長から答弁申し上げます。    〔福祉局長中嶋理君登壇〕 ◯福祉局長(中嶋理君) まず、在宅福祉と施設福祉の充実についてのお尋ねでございます。  都におきましては、だれもが家族や地域とのつながりを持ちながら、住みなれたところで自立した生活が続けられるよう、高齢者在宅サービスセンターの整備拡充など、在宅福祉を基調とした地域福祉を推進しているところでございます。また、在宅での介護が困難な高齢者のために、特別養護老人ホームの設置を強力に促進することが必要であるというふうに考えておりまして、平成三年度から特別養護老人ホーム緊急整備五カ年計画を推進するなど、積極的に取り組んでいるところでございます。今後とも、相互の有機的な連携にも配慮しつつ、在宅福祉と施設福祉の両面にわたりまして、一層の整備充実に努めてまいります。  次に、高齢者福祉施設の整備状況についてのお尋ねでございますが、特別養護老人ホームにつきましては、東京都総合実施計画における平成四年度末の目標定員数一万六千六百十四人に対しまして、実績は一万五千百九十人、高齢者在宅サービスセンターにつきましては同じく百八十五カ所に対しまして、百五十五カ所と相なっております。  以上でございます。    〔教育長市川芳正君登壇〕 ◯教育長(市川芳正君) 公立小中学校の余裕教室の活用についてのお尋ねでございます。  都教育委員会としては、余裕教室は学校教育に支障のない範囲で地域に開放し、ご指摘の住民の福祉活動、あるいは学習、文化活動等のためのいわばコミュニティ施設として幅広く活用されるよう、関係機関で十分協議、検討されることが必要であると考えます。今後とも、都や区市教育委員会で構成する教育条件環境整備連絡会等において、ご指摘の趣旨も踏まえ、協議、検討を進めるなど、公立小中学校の設置者である区市町村と一層の連携を図り、活用の促進に努めてまいりたいと存じます。  次に、小中学校の統廃合についてのお尋ねでございます。  児童生徒の減少に伴う小中学校の適正配置など、教育条件の整備につきましては、設置者である各区市町村において、それぞれの地域の実情に即して検討が進められ、実施されているところでございます。都教育委員会といたしましては、小中学校の統廃合は、義務教育水準の維持向上を図る観点から計画され、また地域的意義等を考え、地域住民の理解と協力を得ながら進められるべきものと考えております。今後とも必要に応じ、十分指導、助言してまいりたいと存じます。    〔都市計画局長長裕二君登壇〕 ◯都市計画局長(長裕二君) 臨海副都心開発における高齢者への配慮についてのお尋ねでございます。  臨海副都心開発は、豊かな水辺環境を活用し、住宅、商業、文化、レクリエーション等、多様な機能を導入するなど、だれもが豊かに住み、健康で生き生きと活動できる都市の形成を目指しております。このため、まちづくりに当たりましても、臨海副都心開発事業化計画等に基づき、二十一世紀の高齢化社会に対応して、あらゆる施設を福祉のまちづくりの理念のもとに計画的に整備することとしております。また、高齢者が安心して生活が送れますよう、特別養護老人ホーム等の施設の設置も計画しているところでございます。今後とも、都として地元区等関係機関と協議しながらその実現に努めてまいりたいと存じます。
    ◯副議長(萩谷勝彦君) 十四番大河原雅子さん。    〔十四番大河原雅子君登壇〕 ◯十四番(大河原雅子君) 初めて質問させていただきます社会党・市民ネットの大河原雅子でございます。  私は、地域で、食品安全条例の直接請求運動など、市民の自治を進める立場から活動してまいりました。今後ともこの姿勢を大切にして議会活動を進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。  まず最初に、米の緊急輸入と食品の安全について伺います。  長年の農政による農業基盤の脆弱化に加え、冷害によって戦後最大の米の不作が生じ、加工だけではなく、主食確保のための緊急輸入が始まります。食べ物の安全を望むのは消費者にとって基本的なことであり、安全を行政が保障することは当然のことだと思います。しかし、日本の市民団体が公表しましたが、アメリカでは米から日本の残留農薬基準を上回るシロアリ殺虫剤クロルピリホスが検出され、輸入米への不安が広がっております。そこで、東京都として独自の緊急輸入米の安全性の確保策を進める上で、学校給食用の米の安全確保についてどうされるのか、お尋ねいたします。  また、政府は、輸入米を国産米とブレンドすることも検討しております。その際、原産国表示、調整日、ブレンド率、さらには収穫年を表示すること、これらのことは当然のことだと考えます。表示を徹底するよう国に働きかけることはいうまでもなく、場合によっては東京都として国基準を上回る表示事項も活用すべきだと考えますが、いかがでしょうか。  都内に輸入米が流通する場合、都は残留農薬などについて、代表質問では、卸だけでなく小売の流通段階でも検体を採取し、検査すると答弁されました。また、東京都は過日、私の衛生労働委員会での質問に答えて、基準を上回るものが発見されれば、食品衛生法に基づき販売を中止させるなどの方針を初めて明らかにしました。生産国で使用する農薬の種類が異なることから、食品衛生法で残留基準が定められている農薬以外に生産国で使用されている農薬についても検査を拡大する必要があると思われますが、いかがでしょうか。また、基準を超える検体がなくても検査データを公表すべきだと考えますが、あわせてお尋ねいたします。  さらに、仮にブレンド米が流通する場合、ブレンド前に検査することは当然であり、小売店でブレンド米として販売されるものについても検査すべきだと考えますが、ご見解を伺います。  次に、都市農業と有機農業の推進について伺います。  東京の農業は、都民の生活に欠かせない野菜や牛乳、卵、食肉などの生鮮食料品を生産するとともに、都市緑化のための苗木の育成や雨水の地下浸透を図り、そして、貴重な緑地空間として都民に安らぎを与えており、私たちの生活に大きな役割を担っております。農業の多様な価値を私たちは再認識して、このような大都市東京でこそ、環境保全型の持続可能な農業を位置づけて、農あるまちづくりを進めるべきだと考えます。この中で特に健全、安全、良質な食生活を望む声が強まり、近年、有機農産物への関心が高まっております。しかし、現在、有機農産物の生産農家は東京の農家二万戸のうち三百戸程度であり、都民の要望にこたえる状況ではありません。こうした中で東京の特色を生かした有機農業を推進するために、生産者を育成し、安全で質の高い農産物を都民に提供していくべきだと考えますが、ご所見を伺います。  また、有機農法に欠かせない優良堆肥を生産農家に質、量ともに安定供給するためには、畜産農家との連携が必要です。これには総合的な農業政策の展開が不可欠です。しかしながら、現在、畜産農家は、宿舎の敷地などに農地課税されないことなどにより、経営維持が非常に難しい状況にあります。東京にふさわしい畜産農家の支援、育成策についてどのようにお考えでしょうか、お尋ねいたします。  次に、ごみ問題について伺います。  今回の新しい袋出しのルールの実施目的は、本来、ごみの分別を徹底し、ごみの減量を促進することにありました。しかし、導入提案が余りにも唐突であり、何より袋の規格などにも疑問を残したままです。地域で長年ごみの減量やリサイクルの拡大に励んできた大勢の都民の声が反映されない、この決定プロセスには大きな疑問が残ります。さきの清掃条例改正の趣旨からすれば、今回の問題は都のごみ行政がまだまだ市民参加型になっていないことを明らかにしています。さらに、都は当初の方針を、いわゆるレジ袋も含めて推奨袋以外の収集も行うと変更しました。この方針変更は明らかに後退です。完全実施以降、しかるべき時期に成果と問題点の検証を含め、都民参加で再検討する必要があると考えます。知事はぜひとも、この問題を契機にごみ行政を市民参加型に転換する努力をすべきであると考えますが、あわせて伺います。  さて、リサイクルの推進は、ごみ行政の基本です。現行では、リサイクルする人もしない人も同様の税負担になっています。このような格差に大勢の市民が疑問を持ち始めております。そのような意味では、従来の規制的手法だけでなく、ごみの減量にインセンティブを与えるような仕組みづくりが今必要だと考えます。その点は都民参加で検討することとして、全国市長会で提言のあった、排出段階における従量制に基づく処理手数料の導入についてどのようにお考えか、ご見解をお尋ねいたします。  さて、清掃局が収集するごみには、家庭から出るごみや粗大ごみのほかに、いわゆる事業系のごみも入っております。実際には商店街や小さな飲食店の並ぶ町のごみ出し状況を見れば、段ボール箱に無造作にごみが入れられ、優に無料収集の限界十キロを超えると思われるものが積まれております。清掃局として今後事業系のごみ問題にどう取り組まれるのか、お尋ねいたします。  さきに策定されたリサイクル推進計画の中で、都は、区の実施するリサイクルについて、都有地の提供や財源措置など、必要かつ効果的な支援を行うとされております。地価の高い二十三区の場合、ストックヤードなどの用地確保の難しさが、リサイクルルート確立のための大きなネックとなっております。都有地の提供を実際にどのように進めていくのか、ご提示ください。  次に、石けんの使用普及について伺います。  昨年五月、東京都が策定した東京都地球環境保全行動計画の中には、環境に優しい用品などの使用とリサイクル、これに努めることが明記されております。また、さきに知事に提出された都における環境行政のあり方に関する懇談会報告、これにも事業者、消費者としての責務として、同様なことが提言されました。しかし、本年二月に行われた都の用品指定の見直しの中で、特定の職場に使用がとどまっているなどの理由から、石けんが用品の指定から除外されてしまいました。  そこで、まずお尋ねいたしますが、そもそも石けんを含め環境に優しい商品とは、製造、使用、そして廃棄に至るプロセスを総合的に見て決めるべきであると考えますが、いかがでしょうか。石けんは昭和三十年代後半に指定用品になり、昭和五十五年度からは、安心して使っていただける用品の粉石けん、用品指定の粉石けんは合成洗剤ではありません、安心して使用できる石けんですと、欄外に注が設けられるなど、特別ともいえる扱いを受けてきたものです。今回の都の用品指定解除は非常に残念なことです。  私の住んでおります世田谷区では、区の施設では合成洗剤をできるだけ自粛し、石けんを使用することを周知し、用品として五種類、六品目を指定しておりますが、私たち市民の利用調査からも使用率は年々上がってきております。都としても再度指定用品にする方向で検討すべきだと思います。そのため、当面は啓発、普及を進める意味で、環境負荷の低い商品の一つとして通知などの中に入れるなど工夫が必要だと思いますが、いかがでしょうか、お尋ねいたします。  最後に、都市計画への市民参加及び小田急線複々線連続立体交差事業について伺います。  いうまでもなく小田急線複々線連続立体交差事業について周辺住民を中心として関心が高まり、都の対応が注目されております。新聞報道等によれば、二月の都市計画決定を受け、地下方式による複々線化事業を提案している市民団体は、事業認可の権限を持つ五十嵐建設大臣に要請行動を行い、建設大臣より、都は住民が提起する代替案について住民側と協議して、検証し、コンセンサスを得ればよい、その前提として、調査報告書等の基礎資料は住民に開示すべきですとの表明を受けたと聞きます。この情報の公開に関する東京都の今後の対応についてのご見解はいかがでしょうか。  さらに建設大臣の表明を受け、市民団体は、東京都に対して、住民側とのコンセンサスを得るため、地下方式の具体的対案の検討を含め協議することを提案しております。これに対する見解はいかがでしょうか。  世田谷区では、まちづくりを進める市民団体に対して、運営費などの支援を行い、都市計画に対する参加の促進に努めています。東京都においてもこのような都市計画への市民参加を促進すべきと考えますが、いかがでしょうか。  これまで都市計画決定や事業展開の上で、住民との合意を目指すには制度上問題があることが、かねてから問題提起されているところです。地方分権の大きな流れの中で制度の基本的な改正の必要を提案いたしまして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)    〔知事鈴木俊一君登壇〕 ◯知事(鈴木俊一君) 大河原議員の一般質問にお答えいたします。  まず、有機農業についてのお尋ねであります。  ご指摘のとおり、有機農業を推進し、新鮮で安全な農産物を求める都民の期待にこたえていくことは、重要な課題であると認識しております。このため、今年度は優良な堆肥を製造するモデルプラントを建設するとともに、有機農業栽培指針の策定を進めているところであります。さらに、今後この栽培指針に基づき優良堆肥を使用する生産者を育成し、地場流通を促進するなど、東京の特色を生かした有機農業の推進を図ってまいります。  次に、市民参加型の清掃事業についてのお尋ねであります。  新しいごみの出し方については、一月十七日からの本格実施に向けて、都議会を初め各方面からのご意見を踏まえ、先日、最終的な取り扱いを決定したところであります。本格実施後の結果については、ごみの分別や減量の状況などを調査し、分析を行ってまいります。清掃事業は都民の日常生活に最も身近な行政の一つであり、ご指摘のとおり、都民の理解と協力を得ることが事業を進める上で不可欠であると考えております。今後とも、都議会を初め東京ごみ会議などを通じて都民の意見を十分に伺い、都民と一体となって、人間と環境が調和したリサイクル型都市の実現を目指してまいりたい。  なお、その他のご質問につきましては、出納長及び関係局長から答弁申し上げます。    〔出納長越智恒温君登壇〕 ◯出納長(越智恒温君) お答えいたします。  石けんの用品指定についてのお尋ねでございますが、このたびの用品制度の改善に当たりましては、制度の効率化と各局、各事業所の利便性の向上を図るという観点から、事務手続の簡素化を進めるとともに、集中購入方式によるメリットが大きく、全庁的に広く需要のある物品に限定するなどの方策を講じたところであります。  ご指摘の石けんにつきましては、使用が特定の局、事業所に限られており、また、石けんの特性上、大量に一括購入し、倉庫に貯蔵し、配送することは必ずしも効率的とはいえないため、用品の指定から除外したものでございます。このため、各局、各事業所で個別に購入することとなりますが、環境保全のため、これまでの用品と同様に、石けんの購入について十分配慮するよう、各局、各事業所に対し通知をしたところであります。今後も物品の購入に際しましては、環境保全に十分配慮してまいります。  以上でございます。    〔東京都技監石川金治君登壇〕 ◯東京都技監(石川金治君) 小田急小田原線にかかわる調査報告書等の基礎資料についてのお尋ねでございますが、喜多見から梅ケ丘間につきましては、都市計画並びに環境影響評価の手続を進める各段階で、都市計画素案、都市計画案及び環境影響評価書案、さらに見解書の説明会を延べ十八回にわたり開催してまいりました。これらの説明会におきましては、構造形式やその他の資料を配布し、十分説明を行ってきたところでございます。  また、連続立体交差事業調査報告書につきましては、東京都公文書の開示等に関する条例に基づき開示の請求がありましたが、この報告書は行政の内部の基礎的な資料として作成したものでございますので、同条例第九条の行政運営情報等に該当すると考え、非開示の決定を行ったものでございます。この非開示の決定に対し、異議申し立てが出され、現在、東京都公文書開示審査会において、この報告書の取り扱いについて審議中でございます。今後、審査会の答申が出された段階で適切に対応してまいります。  次に、構造形式についてのお尋ねでございますが、この構造形式は、本年二月に都市計画変更を見たもので、地形的条件、計画的条件、事業費などを総合的に検討した結果、成城学園前駅付近については掘り割り式に、その他の区間を高架式にしたものでございます。また、この内容は東京都都市計画地方審議会及び東京都環境影響評価審議会において審議され、それぞれの答申に沿って都市計画変更されたものでございます。しかし、今なお一部の住民に地下化の要望のあることは承知しております。今後とも機会をとらえ、地元の方々に説明し、理解が得られるよう努力してまいりたいと存じます。    〔教育長市川芳正君登壇〕 ◯教育長(市川芳正君) 輸入米の問題に関連して、学校給食用の米の安全確保についてのお尋ねでございますが、学校給食用の米については、国の特殊法人で、学校給食用の米を扱っている日本体育・学校健康センターから供給を受けておりまして、今後とも国内産の米が確保される見込みでございます。しかし、仮に輸入米が学校給食用に使用されるとした場合には、都教育委員会といたしましても、その安全性の確保について同センターに要望いたしますとともに、関係局の協力を得て万全を期してまいりたいと存じます。    〔生活文化局長谷口晴康君登壇〕 ◯生活文化局長(谷口晴康君) 輸入米の表示についてのお尋ねでございますが、米の表示基準は、現行制度におきましては国が定めることとされておりまして、今回、輸入もち米の表示につきましては、原産国、調整日、構成割合などが盛り込まれた基準が示されたところでございますが、主食用であります普通のうるち米の表示基準はまだ明らかにされておりません。今後、国がうるち米の表示基準を定める際に、都民がお米を正しく選択できるような基準とするよう、国に対して働きかけてまいります。  また、現行制度のもとでは、都が独自に規定することができる表示事項は極めて限られておりますが、国の基準設定状況を見ながら、都としての対応を検討してまいりたいと存じます。    〔衛生局長渡辺能持君登壇〕 ◯衛生局長(渡辺能持君) 輸入米の検査等についてのお尋ねでございます。  輸入米の検査に当たりましては、食品衛生法で基準が定められている農薬のほか、生産国で使用されている可能性のある農薬にも十分配慮してまいりたいと考えております。また、検査結果につきましては、報道機関を通じ、また、都が発行しております「物価とくらし」、「くらしの衛生」などの情報誌を通じまして、広く都民に対し情報の提供に努めてまいります。  次に、小売店で販売される国産米とブレンド米の検査についてでございます。  仮にブレンド米が小売店で販売される場合につきましても、必要に応じその検査を行うなど、輸入米の安全性の確保に努めてまいります。    〔労働経済局長小久保久君登壇〕 ◯労働経済局長(小久保久君) 畜産振興についてのお尋ねにお答え申し上げます。  東京の畜産は、大部分が都市の中で営まれております。税制など多くの面で制約を受けていることは、ご指摘のとおりでございます。しかしながら、新鮮で安全な畜産物を求める都民の期待にこたえ、また、有機農業の推進にも寄与します畜産の振興を図ることが必要であると考えております。このため、東京シャモやエド豚などの特産物の開発、酪農ヘルパー制度の創設、畜産農家が生産環境を改善する際の補助など、畜産振興に努めてきたところでございます。今後は、さらに、生産者の顔が見える地場流通の一層の推進や、触れ合い畜産の場の提供など、都民の要望にこたえた都市型畜産を振興し、畜産農家の経営安定に力を注いでまいりたいと存じます。    〔清掃局長小豆畑孝君登壇〕 ◯清掃局長(小豆畑孝君) 清掃事業に関する三つのご質問にお答えいたします。  まず、従量制によるごみ処理手数料の導入についてでございます。  全国市長会の廃棄物問題を中心とした都市の環境問題に関する提言の中で、ごみの減量化等の観点から、有料制の導入の必要性について述べられていることは承知しております。ごみの有料化は、ごみ処理に関するコスト意識の醸成や公平性の確保などの点から、ごみ減量のための効果的な方策の一つとして考えておりますが、実施に当たっては、住民の合意形成やごみの不法投棄の懸念など、さまざまな課題がありますので、今後とも研究してまいります。  次に、事業系ごみについてでございます。  事業者は、その事業活動に伴って生ずる廃棄物について、みずからの責任において処理することが原則であり、事業系廃棄物の減量や適正処理を進めるためには、この原則を徹底させることが必要だと考えております。最終処分場の逼迫など、東京のごみ問題は依然として厳しい状況にございます。都が収集するごみのうち事業系のごみは約半分を占めており、事業系のごみ減量対策は清掃事業の重要な課題になっております。  今月一日、ごみ減量化のための方策について東京都清掃審議会に諮問したところでございますが、この中で、事業系のごみ対策についてもご審議をお願いしております。今後その審議を踏まえ、事業系のごみの減量化に積極的に取り組んでまいります。  次に、区の行うリサイクルに必要な都有地の提供についてのお尋ねであります。  ご指摘のストックヤードなどの資源化施設は、資源の回収から再生への流れを効果的に推進し、リサイクルルートを確立する上で必要不可欠な施設であると考えております。区が行うリサイクルに必要なストックヤードなどの土地の確保については、区が主体的に行うものであるとは考えておりますが、その確保が困難な場合には、支障のない範囲において都有地をその利用に供するなど、区のリサイクル事業を積極的に支援していきたいと考えております。    〔環境保全局長竹尾格君登壇〕 ◯環境保全局長(竹尾格君) 環境に優しい商品についてのお尋ねでございますが、環境に優しい商品とは、商品の製造、使用、そして廃棄に至る全過程での環境への影響が総合的に少ない商品であると考えております。都はこれまでも、再生紙や古紙一〇〇%のトイレットペーパーなどの積極的な使用に努めてきたところでございます。今後とも、ご指摘のような石けんを含めた環境に配慮した商品の普及に努めてまいります。    〔都市計画局長長裕二君登壇〕 ◯都市計画局長(長裕二君) 都市計画への市民参加についてのお尋ねでございます。  都市計画は、健康で文化的な都市生活及び機能的な都市活動を確保すると同時に、一方では、適正な制限のもとに土地の合理的な利用を図ることを基本理念としてございます。都はこれまでも、都市計画の各段階において法令に定める手続を適正に行うことは当然でございますが、さらに説明会の開催、相談コーナーの設置等によりまして、住民及び利害関係者の意見が反映されるよう努めてきたところでございます。今後とも、これらの手続の適切な運用を図り、住民の意向を踏まえたまちづくりを進めてまいります。 ◯副議長(萩谷勝彦君) この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩いたします。    午後六時五分休憩       ━━━━━━━━    午後六時四十九分開議 ◯議長(奥山則男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  質問を続行いたします。  二十六番清水清一朗君。    〔二十六番清水清一朗君登壇〕 ◯二十六番(清水清一朗君) 私は、東京都の当面する重要問題について質問をさせていただきます。  まず第一に、今や地球的大問題であるごみ処理、ごみの減量化についてお伺いをいたします。  先ごろ立川市におきまして、東京多摩移管百周年記念TAMAらいふ21、VOICE93・くらしの祭典が開催されました。多摩の各市におきまして大変関心も高まり、特に自主企画参加には見るべきものが数々あったと存じております。  私どもも、ゴミ減量を考える市民の会事務局長として、プラスチックごみの再利用と生ごみの減量、コンポスト化をテーマに、生ごみのコンポスターとプラスチックの液化還元装置の展示、並びに百日間の公開実験を行い、同時に市民のごみ分別協力の啓発活動として、会場内に各種のごみかごを用意し、生ごみ、瓶、缶、紙くず等々を分別して回収する訓練を──この言葉には語弊がありますが──実施いたしました。その結果、分別収集については徹底すべきであるとの結論を得ました。  生ごみは百日間の間、毎日継続して投入いたしましたが、機械内内容物はほとんど増加せず、微生物処理により九九・九%、水蒸気と炭酸ガスとして大気中に放出することに成功いたしました。  また、プラスチックごみにつきましては現在、プラスチックごみは悪者ごみとの認識のもと、環境擁護派としてはできるだけその使用を減らす傾向にあるものであります。しかし、プラスチックごみの燃料または原料としての再利用が可能であるならば、逆に、紙、木材の代用としてプラスチックを使用し、その後、燃料として使う運動に日本及び欧米が取り組むならば、プラスチックを余計に使うことによって、グローバルな環境の指標ともなり、地球温暖化にも関係する森林資源の伐採のスピードを緩めることができ、森林保護並びに森林の回復に力をかすことともなるとの観点から取り組んだものでありますが、そのプラスチックごみについても、分別さえできれば、燃料油または原料として再利用ができることがわかりました。そして、ごみの資源化リサイクル事業は、ボランティアの奉仕に頼っていては決して解決がつかないということを確信したところであります。  いいかえれば、企業化できるシステムを完成し、行政と消費者の理解とコストの負担が不可欠なものであり、より有効な付加価値の高い再生商品を製造する努力と、消費者が積極的に再生品を利用する土壌が必要であります。知事は、このリサイクル事業を環境事業と位置づけ、同時に、採算のとれる事業とする考え方、いいかえれば、単なるごみではなく、付加価値の高い資源につくりかえることがリサイクルの最大のかぎであるとする考え方をどう評価されるか、ご所見をお伺いしたいと存じます。  次に、清掃局では来年度予算にて、中央防波堤の内側及び大田区京浜島にプラスチックごみを破砕する施設を新設すべく要求しているとお伺いしております。将来、プラスチックの液化技術が完成した場合に、その破砕ごみを液化燃料化する事業に取り組むつもりがあるか否か、また、東京都として分別回収の方法を含め、技術確立のため研究に取り組む意向があるかどうか、お伺いをいたします。  また、世界都市博覧会-東京フロンティア事業においても、大量のプラスチックごみの発生が予想されます。二十一世紀に向け、ごみ環境問題をどう処理実践するかは、世界都市博覧会の大きな課題であります。二年後、プラスチックごみの液化技術が確立した場合に、会場内に発生したプラスチックごみの処理燃料を直接または電気として、アミューズまたは会場内交通機関のエネルギーとして利用する試みを検討するつもりがあるかどうか、お伺いしたいと存じます。  また、生ごみのコンポスターについても、都として研究、普及を進める意向があるかないかをお伺いいたします。今現在でも、学校給食などの生ごみには対応できると思いますが、いかがでしょうか。  次に、大規模住宅の再生計画に関連し、高齢者福祉についてお伺いいたします。  私どもの選挙区には、東村山市、東大和市、武蔵村山市がありますが、ご多分に漏れず、都営最大の村山団地、再生計画第一号の久米川団地、高木団地、東京街道団地等々大規模団地が存在いたします。ご高承のとおり、現在、日本は高齢化社会への道をたどっております。そこで、大規模団地建てかえに際しての高齢者に対する施策についてお伺いしたいと存じます。  大規模団地は、昭和三十年代に建設されたものが多く、ポイント入居制などもあり、高齢者の割合がかなり高くなっているのが実情であります。各区市では地域高齢者住宅計画を策定し、それに基づいて東京都住宅局と協議をしながら、団地内に高齢者住宅サービスセンターの設置を計画しているところであります。しかし、広大な敷地の中で、かつ高層の建物が林立する中では、高齢者が高齢者用施設へ移動することすら困難を伴うのが実情であり、また、食事配送サービスに食事代に匹敵する費用をかけているのが実情であります。  そこで、一棟の建物の中にシルバーピアと高齢者用施設を垂直的に合築する方法がとれないか。例えば、一、二階の低層部に入浴施設や給食施設等の高齢者在宅サービスセンター、その上部にシルバーピアを併設し、眼下には公園または小学校を見おろせるような住宅を建設することを提案したいが、ご所見を賜りたく存じます。  次に、第十一次東京圏道路整備五カ年計画に関連し、多摩北部ないし多摩北西部自動車専用道路の可能性及び促進方についてお伺いいたします。  まず第一に、外郭環状線の進捗状況をお伺いいたします。  次に、知事は、首都高速道路を新宿から中野、杉並方面へ延伸し、圏央道青梅インターチェンジへ向かう自動車専用道路の構想をお持ちと伺っておりますが、新五日市街道との関係はどうなるのか、また、路線コースによっては横田基地の地下を通る可能性も考えられるが、滑走路の下を通る可能性があるのか否か、また、ないとすれば、南に迂回するのか、北に迂回するのか、どちらが可能性が高いかをお伺いしたいと存じます。  また、現在の新青梅街道の混雑状況をご存じでしょうか。多摩北西部、多摩北部及び埼玉県南西部の交通の確保のためにも、知事構想の新宿より青梅までの自動車専用道は新青梅街道と相互補完する形、いいかえれば、新青梅街道に沿ってルート選定をすることが望ましいと考えます。以上、多摩新宿線のルートについてご所見を賜りたいと存じます。  次に、本年は都県境を挟む計画道路の調整すり合わせを図るため、都及び埼玉県にもそれぞれ一千万円の建設省予算がついていると聞いておりますが、これと関連する道路計画についてお伺いいたします。  以前より、埼玉県から調整方の依頼のある飯能・所沢線は、県境を挟んで所沢市と東村山市の市境でとまって久しいものがあります。この道路は幅員二十五メートルで、国の位置づけでは長野県の茅野までを結ぶ国道二九九号線に連絡するものであり、災害時における避難並びに救援物資輸送のための重要路線であります。現在、総延長十九キロのうち七キロにわたり供用中であり、残余の十二キロ全域にわたり事業中でありますが、この路線に東京都側に接続路線がありません。都道三・三・八号、いわゆる府中街道で受け入れるほかはないと存じますが、その接道についてどう考えているか、お伺いいたします。  仮に今、都道三・三・八号線で受け入れたとすると、現道のままではとても交通量をのみ切れないと思うので、三・三・八号線の事業を急ぐ必要があると思うが、どうか。その際、社会的、経済的変化に対応するために、二十二メートルの計画幅員を三十ないし四十メートルに変更する必要があると思うが、どうか。  また、以上の飯能・所沢線と都道三・三・八号線との接続、並びに都道三・三・八号線の拡幅整備の二つの事業を同時に促進する考えはないか、お伺いしたいと存じます。  最後に、現在進められている用途地域の見直しについてお伺いいたします。
     ただいま我が国は不況のまっただ中にあり、道路、下水道等の生活関連事業については優先的に進められておりますが、朝夕の交通ラッシュに代表されるように、都民が快適に生活できる状況にはほど遠いというのが実情であります。そこで、鉄道をもっと有効に利用する施策はないかという観点からお伺いいたします。  鉄道にも道路にも上り下りの概念があり、上下の交互の移動となりますが、今、都心より二十ないし三十キロ圏の駅周辺にオフィス立地を図り、四十ないし五十キロ圏からの通勤者が途中の三十キロ圏の職場へ通う。また、十ないし二十キロ圏の居住者が、逆に三十キロ圏の職場に下り電車を利用して通うこととなれば、理論的には朝夕のラッシュは緩和されることとなります。都市構造の改善のためにも、こうした三十キロ圏の駅周辺地区に業務施設の立地を誘導できるような用途地域の指定は考えられないか、お伺いをいたします。  また、景気刺激や将来望まれる駅を中心とした再開発や区画整理事業の呼び水として将来のサテライトオフィスの需要を喚起するためにも、一定の条件のもとに容積率のアップを図っていくべきと考えるが、ご所見をお伺いいたします。  次に、JR、私鉄に限らず、鉄道駅構内は大きな可能性を秘めた地区であると思います。鉄道駅構内の開発に当たっては、鉄道利用等の交通利便性を生かし、オフィス、住宅等の立地を図り、地区の拠点として整備を行なうとともに、公的広場の設置など、地域のまちづくりとあわせて有効に活用すべきものと思いますが、ご所見をお伺いいたします。  以上をもちまして私の質問を終わります。(拍手)    〔知事鈴木俊一君登壇〕 ◯知事(鈴木俊一君) 清水議員の一般質問にお答えいたします。  ごみを付加価値の高い資源につくりかえることがリサイクルの最大のかぎではないかとのお尋ねであります。  ご指摘のとおり、TAMAらいふ21では、環境問題を踏まえた廃棄物の再利用、資源化を推進するため、会場内でのごみの分別回収、プラスチックの油化実験、生ごみのコンポスト化実験など、さまざまな取り組みが行われたところであります。  実用化に際しましては、技術面、コスト面など、なお解決すべき多くの課題がありますが、こうした関係方面の熱意ある取り組みは、ごみを有用な資源につくりかえるための意義ある試みであると認識しております。  今後とも、さまざまな分野でこうした試みが行われることにより、その成果がこれからのリサイクル型社会の形成に寄与するものと考えております。  なお、その他のご質問につきましては関係局長から答弁申し上げます。    〔清掃局長小豆畑孝君登壇〕 ◯清掃局長(小豆畑孝君) プラスチック類の油化及び生ごみのコンポスト化についてのお尋ねでございますが、油化及びコンポスト化は、ごみの減量化、資源化の有効な方策の一つであると考えております。  プラスチック類の油化については、都においても、これまでも調査研究してきたところでございますが、現在の技術では、油化に適するプラスチックの種類が限定されているのが実情でございます。  現在、都が収集している分別ごみの中から、金属、瓶等を取り除いた場合でも、残りのプラスチック類の中に多くの油化に適さない塩化ビニル等の混入が避けられないなど、これを対象とした油化の実用化は困難な状況にあります。  しかし、今後とも技術開発の動向を踏まえ、プラスチックの液化燃料化等について、引き続き調査研究をしてまいります。  次に、家庭や学校等における生ごみのコンポスト化については、現在幾つかの区市町村で取り組まれておりますので、都としてもこの取り組みが拡大することを期待しており、市町村に対して必要な財政支援をしているところでございます。    〔東京フロンティア推進本部長瀬田悌三郎君登壇〕 ◯東京フロンティア推進本部長(瀬田悌三郎君) 世界都市博覧会で発生するプラスチックごみについてのお尋ねにお答えいたします。  ご指摘のとおり、世界都市博覧会では、ごみ・環境問題を、二十一世紀に向けた重要な課題として積極的に取り組むこととしており、そのため、リサイクル型都市の実現を目指すさまざまな実験や提案を検討しているところでございます。  ご提案のプラスチックごみの燃料などへの活用につきましては、大変貴重なご提案でございますが、解決すべき種々の問題もございますので、今後の研究課題とさせていただきたいと存じます。    〔住宅局長中嶋文雄君登壇〕 ◯住宅局長(中嶋文雄君) 大規模団地の建てかえと高齢者施設についてのお尋ねにお答え申し上げます。  社会の高齢化が進む中、都営住宅団地の建設に際しましても、型別供給やシルバーピアの建設を推進するとともに、区市が事業主体でございます高齢者在宅サービスセンターを、必要に応じて低層階に設置しているところでございます。  ご質問の大規模団地におけるシルバーピアと在宅サービスセンターの配置のあり方につきましては、具体的な建設計画を策定する中で、事業主体でございます地元の区市と協議しながら検討してまいります。    〔都市計画局長長裕二君登壇〕 ◯都市計画局長(長裕二君) 第十一次道路整備五カ年計画に関連しまして、数点お答え申し上げます。  まず、外郭環状線についてのお尋ねでございますが、外郭環状線の関越自動車道以北の区間につきましては、現在、日本道路公団により施工中でございまして、平成五年度末供用の予定と聞いております。  次に、関越自動車道以南につきましては、今後、国等とともに、環境に配慮した道路構造等の検討を進め、地元区市及び地元住民の理解と協力を得ながら、計画の具体化を図り、整備を促進してまいりたいと存じます。  次に、多摩新宿線についてのお尋ねでございますが、多摩新宿線は、新宿副都心等と北多摩、西多摩方面を結ぶ広域的な連携強化を図る路線であり、副都心の育成や多摩地域の振興の観点から、重要な路線であると考えております。  同路線につきましては、平成三年度に構想の可能性の検討を行い、平成四年度に地域のまちづくりと導入空間のかかわり等の検討を行ってまいりました。さらに、本年度から二カ年の予定で路線周辺のまちづくりを含めた整備構想、ルート、構造、整備手法、事業採算性等について調査を行い、取りまとめることとしております。  また、お尋ねのルートにつきましては、今後その調査の中で十分検討してまいります。  これらの調査結果を踏まえ、関係機関との協議を進め、首都圏整備計画等の国の計画にも反映されるよう鋭意努力し、その促進に努めてまいります。  次に、都県境を挟む道路の調整について、三点お答え申し上げます。  飯能・所沢線と都市計画道路三・三・八号線、いわゆる府中・所沢線との接続についてのお尋ねでございますが、現在、都は、埼玉県と共同で、都県境における都市計画道路のネットワークの整合を図るための調査を行っております。この結果を踏まえて、両路線の接続について、埼玉県と協議をしてまいりたいと存じます。  この都市計画道路三・三・八号線の事業の促進と幅員変更についてのお尋ねでございますが、本路線は、多摩地域における重要な南北幹線道路の一つでございまして、都としても、前期事業化予定路線として位置づけ、早期整備が必要であると考えております。  また、この路線の幅員及び道路構造につきましては、交通処理や沿道環境の保全等を考慮し、検討を行っているところでございます。  三・三・八号線の拡幅整備並びに埼玉県側の飯能・所沢線との接続の同時促進についてのお尋ねでございますが、これらの路線を同時に整備促進することについては、道路構造、幅員等の検討及び都県間の調整が必要でございまして、今後、埼玉県や地元関係市と協議を進めてまいりたいと考えております。  次に、用途地域の見直しと鉄道駅構内の有効活用について、三点お答え申し上げます。  駅周辺地区の用途地域についてのお尋ねでございますが、用途地域の見直しに当たりましては、良好な市街地環境の整備と都市の秩序ある発展を図るとともに、職と住の均衡のとれた多心型都市づくりをより一層推進するため、適切に用途地域等の指定を行っていくこととしております。  ご指摘の鉄道駅周辺の地区等で、業務・商業施設を計画的に整備する区域につきましては、商業系用途地域を指定するなど、区市町とも十分に連携を図りながら、適切に対処してまいります。  次に、駅周辺地区の容積率についてのお尋ねでございますが、地域のまちづくりを推進していく上で、駅の周辺は、その中心となる重要な地区であると考えます。したがって、市街地再開発事業、土地区画整理事業の実施や地区計画の策定等により、計画的な整備が行われる場合には、容積率についても適切に見直しをしてまいりたいと考えております。  最後に、鉄道駅構内の有効利用についてのお尋ねでございますが、鉄道駅構内の開発は、都市機能、都市防災に配慮しながら、周辺のまちづくりと整合するように、鉄道事業者を指導しているところでございます。  ご指摘の、都心から二十キロないし三十キロ圏の鉄道駅構内につきましては、連続立体交差化などに伴う再整備も予測されますので、鉄道施設の将来的な整備計画に十分配慮し、かつ、周辺のまちづくりと整合するよう、個々の開発を適切に指導してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◯議長(奥山則男君) 三番原環君。    〔三番原環君登壇〕    〔議長退席、副議長着席〕 ◯三番(原環君) 私は、当面する都政の重要課題について、知事並びに関係局長に質問いたします。  現在、我が国の平均寿命は、男性は七十六・一歳、女性は八十二・二歳と世界一の長寿国となる一方、出生率は戦後最低となっています。このため、世界に例のない速さで高齢化が進んでおり、福祉、医療、保健などの各種サービスの充実はもとより、高齢者のための住宅の確保など、総合的な対策を早急に実行しなければならないと考えます。  そこで、高齢者の対策についてお伺いします。  第一に、高齢者の住宅対策についてであります。民間のアパートなどに居住するひとり暮らし等の高齢者は、住宅の建てかえに伴って立ち退きを要求されるなど、不安を抱えております。  これに対応するのは、都の住みかえ家賃助成制度ですが、区市町村にまたがる住みかえの場合は、実際に区市町村の助成が受けられないことがネックとなっております。助成が受けられるよう、方策を検討すべきと考えますが、所見を伺います。  第二に、寝たきり高齢者についてであります。  昨年、福祉局が実施した特別養護老人ホームの入所待機者の実態調査では、六八%の方が入浴について全面的に介助が必要とされ、在宅の寝たきり高齢者にとって、入浴が切実な問題になっていることが明らかになっております。都として、通所はもとより、訪問による入浴サービスの充実を図るべきと考えますが、所見をお伺いします。  第三に、痴呆性高齢者の介護は、常に家族の犠牲を伴っており、こうした介護の負担を軽減するためにも、痴呆性高齢者のためのショートステイの拡充や、女性就労が一般化している現状を踏まえたデイサービスの受け入れ時間の延長など、痴呆性高齢者施策の大幅な充実を図るべきと考えますが、所見をお伺いします。  第四に、福祉、保健、医療など、さまざまなサービスの連携についてであります。  在宅の寝たきり高齢者の介護に関するさまざまな相談に応じる在宅介護支援センターは、今後ますます重要な役割を担っていくと思いますが、都においては、この事業をどのように位置づけられておられるのか、お伺いします。  また、在宅介護支援センターは、総合実施計画では、平成五年度末までに五十五カ所の設置に対し、平成五年度当初の実績はわずか十五カ所でしかありません。しかも、センターの運営に当たっては、二十四時間体制とされながら、職員はわずか三名で、期待されている役割に比べ、現状は不十分な状況にあると考えますが、今後どのように推進を図るのか、所見をお伺いします。  第五に、高齢者が家庭で健康に暮らせるための施策についてであります。  現在、家庭で療養をする寝たきりなどの高齢者のために、医療機関では、主治医が定期的に家庭を訪問して診療を行う訪問診療を実施しています。先ごろ出された東京都在宅保健対策検討委員会の意見具申を受け、この訪問診療の活性化について、今後どのように施策化を図ろうとしているのか、お伺いします。  同時に、高齢者が自宅でみずからの健康状態を把握できるようなシステムを、東京都においても導入していくべきと考えます。既に釜石市の病院などでは、高齢者の方が自宅で簡単に血圧、脈拍、心電図等が測定でき、電話回線を利用して集積されたデータをもとに、月に一回、医師が指導や助言をするシステムが実施され、好評を博しております。都の積極的な対応をお伺いします。  次に、区市町村の地域福祉ネットワークづくりへの支援についてお伺いします。  区市町村では、地域福祉計画をもとに、それぞれの地域の特性を生かして、先駆的な取り組みを構想している例もあります。例えば国分寺市では、市内を中学校単位に五つのブロックに分けた健康福祉住区を設定し、福祉と保健、医療サービスを包括的、一体的に提供できる仕組みづくりを目指しており、ほかにも中野区、立川市、日野市等でもネットワークづくりを促進しております。こうした取り組みに対して、都としても積極的に支援すべきと考えます。所見をお伺いします。  また、今後の地域福祉の推進に当たっては、区市町村がそれぞれの地域の特性に応じて独自性、創造性を大いに発揮し、施策を展開していくことが重要であることはいうまでもありません。そのためには、都民に対して、各区市町村の地域福祉や施策の現状について、図解等を用いて、わかりやすく示していくことが、都の役割として必要であると考えます。所見をお伺いします。  次に、中央環状新宿線の安全対策及び環境対策についてお伺いします。  中央環状新宿線は、池袋、新宿、渋谷など都心部の中心地十・一キロのほとんどを地下道で結ぶ長大なトンネル方式の高速道路であります。既に都市計画が決定され、平成十一年の完成を目指して事業が進められているところであります。  そこでお伺いします。  第一に、トンネルの安全対策であります。  長大なトンネルであるために、万一交通事故が起こりますと、私たちの想像を超えた大惨事になると考えられます。例えば昭和五十四年、東名高速道路の日本坂トンネル内で起きた玉突き事故は、死者七名、車両火災百七十三台の大惨事となったのであります。ことしの六月に控訴審判決があり、東京高裁より、公団のトンネル内の安全体制には落ち度があったと述べ、初期消火のおくれ、消防通報やドライバーへの警告も不十分、また二次災害に対する防災体制に不備はなかったかなど、重要な指摘があったのであります。  そこで、こうした教訓を踏まえ、中央環状新宿線は、その安全対策についてどう対応しているのか、特に避難誘導出口対策、ドライバーへの平時からの緊急時の呼びかけ等を含め、具体的にお伺いします。  次に、トンネル内のNOx除去のために脱硝装置の設置についてであります。  中央環状新宿線には、トンネル内の自動車から出された排気ガスを地上に放出する換気所が八カ所建設されることになっております。先日、私は、都において低濃度脱硝装置の実用化に向けて実験をしている十三号地沈埋トンネルの現場を視察してまいりました。現時点の実験結果では、トンネル換気所から排出される窒素酸化物の除去率を八〇%とする当初の実験目標をほぼ達成し得る見通しとなっており、今後は装置の小型化が必要とのことでありました。  こうした実験結果を踏まえ、都として現在進めている中央環状新宿線の建設に当たり、その換気所に低濃度脱硝装置を設置すべきであります。明快なご所見をお伺いします。  次に、地域の問題についてお伺いします。  まず第一に、豊島区の清掃工場の建設についてであります。  工場建設の根幹をなす用地買収の進捗状況はどのようになっておりますか。  また、工場周辺の交通対策、排ガス、騒音等の公害対策にはどう対応するのか、お伺いします。  さらに、工場建設予定地内に区道があり、障害になると考えられますが、区道の位置変更はあるのか。あるとすれば、どのようなコースになるのか。  また、工場建設に伴い、余熱利用や地域還元施設の設置をぜひ実現すべきでありますが、その内容、規模についてお伺いします。  第二は、環状五の一号線の整備計画についてであります。  池袋地区に計画されている環状五の一号線は、池袋副都心周辺の交通体系に係る役割だけでなく、池袋、新宿、渋谷の三大副都心を直接的に結びつける重要な路線であります。特に、南池袋から高田二丁目の明治通りに抜ける路線は、明治通り全線と池袋駅周辺における慢性的な渋滞の緩和に不可欠であります。この路線は、平成三年に都が公表した前期事業化予定路線にも位置づけられ、地元豊島区議会でも、地下鉄十三号線との同時着工について、全会一致で住民の要望を採択しており、一日も早い整備が期待されております。現状と今後の見通しについてお伺いします。  最後に、営団地下鉄十三号線延伸についてお伺いします。  現在、志木から池袋まで約十七キロの区間が運行されておりますが、この先の地下鉄十三号線については、池袋─新宿─渋谷の八・七キロについて、いまだ運輸大臣の免許がおりていない状況であります。  そこで、本年十一月に、豊島、新宿、渋谷三区の建設促進の協議会で、合同総決起大会を開き、早期建設のため、路線免許の取得を強く要望したところであります。その見通しについてお伺いします。  以上をもちまして私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)    〔知事鈴木俊一君登壇〕 ◯知事(鈴木俊一君) 原議員の一般質問にお答えいたします。  痴呆性高齢者施策についてのお尋ねであります。  痴呆性高齢者の問題は、今後の本格的な高齢社会に向けて取り組むべき、重要かつ緊急の課題であると認識しております。  このため、都はこれまでも、特別養護老人ホームの整備、国に先駆けての痴呆性高齢者短期入所事業やデイホーム事業の実施、さらに、痴呆性老人精神科専門病棟の整備、老人性痴呆に関する総合的研究の推進など、痴呆性高齢者対策の充実に努めてきたところであります。  今後とも、ご提案の趣旨を踏まえ、区市町村と連携を図りながら、施策の一層の充実を図ってまいります。  なお、その他のご質問につきましては関係局長等から答弁申し上げます。    〔東京都技監石川金治君登壇〕 ◯東京都技監(石川金治君) 環状五の一号線、雑司が谷地区の整備の現状と今後の見通しについてのお尋ねでございますが、この路線は、交通混雑の緩和や副都心にふさわしいまちづくりにとって重要な路線でございます。  お尋ねの区間約一キロメートルにつきましては、現在、整備のための基礎調査を進めています。その整備について、地域住民にさまざまな要望がございますので、それらに配慮した道路構造などの検討を行い、今後、関係機関との調整を十分図りながら、事業化に努めてまいります。    〔福祉局長中嶋理君登壇〕 ◯福祉局長(中嶋理君) 高齢者対策につきまして、六点のご質問をいただきました。  まず、高齢者住みかえ家賃助成事業についてでございますが、この事業の実施主体は区市町村でありまして、区市町村をまたがる住みかえにつきましては、当該区市町村に一定期間居住する住民であることを支給要件とするなど、さまざまな問題がありまして、大部分が助成対象とされていないのが実情でございます。
     この取り扱いにつきましては、検討すべき点もあると考えられますので、区市町村と十分協議してまいりたいと存じます。  第二に、入浴サービスについてでございますが、在宅の寝たきり高齢者とその家族にとりまして、入浴は切実な問題でありまして、入浴サービスの充実は重要な課題だというふうに認識いたしております。  都はこれまで、高齢者在宅サービスセンターにおける通所の入浴サービスに対しまして、独自に介助浴室整備のための面積加算や常勤寮母の増配置を行うなど、事業の充実に努めてきたところでございます。  ご指摘のとおり、通所の困難な寝たきり高齢者にとりまして、訪問による入浴サービスは極めて重要でありますので、今後とも区市町村と協議しながら、施策の充実に努めてまいります。  第三に、在宅介護支援センターの位置づけについてでございますが、多様なニーズを持つ要介護高齢者等に対しまして、福祉、保健医療など各種サービスを総合的に提供する仕組みであります地域トータルケアサービスの充実は緊急の課題でありまして、相談、調整機能を持つ在宅介護支援センターは、その中心的な役割を果たす機関というふうに位置づけております。  第四に、在宅介護支援センターの設置促進についてでございますが、都はこれまでも、このセンターにつきまして、国の基準を上回る職員を配置するとともに、平成五年度からは、訪問相談等に必要な自動車の購入費補助を開始いたしました。また、国に働きかけまして、相談に対応する時間の弾力的な運用など、設置要件の一部緩和を実現したところでございます。  今後とも、区市町村と連携を密にし、老人保健施設や病院における設置促進を図るなど、事業の充実に努めてまいります。  第五に、区市町村の地域福祉ネットワークづくり支援についてでございますが、地域福祉の推進には、区市町村が地域特性に応じて、創意に満ちた先駆的な事業を展開していくことが重要でありまして、都では、地域福祉ネットワークづくりモデル事業を実施して、区市町村の事業構想づくりを支援しているところでございます。  これにより、福祉や保健医療など、在宅サービスに係る複数の事業を組み合わせ、総合的なサービスを提供できる地域福祉ネットワークづくりの促進に努めております。  今後とも、関係部局と十分に連携をとりながら、一層の支援に努めてまいります。  最後に、区市町村の地域福祉計画などを都民にわかりやすく示すことについてでございますが、地域福祉は、区市町村が主体となって、それぞれの地域の実情に応じたサービスをきめ細かく展開していくものでありまして、都の役割は、区市町村を支援していくと同時に、広域的、専門的なサービスを提供することであるというふうに考えております。  都が、広域自治体の立場から、各区市町村の地域福祉計画や施策の現状について、都民に図解等でわかりやすく示し、都民の保健、福祉施策に対する理解の向上に役立てることは、今後の地域福祉推進にとって有意義なことであると考えておりまして、ご指摘の趣旨を踏まえまして、その方法について検討してまいりたいと存じます。  以上でございます。    〔衛生局長渡辺能持君登壇〕 ◯衛生局長(渡辺能持君) 寝たきりなどの高齢者のための訪問診療の活性化等についてのお尋ねでございます。  高齢者の方々が家庭で安心して療養できるようにするためには、かかりつけ医が適切な医療を計画的に提供する訪問診療を活性化させることが重要でございます。  本年十月、東京都在宅保健対策検討委員会から、区市町村と地区医師会が中心となり、訪問診療を行うかかりつけ医の確保、訪問診療制度の周知等を行い、都がこれを広域的な立場から支援することを柱といたします訪問診療のあり方につきまして、意見具申をいただいたところでございます。  都といたしましては、この意見具申に基づきまして、今後、区市町村等関係機関と密接な連携を図りながら、訪問診療活性化のためのモデル事業の実施につきまして検討してまいりたいと存じます。  また、ご提案の、高齢者が自宅でみずから健康状態を把握できるシステムの導入につきましては、東京のように膨大な人口を擁する大都市におきましては、さまざまな問題が考えられますので、今後の研究課題とさせていただきたいと存じます。    〔都市計画局長長裕二君登壇〕 ◯都市計画局長(長裕二君) 中央環状新宿線の安全対策についてのお尋ねでございますが、現在、首都高速道路公団におきまして、学識経験者などによる防災対策検討委員会等を設置し、非常施設や交通管制のあり方などについて、一層の安全性の確保を図るため、検討を進めてございます。  具体的な対策といたしましては、本線に並行した避難通路の設置、非常口の標準設置間隔の短縮、非常警報装置と連動したトンネル内監視モニターの設置、ラジオ放送等による緊急時の情報伝達など、ソフト、ハード両面にわたり検討しております。  今後、事業を進める中で、適切に対応するよう、首都高速道路公団を指導してまいります。  次に、脱硝装置についてのお尋ねでございますが、現在、都では、低濃度脱硝装置の実験を行っておるところでございまして、窒素酸化物の除去率につきましては、実験では当初の目標をほぼ達成し得る見通しとなっておりますが、実用化に向けては、なお設備の小型化、省エネルギー化等、さらに検討すべき課題がございます。  中央環状新宿線につきましては、実用化に関する今後の技術開発の成果を踏まえた上で、脱硝装置の導入を図ることとしてまいります。  次に、地下鉄十三号線の今後の整備の見通しについてのお尋ねでございますが、本路線は、地下鉄八号線、十一号線とともに、東京全体の均衡ある発展にとって欠くことのできない鉄道であると認識してございます。ご指摘の池袋─新宿─渋谷間につきましては、帝都高速度交通営団が昭和五十年九月、運輸省に対して免許申請を行っているところでございます。  都としては、これまで地元の強い要望を受けまして、国等の関係機関に対し、本路線の整備促進を求めてきたところでございますが、今後ともなお一層、整備が速やかに実現するよう要望してまいります。    〔清掃局長小豆畑孝君登壇〕 ◯清掃局長(小豆畑孝君) 豊島地区清掃工場に関する四点のご質問にお答えします。  まず、建設用地の取得状況についてでございます。  豊島地区清掃工場は、池袋スケートセンターの跡地を主体とした約一・二ヘクタールを用地として計画したものであり、既にその八割を取得しております。残る用地についても、年度内の取得を目指して、現在、地権者等関係者と折衝中でございます。  次に、交通公害対策についてのお尋ねであります。  当該清掃工場建設予定地は、交通量の多い川越街道と山手線、埼京線に囲まれた地域にあり、交通対策についても、現在関係者と検討を重ねております。具体的には、複数搬出入路の設置、工場内待車スペースの確保など、施設面での対応を考慮するとともに、ごみの搬入時間の分散など、管理運営面での工夫を行い、ハード、ソフト両面から十分配慮してまいりたいと考えております。  三点目は、工場建設予定地内にある区道についてでございます。  清掃工場の建設に当たっては、この区道はつけかえが必要となりますので、位置の変更など、その取り扱いを現在豊島区と協議しているところであります。都としては、地元住民の方々の利便を十分考慮し、適切に対応してまいります。  最後に、清掃工場の余熱利用と地域還元施設についてのお尋ねであります。  都ではこれまでも、ごみの焼却に伴い発生する熱エネルギーによる発電や地域還元施設への給湯を行うなど、清掃工場をローカルエネルギーセンターとして位置づけ、余熱の活用に努めてきたところであり、豊島地区清掃工場についても、この方針に沿って対応してまいります。  地域還元施設は、地元区が住民の方々の要望を酌みながら、計画、建設、管理するもので、都はその建設費の一定額を補助することとしております。  豊島地区清掃工場の地域還元施設につきましては、現在、区が施設規模及び内容を検討中であり、都としては計画の具体化を待って、その実現に努力してまいります。 ◯副議長(萩谷勝彦君) 七番黒須隆一君。    〔七番黒須隆一君登壇〕    〔副議長退席、議長着席〕 ◯七番(黒須隆一君) このたび、初めて念願の都政に参画をさせていただきましたが、まことに早いもので、間もなく六カ月が経過しようとしております。首都東京発展のために、少しでもお役に立たせていただきたい、この思いで今後、微力ではありますが、全力を尽くさせていただく所存でございます。  まず、都政の第一印象でありますが、とにかく規模が大きいということであります。予算規模では国家予算のほぼ十分の一、近隣諸外国との比較においても、同規模あるいはそれを上回る規模との説明を再三伺い、あわせて、首都東京、世界都市東京としての位置づけに基づく諸施策を見たとき、都政に参画をした一員として改めて、身の引き締まるような緊張感を覚える次第であります。  しかし、首都東京としての役割、世界都市東京としての位置づけには理解を示しながらも、同時に都政の現状に若干の疑問も感じております。  経済環境の激変により、都政における最大の課題となっております臨海副都心計画や世界都市博覧会は、首都東京、世界都市東京としての立場からは、何としてもやり遂げねばならない重要な事業でありましょう。しかし、一方では、世界都市東京の紛れもない一部である多摩地区における都心部との格差は一向に縮まらず、都市基盤整備のおくれは著しいものがあることは、ご高承のとおりであります。  一例を申し上げれば、私の住む八王子市は、人口四十八万を有する多摩地区最大の都市でありますが、下水道普及率いまだ五〇%に達せず、また、通勤時には、市内の移動であるにもかかわらず、自宅から最寄りの駅までバスにて一時間以上を要するという極めて不便な生活を強いられている地域も珍しくありません。しかも、その問題の道路の大部分は都道であります。これらの現状を見るとき、もっと生活に密着した部分にも都政の光をと思わざるを得ません。  去る十一月七日、多摩地区の東京移管百周年を記念する事業、くらしの祭典・VOICE93が、多摩新時代宣言の採択をもって閉幕しました。そのセレモニーにおいて、知事は、新しい多摩地域の創造を標榜され、あわせて、多摩自立都市圏の形成を目指そうと訴えられました。このことは、多摩地区在住の都民に心強さと、大きな期待感を抱かせるものでありました。  私自身、多摩の議員の一人として、二十一世紀は多摩の時代を夢見ながら、その実現に向け最大限の努力をいたす所存でありますが、同時に、おくれている多摩地区の南北交通、都市計画道路、下水道等を中心とした基本的な都市基盤の整備を緊急の課題として取り組んでいただくよう、都に対し強く要望するものであります。  そこでお尋ねいたしますが、多摩自立都市圏の形成のため、今後どのような施策を講じるお考えなのか、知事のご所見をお伺いいたします。  あわせて、業務核都市として、八王子、立川、青梅が指定されておりますが、その基本となるべき業務核都市基本構想の策定につきましても、既に千葉、埼玉、神奈川では策定され、国の承認を得ている現状から、都においても一刻も早く策定し、具体化に取り組むべきと考えますが、ご所見をお伺いいたします。  次に、保健医療行政についてお伺いいたします。  都は、平成元年、医療法の改正を受け、東京都保健医療計画を策定しました。間もなく五年を経過しようとしておりますが、保健医療計画をめぐる状況の変化に伴い、現在この計画の改定が進められておりますが、私はこの改定に当たっては、それぞれの地域の実情をよりきめ細かく把握し、適切な保健医療行政を展開していただきたいと思うのであります。  そこで、まず初めに、今回の改定の趣旨並びに改定案の特徴等についてお伺いいたします。  また、保健医療計画では、医療資源の有効適切な活用を目的として、二次保健医療圏ごとの必要病床数を算定することとされておりますが、その算定方法に若干の疑問を感じておりますので、お尋ねいたします。  ご承知のとおり、多摩地域には、精神病院、老人専門病院が偏在しており、しかも老人病院の病床のすべて及び精神病院内の一般病床と呼ばれているものが、一般の病院の病床と同様にカウントされているため、地域によっては著しい不合理が生じているのであります。  例えば、現在の保健医療計画では、南多摩医療圏、八王子、町田、日野、多摩、稲城の五市でありますが、この地域の必要病床数八千八十一に対し、八千百四の病床が存在し、数の上では充足されているとなっております。しかし、実態は、その中に八王子市内にある六つの老人専門病院の千八百二十四ベッド、十九もある精神病院内の一般病床三百八十ベッド、合計二千二百余りの病床が含まれているのであります。  このように、一つの町に六つの老人専門病院、十九の精神病院という地域の特殊事情を考慮した上での必要病床数の算定方法に改めるべきだと思うのであります。  地元の例で恐縮ではありますが、現在、八王子市における市民要望の最たるものは、地域医療の充実であります。八王子には病院が少ない、よい病院が欲しい、救急救命医療を充実してほしい、これらの多くの声にこたえて、市当局は、大学病院誘致を前提として用地の確保に全力を挙げているところでありますが、改定中の保健医療計画において事態の改善が図られない場合には、その努力もむなしいとも思えるのであります。  そこでお伺いいたします。  このような算定の方法を改めるか、あるいは交通網の整備状況、地理的条件、地域住民の日常生活行動の状況をも勘案し、今後必要に応じ、保健医療圏のより細分化を検討しなければ、地域間のアンバランスは解消されないと思うのでありますが、知事のご所見をお伺いいたします。  次に、都立八王子小児病院の現状と今後の方向についてお伺いいたします。  当病院は開設以来、小児医療の高度専門病院として、また、小児専門の救急病院の役割も果たしながら、地域医療の向上に大きく貢献してまいりました。特に本年度、救急医療体制の充実に努力されましたことには、一定の評価をいたすものであります。  しかし、いまだ、特に夜間における小児救急及び新生児救急への対応が十分とはいえず、より一層の充実を図るべきであると考えますが、どのような現状認識を持っておられるのか、お伺いいたします。  あわせて、一時、当八王子小児病院を都立清瀬小児病院へ統合させる方針があるやに耳にいたしましたが、いうまでもなく、西南部唯一の小児専門病院の存廃は、地域住民にとって極めて大きな関心事であります。その後、この件がどうなっているのか、お伺いいたします。  次に、八王子インターチェンジ周辺の都並びに東京都住宅供給公社所有地の開発に関連して、都立小宮公園の拡張、充実についてお伺いいたします。  現在、中央高速道八王子インターチェンジ周辺には、約六十ヘクタール、十八万坪にも上る都並びに東京都住宅供給公社の用地があります。いうまでもなく、これら用地は、住宅を建てることを目的として、古くは二十数年前より買い求められたものでありますが、現状では周辺の環境も著しく変化しております。  八王子市においても、当該地区について、流通関連施設の整備構想や大学病院等誘致予定地として位置づけ、既に都に対し、一部用地の売却方申し入れを行っている部分もあると聞いております。当該地区の開発に当たっては、単に住宅建設一辺倒ということではなく、地元市の意向を十分に反映し、近年の周辺における環境の変化を視野に入れた総合的な地域開発が、地域住民の生活環境の維持向上の観点からも極めて重要であると考えるものであります。  そこで、この開発に関連して、隣接する小宮公園についてお伺いいたします。  本公園は、市街地中心部より歩いて十五分程度という近距離にありながら、自然の立地がそのまま生かされた極めて重要な都市公園でありますが、この東側隣接部分に、都公社所有地の二十五ヘクタールを含めた三十四ヘクタール、ほぼ十万坪の区域があります。かつて八王子市当局より都に対し提出されました要望書にもありましたが、当該地を都市計画公園区域とすることは、緑の保全とあわせて、小宮公園が都市の骨格施設として極めて重要な位置づけをされることであります。八王子市民のみならず、広域的視点からも、都民が身近な自然に親しみ、憩える都市公園の充実はまさに必要なことであります。  以上の観点から、都立小宮公園の拡大、充実をすべきと考えますが、所見をお伺いいたし、以上で私の質問を終わります。(拍手)    〔知事鈴木俊一君登壇〕 ◯知事(鈴木俊一君) 黒須議員の一般質問にお答えいたします。  まず、多摩地域の今後の施策についてのお尋ねであります。  多摩新時代の創造をテーマとしたTAMAらいふ21の活動を通じて、新たな交流の輪が誕生するとともに、リサイクルなど各テーマプログラムから、まちづくりの貴重な提言がまとめられました。  TAMAらいふ21のこうした成果を礎に、だれもが安心して生き生きと暮らせる、人と自然に優しい、職、緑、遊、住、学のバランスのとれた多摩を創造することが、多摩新時代の課題であります。  このため、都と市町村が一体となって、自然との調和を図りつつ、都市基盤、都市施設を計画的に整備し、交通、文化、情報などの都市機能の集積を進め、特色ある多摩自立都市圏の形成を目指していきたいと考えております。  次に、東京都保健医療計画における必要病床数の算定方法などについてのお尋ねであります。  ご指摘のとおり、多摩地域には老人病院などが偏在しております。一般の入院医療を圧迫するなどの問題が生じかねないことは、ただいまご指摘のとおりでございまして、都としても十分認識しております。  このため、国に対して、病床数の算定方法を改めるよう要望してきたところであり、今後ともより強く改善を求めてまいります。  また、二次保健医療圏については、平成元年二月、医療法の規定に基づき、住民の日常生活行動、交通事情、人口規模などを総合的に勘案して設定したものでありますが、圏域設定要素のその後の動向に圏域を変更するほどの大きな変化が生じていないことから、今回の改定においては、圏域は現行どおりとしたいと考えております。  都としては、現行の保健医療圏において、保健医療施設の整備や病院と診療所の連携の推進など保健医療体制のシステム化を図り、都民の心身の状況に応じた適切な保健医療サービスの提供に努めてまいりたい。  なお、その他のご質問につきましては、関係局長から答弁申し上げます。    〔都市計画局長長裕二君登壇〕 ◯都市計画局長(長裕二君) 二点、お答え申し上げます。  まず、業務核都市についてのお尋ねでございます。  東京都では八王子、立川両市が、第四次首都圏基本計画において業務核都市として位置づけられております。また、都の長期計画では八王子、立川等を多摩の心として位置づけ、多心型都市構造の形成を都市づくりの基本方針としております。これは業務核都市の考え方とも軌を一にするものでございます。  多極分散型国土形成促進法に基づく業務核都市基本構想につきましては、現在策定中の多摩の心整備指針との整合を図り、地元市と調整を行った上で、平成六年度中を目途に承認申請を行ってまいります。  次に、都市計画小宮公園の区域拡充についてのお尋ねでございますが、この公園は加住丘陵の東の端に位置し、市街地に接しておりますが、雑木林や湧水など、自然の豊かな公園となっております。  隣接地への区域の拡大につきましては、今後とも地元八王子市を含め関係機関と十分検討を進めてまいりたいと存じます。    〔衛生局長渡辺能持君登壇〕 ◯衛生局長(渡辺能持君) 保健医療に関します三点のご質問にお答え申し上げます。  初めに、東京都保健医療計画の改定の趣旨並びに改定案の特徴についてのお尋ねでございます。  都は、平成元年二月、包括的な保健医療体制の整備を目指す基本指針として、東京都保健医療計画を策定したところでございます。その後五年近くが経過し、人口の高齢化の一層の進行、老人保健法や医療法の改正など、都民の保健医療をめぐる環境には大きな変化が見られます。  こうした変化に的確に対応し、都の保健医療施策をより一層充実強化させるため、医療法の規定に基づき、この計画を改定することとしたものでございます。  今回の改定案の特徴は、第一に、保健医療需要の高度化や多様化、在宅要介護高齢者の増加などを踏まえ、保健医療機能の連携の推進と、保健医療と福祉の連携に基づきます地域ケア体制の整備を重点課題として位置づけたことでございます。  第二番目といたしましては、エイズ、ターミナルケアなどを新たな課題として位置づけるとともに、老人訪問看護ステーションの整備など、新しい制度を積極的に取り入れたことでございます。  三番目といたしましては、保健医療サービスを地域の特性や実情に即して推進していくため、いわゆる二次保健医療圏ごとに地域保健医療計画を策定したことでございます。  なお、改定計画につきましては、今月末の公表に向け、現在、東京都医療審議会でご審議をいただいているところであり、今後は、この新しい計画を指針といたしまして、保健医療施策の着実な推進に努めてまいります。  次に、八王子小児病院の救急医療についてでございます。
     八王子小児病院におきましては、小児の全夜間救急及び新生児救急を実施し、多摩西南部におきます小児救急の中心的役割を果たしており、増加する救急需要に対応するため、今年度診療体制の充実を図ったところでございます。  しかし、八王子小児病院の本来の役割と、医療機能の中での救急医療の対応については一定の限界がございますので、今後は、市及び地域医師会等の関係機関の協力を得まして、当該地域における小児救急医療体制の充実について努めてまいります。  次に、八王子小児病院の今後についてでございますが、八王子小児病院は、多摩西南部において地域の期待にこたえ、救急医療を初めとして心臓病医療など小児医療の提供に大きく貢献しているところでございます。  近年、小児人口が減少する一方で、疾病の多様化、小児科医師の高齢化や減少化傾向など、小児医療を取り巻く環境は大きく変化しております。  このような状況を踏まえまして、都立病院全体におきます小児医療のあり方について総合的に検討するため、学識経験者などから成ります委員会を今年度中に設置する予定でございます。  八王子小児病院の今後のあり方につきましても、現在果たしております役割や地域の医療状況等を踏まえまして、この中で十分検討してまいりたいと存じます。 ◯議長(奥山則男君) 九十八番宮崎匡功君。    〔九十八番宮崎匡功君登壇〕 ◯九十八番(宮崎匡功君) 私は、多摩地域におけるごみ行政のあり方と、さまざまな面で都市基盤整備がおくれている多摩地域と秋留台地域総合整備計画、イベント行政のあり方などについて質問をいたします。  まず初めに、多摩地域におけるごみ行政について伺います。  谷戸沢処分場は多摩の最終処分場であります。昭和五十年代、内陸管理型の処分場として、周辺住民合意のもとにつくられました。ところが、この間の報道や周辺住民の切実な訴えで、その安全性そのものに疑問が持たれているわけであります。  過日の建設清掃委員会でも取り上げましたが、厚さ一・五ミリのゴムシートが、あの巨大な処分場に一枚だけ張ってあるわけであります。これが実物の一・五ミリのゴムシートであります。(実物を示す)谷戸沢処分場は、この議場なんというものではないのです。後楽園球場、東京ドームが五つも入るような巨大なものであります。それを、この一枚のシートで覆っているだけであります。  私は、直接本処分場の関係者に第三者を交えてヒアリングを行ったのですが、これは極めて簡単に破れるものだそうです。例えば長靴でけったり、カラスがつついたりすると破れる。それが処分場の中を十トン車が一日百台出入りし、ブルドーザーで覆土作業を行っているわけですから、破れないのがおかしいのであります。  ところが、清掃局によれば昭和五十九年の供用開始から今日まで、予防、保全的な補修については報告を受けたことがあるが、その他の損傷、補修ケースについては報告を受けていないということであります。このままでは極めて問題です。破れているとか、破れていないとかの議論よりも、ゴムシートの防護をして、将来にわたり地下への汚水漏れが防げなければ、周辺、下流住民は安心して暮らすことができません。ごみを出す側、受け入れる側、反対だ、賛成だの問題ではないはずです。  そして、ここが極めて問題な点であります。谷戸沢処分場のある水系は平井川を通り、多摩川に向かいます。問題は、処分場周辺住民から全都民の水の問題へと波及していくわけであります。  都は、現在のところ、周辺環境に影響は出ていないの一点張りでいいのでしょうか。影響が出たら、東京の地下水や湧水、そして多摩川はどうなさるおつもりか、いずれ全都の水問題、環境汚染問題につながってまいります。都民の健康と東京の環境を守るために、都の適切な対応が必要であります。山間部、水源地への巨大処分場は問題があり、もう限界です。  処分場建設に当たっては、この処分場容量は何年もつ、そして次の候補地を探すというやり方では、いつまでたっても最終処分場問題は解決いたしません。多摩のごみ行政百年の計に立った抜本的な改革や、システム構築を図るときが来ているのではないでしょうか。  幸い、日本の至るところで先進事例があります。つい先日、船橋市の焼却灰再利用実験施設を見てまいりました。ここは焼却灰から路盤材やブロックを再生品として生み出す、まさに、ごみゼロ、ごみは資源の思想に基づいた施設で、平成七年までの実験期間終了後、本格稼働をとの考えでいるようです。  そのほか、全国にこうした施設が昭和六十一年ごろから順次建設され、開発、研究が行われております。都は、多摩地域の市や広域処分組合においてもこのような施設を積極的に導入するよう指導すべきと考えます。  そこで、広域処分組合に対する指導並びに新たなごみ処理施設やシステム構築の問題について、ご見解を伺います。  次に、平成五年三月に報告書が作成されました秋留台地域総合整備計画について、その具体的施策並びに現在の進捗状況等についてお尋ねします。  具体的施策、進捗に入る前に、その前提として、毎年、市、町村会より陳情、要望書が都の関係各局に提出されているわけですが、各市町村ばらばらの指導になっているように見受けられます。秋川、五日市を初めとする秋川流域の合併問題も進展している中、統一的指導が必要なことは明白であると思われますので、秋川流域合併について、都の対応をお聞きしたいと思います。  それでは、順を追って計画の中身についてお尋ねします。  同計画は、その計画目標年次をおおむね平成二十二年としておりますが、この目標設定の裏づけ並びに成算について現在どう判断されているのか、また目標年次の設定に当たって、現段階でのスケジュールについてお尋ねします。  次に、秋留台地域への要請と計画の目標の中で、当該地域への要請として、首都圏中央連絡道路への近接等を生かし、機能融合を図った潤いのあるまちづくりを展開、とあります。当該計画は、その前提において、いわゆる圏央道をベースに置いていると見受けられますが、関係自治体との調整等についてお示しいただきたい。  次に開発整備の基本計画、2、土地利用計画の中では、当該地域を台地部、丘陵部に分け、それぞれの土地利用方針を提示しています。このうち丘陵部の個別開発である日の出町の平井・川北開発については問題があり、進捗が予定よりかなりおくれているようであります。この開発について、都はどのように指導しているのか、伺います。  次に、昭和五十七年に出された第一次東京都長期計画に当該地域の計画的な市街地の形成促進がうたわれて以来、既に十年が経過しています。この間、当該地域内では幾つかの面的開発が進められております。しかしながら、交通基盤整備は在来の道路などに頼っているのが現況です。総合計画図を見ますと、パークウエー等の交通基盤整備の重要度が高いと思われますが、今後のスケジュールはいかがでしょうか。  次に、都市基盤施設の整備計画の中で、ごみ処理については全く触れられておりませんが、計画骨子には、将来人口フレームに対応した供給処理施設の計画的整備を図る、とあるわけですが、基本方針はいかがでしょうか。また、今後の推進方策の中で、特に開発者負担の導入が重要課題として取り上げられています。秋留台総合整備計画における開発者負担についての考え方をお伺いします。  最後に、都のイベント行政のあり方についてお伺いします。  先日終了したTAMAらいふ21については、成果のほかに反省する点はなかったのでしょうか。  当初予定された入場者数を大幅に下回ったほか、二、三十億円に上る赤字があるということでありますが、とても成功とはいいがたいと思います。当イベントの収支、入場者数等の実態を提示願うとともに、来年度税収見積もりが四兆円割れの可能性が高いといわれる中、この財政逼迫の時期において、今後予定されております世界都市博覧会の予算を六百三十億に減額されたように、当博覧会を含め、各種イベントについて来年度予算で縮小を含めて見直すべきだと考えますが、見解をお伺いし、私の質問を終わります。(拍手)    〔知事鈴木俊一君登壇〕 ◯知事(鈴木俊一君) 宮崎議員の一般質問にお答えいたします。  まず、多摩市町村においても、新たなごみ処理施設の導入やシステムの構築を図るべきであるとのお尋ねであります。  ご提案の焼却灰の溶融施設を整備していくことは、限りある最終処分場の延命策の一つであり、現時点で、区部では大田第二清掃工場で灰溶融施設を設置しており、多摩地域においては多摩川衛生組合、及び八王子市において導入を計画しているところであります。  都としては、今後とも、市町村における清掃工場の建てかえ計画を踏まえ、このような施設の導入について指導、助言を行うとともに、焼却灰の有効利用などのシステム構築についても引き続き研究、開発してまいりたい。  次に、秋留台地域総合整備計画の統一的指導についてのお尋ねであります。  本整備計画は、秋留台地域を、自然環境との調和を図りながら、多摩西部地域の開発拠点として総合的な地域整備を推進するため、人口フレーム等の基本的な考え方や根幹的な施設計画、及び土地利用計画等について定めたものであり、個々の開発整備に当たる事業者への統一的指導の指針になるものと考えております。  今後、具体的な開発整備に当たっては、本整備計画を踏まえて適切に指導してまいります。  なお、その他のご質問につきましては、関係局長からお答え申します。    〔清掃局長小豆畑孝君登壇〕 ◯清掃局長(小豆畑孝君) 三多摩地域廃棄物広域処分組合に対する指導についてのお尋ねでありますが、都としては、今後も引き続き、谷戸沢処分場を管理する処分組合に対し、水質調査の充実や処分場の維持管理の強化に努め、安全性の確保に万全を期するよう指導してまいります。  今後、埋立完了が間近になっていることから、跡地利用との関係を踏まえ、将来にわたっての処分場の安全対策について処分組合と協議してまいります。    〔総務局長大森國裕君登壇〕 ◯総務局長(大森國裕君) 秋川流域に係る合併についてのお尋ねでございますが、秋川市、五日市町、日の出町及び桧原村の四市町村の合併につきましては、昭和四十七年以来話し合いが続けられております。  ただ、現時点におきましては、日の出町及び桧原村は合併に関して必ずしも積極的ではないというふうに聞いております。秋川市及び五日市町の二団体は昨年四月、秋川市・五日市町合併促進協議会を設置をいたしまして、検討を開始をいたしました。本年八月には新市将来構想を策定するため、秋川市・五日市町将来構想策定委員会を発足させたところでございます。  市町村合併につきましては、都といたしましては、市町村の主体性を尊重しながら適切な助言をしていきたいと考えております。  次に、TAMAらいふ21の収支及び参加者についてのお尋ねでございますが、現在、財政収支につきましてはTAMAらいふ21協会において精査中でございます。入場料等で収入減はございましたが、経費節減等の支出抑制に努めていることから、全体としては赤字にはならない見通しというふうに聞いております。  また、参加者につきましては、多摩21くらしの祭典の入場者は百五十七万人でございましたが、全体では三百六十九事業、延べ六百十五万人余の参加者がございました。    〔都市計画局長長裕二君登壇〕 ◯都市計画局長(長裕二君) 秋留台地域総合整備計画について、六点、お答え申し上げます。  まず、計画目標年次についてでございますが、本整備計画では、広範な地域の基盤整備事業や土地区画整理事業等を進めることとしておりまして、これらの事業期間等を考慮し、おおむね二十年後を目標としてございます。  二番目に、圏央道についてのお尋ねでございますが、圏央道都内区間のうち、既に都市計画決定済みの国道二〇号線以北につきましては、建設省及び日本道路公団により事業中でございまして、平成十二年度末の完成を目途に整備を進める予定と聞いております。  残りの区間につきましては、近々、国及び地元八王子市による都市計画素案の説明会の開催が予定されております。  都といたしましても、関係者と調整を図りながら、地域住民の理解と協力を得て都市計画の手続に入っていく予定でございます。  三点目として、平井・川北開発にかかわる都の指導についてのお尋ねでございます。  これまで、事業予定者でございます日の出町から事前相談を受けてきたところでございます。今後、取りつけ道路の整備計画などについて、要件が整えば事前審査申請を受理し、開発許可の具体的協議に応じていく予定でございます。  四点目で、交通基盤整備のスケジュール等についてでございますが、現在、当地区においては、既に決められた都市計画道路の整備を重点的に進めているところでございます。本整備計画による、例えばパークウエー等、交通基盤施設の整備スケジュールにつきましては、今後地元市町等関係機関と調整し、明らかにしてまいりたいと存じます。  秋留台地域に発生するごみ処理についてでございますが、本整備計画の性格は、当地域全体における土地利用や都市基盤整備の方向、緑地の保全と活用方策及び地方自治体などの役割分担に関する基本的事項等について定めたものでございまして、施設整備につきましては、幹線道路等の広域的な施設を対象としているものでございます。  ご指摘の当地域に発生するごみ処理施設を初め、地域生活に密着した学校、病院等公共公益施設につきましては、本計画を踏まえて、今後、市町において別途計画するものとしてございます。  最後に、開発者負担についてでございますが、秋留台地域における広域幹線道路等の都市基盤施設の整備に当たりましては、これにより得られる開発利益の一部を公共に還元することとしております。  なお、具体的な開発者負担のあり方につきましては、今後、東京都及び関係市町で構成いたします秋留台地域総合整備連絡調整会において、十分検討していくこととしております。    〔財務局長檜垣正已君登壇〕 ◯財務局長(檜垣正已君) 各種イベントの見直しについてのお尋ねでございますが、財政環境がまれに見るほど困難な状況の中で、平成六年度予算の編成に当たりましては、施策全般にわたり徹底した見直しを行うこととし、ご指摘の各種イベントにつきましても、開催目的、内容、効果等を十分に精査し、真に必要なものを計上していきたいと考えております。 ◯議長(奥山則男君) 八番中山義活君。    〔八番中山義活君登壇〕 ◯八番(中山義活君) いよいよ私が最後でございます。お疲れとは存じますが、ご清聴よろしくお願い申し上げます。  私ども同志三名は、来るべき新しい日本の政治の潮流を地方から築いていくことを目指し、ここに新生・友愛クラブを結成いたしました。議員各位のご指導、よろしくお願い申し上げます。  バブル経済といわれた異常ともいえる経済が破綻して、今庶民は、ツケを支払うために大きな苦しみを味わっております。東京都の財政もその影響の例外でなく、来年度は約六千億円という、開発途上国の国家予算にも匹敵する額の財源不足が予想されております。  臨海副都心計画という壮大な計画にいたしましても、特殊な経済状況下で生まれてきたものと思います。現在の状況は、単に臨海副都心計画を見直すというだけでなく、都政の行政姿勢や理念そのものさえ見直さなければならない状況にあるのではないでしょうか。今こそ、ゆがんだ繁栄の中で生じたひずみを是正し、政治は人と人とのかかわりであるという原点に立ち返って、謙虚に政策を省みるときだと思う次第です。  「都政新報」によりますと、四定の知事発言は、都政の実績を誇示してみせたが、厳しい現実を直視した発言が聞かれなかったとあります。  そもそも鈴木都知事は、財政破綻寸前の美濃部都政を引き継がれ、そのまれに見るすばらしい手腕と献身的努力により、見事に東京都政を困難の中から救われました。その金字塔は都民の心に強く刻まれ、遠い未来にまでその功績は語り継がれることでありましょう。しかし、臨海方向ばかり目を向けて財政上のかじ取りを誤れば、その金字塔もなくなります。今こそ、美濃部都政を引き継いだあのときの原点に立ち返るべきではないでしょうか。  知事は、マイタウン構想の中で、人間重視、生活重視の豊かさを実感できる社会、人に優しいまちづくりを掲げてこられました。しかし、バブルの中で、知事が目指したものは外れ、社会は少しゆがんだ方向に向かってしまいました。本来、最も光が当たらなければならない地域に光が当たらず、悲惨と不幸で目を覆わんばかりの状態を、東京の中心部、浅草の山谷と呼ばれるところに取り残しました。  上野・浅草は副都心に指定され、都市機能の構成要素として、その重要性は日増しに増大いたしております。ところが、先進国と評される日本国の首都である東京の副都心で、まさかと思うような不幸な現実が起こっていることを人は余り知ろうとはしません。いや、知っていても、あえてこの問題を避けて通ろうとしているのではないでしょうか。  ある調査によると、浅草地域の中のわずか一キロ平方メートルという限定された場所及びその周辺で、毎年約二百人という人が路上や担ぎ込まれた病院で死んでいくのです。また、その地域に生活する労働者や路上生活者は、多くの場合、病にむしばまれております。一例を挙げますと、実に八%が結核に侵されているという驚くべき統計が出ております。同地域の一般住民は別です。労働者や路上生活者に限定した結核罹患率を見ますと、実に全国平均の数百倍という率であります。現代医学は、結核という病をほぼ制圧したかのように信じられておりますが、世界では、発展途上国を中心に、毎年約三百万人の方が結核で命を失っております。これは、それらの国の人々の栄養状況や衛生状況が極度に悪いことに起因する不幸な現実であります。  しかし実は、我が国の首都の中心部には、このような地域が現存するのであります。特に冬季は、病気で衰弱した体のまま路上で凍死する人の数は、地元のお話では毎年二、三十人はいるといっております。ここは、紛争地の戦場や発展途上国のスラムではありません。先進国と評される日本の首都の副都心の中での現実の出来事なのです。  浅草北部に位置する、いわゆる山谷地域と呼ばれている地域を、鈴木知事は直接その目で視察をされたことがおありでしょうか。また、議員の諸公はいかがでありましょうか。  そこでは、昼間でも酔いつぶれた人が死んだかのように路上に寝ております。いや、実際に死の一歩手前という人もおります。そして一般住民の方は、特に関心を示すこともなく通り過ぎていきます。それでも、一般住民の方を非難することは全くできません。なぜなら、この地域ではそれが日常であり、それが当たり前のこととなってしまっているからであります。他の地域であれば異常なことが、この地域では当然のことのように起こることが異常な事態なのであります。  これは一地域の問題ではなく、都市問題の一つとして、東京都全体とのかかわりの中からとらえなければならない問題です。我々東京都民は、東京が世界に誇り得る都市であるということを自負したいと願っています。しかし、この都庁のひざ元である新宿においても、山谷とはケースが違うかもしれませんが、駅から都庁までの間に約三百名もの段ボールハウス生活者を見ることができます。また、東京都が副都心に指定した地域に特に路上生活者が多く見られるという皮肉な事態になっているといわざるを得ません。  多くの場合、路上生活者はアルコール依存症を伴うことが多いのですが、このようなアルコール依存症を伴い働く意欲を持てなくなった路上生活者に対し、彼らは住民登録をしていないケースも多く、仮に行政的な救済の手を差し伸べても、それを拒否される場合も多い、これは個人の意思の問題であり、行政はそれ以上のことはできないと割り切ってしまうことは容易であります。また、従来そのような視点から彼らを見てきたことは、私も含めて否定することはできません。  事実、路上生活者によって一般住民の受ける迷惑は、はかり知れないものがあります。しかし、一般住民の生活権が脅かされている事実は事実として、一般住民も人間であると同じように、路上生活者も同じ人間なのであります。いろいろな理由から路上生活をするに至ったとしても、また仮に社会や行政に対して敵対心や不信感を持つに至ったとしても、ある意味では、一般社会からはじき出され、切り捨てられた社会の弱者、被害者であるといえなくもないのであります。  また、浅草山谷のように、人が今実際住んでいる民家の軒下で、彼らの酒盛りや排便や危険なたき火などにより迷惑を受けている一般住民も、これまた非常に気の毒な、生活を脅かされている被害者なのであります。つまり、この地域では、一般住民も路上生活者も、ともに被害者なのではないでしょうか。  山谷と呼ばれている地域では、人道的、博愛的見地から、路上生活者に食物や衣類などを配って、路上死を少しでも食いとめようとするボランティア団体が幾つか存在します。しかし、そのボランティアの活動にしても、その活動は結果的に一般住民の被害を増す行為として、一部では住民との間で感情的対立が発生しているという事実を見逃すことはできません。なぜなら、対立する双方に十分ないい分があり、どちらの主張も一方的に間違っているとは断定できないからです。これは正悪の問題ではなく、どちらも正しいといえる対立です。正しい者同士が対立しなければならない現状に、この問題の重大さと根の深さをかいま見ることができるのです。  このような状況の中で、都のこれまでの活動は、日雇い労働者に対しては東京都山谷対策総合事業計画を策定し、労働、衛生、福祉等の多様な施策の推進を図られ、多くの改善が見られはしました。しかし、山谷地域での労働者は、路上生活者はまだまだ後を絶ちません。路上生活者対策は、確かに区市町村がすべきことかもしれませんが、山谷問題を構成する大きな要素であり、他の多くの要素とお互いに密接に関係して、山谷問題を複雑にいたしております。  総合的見地から、東京都が山谷問題に取り組まなければ、この経済状況と、労働者や路上生活者の高齢化で、ますますその状態は深刻さを増していくばかりであります。そして、助けてやるという意識と、助ける側の論理を捨て去ることでございます。これは、決して路上生活者を甘やかすという意味ではありません。百人のうち仮に一人でもいい、一人でも多くの人が社会復帰に向けて自助努力をするように促す施策を探るべきであります。そして、路上生活者と一般住民がどのような部分で共存できるのか、どのような部分で共存できないのか、身をもって探るべきであります。  そこで具体的な提案でありますが、特に夜間の一般住民の迷惑を避けるため、ハード的施策を最優先に検討すべきであります。それは、諸外国の都市に見られるような、仮眠所または公共シェルターをできるだけ近くへ設置することであります。その種の施設は、運営の困難さを指摘されるところでありますが、その運営に関しては、実績のあるボランティア団体を認可し、都の指導の下にその団体に運営を委託するというような方法も考えられるのではないでしょうか。そして東京都は、一般住民の皆さんに、それは住民にとって迷惑な施設ではなく、住民の迷惑を減らす施設であることを知っていただく責務があります。  またソフト面では、地域一般住民と連絡や協力を密にする一方、実態に詳しいボランティア団体をよい意味で大いに利用し、協力関係と信頼関係を構築することであります。  そのような抜本的施策を早急に実行しない限り、この問題は解決に向けて一歩も前進しないということをご認識いただきたいと切にお訴え申し上げます。  知事は、平成二年十一月発行の「マイタウン東京─二十一世紀をひらく」の中で、直面する問題の解決に積極的に取り組むとともに、新たな変化に適切な対応を図りながら、都民のだれもが安心して住める、いきいきと暮らせるまち、ふるさとと呼べるまちにしていかなければならないとぶち上げております。  多くの諸問題を、国だ、都だ、区だとお互いに責任をなすりつけていたのでは、この問題は解決に向かって一歩も前進しません。この際、知事が先頭に立って、四定での知事発言のように、世界のだれに見せても恥ずかしくないように、東京を魅力ある都市として揺るぎないものとすべきであります。そのためには、知事は山谷対策本部長として、山谷対策をハード面、ソフト面、どう推進していくのか、ご所見をお伺いします。  私も地元にいますので、過去の歴史を見ても本当に難しい問題だと思います。心より知事に推進をお願いして、質問を終わります。どうもありがとうございました。(拍手)    〔知事鈴木俊一君登壇〕 ◯知事(鈴木俊一君) 中山議員のご質問にお答えいたします。  山谷一つに絞ってのご質問でございますが、まず、山谷対策の推進についてのお尋ねでございます。  簡易宿所が密集している山谷地域には、景気の影響を受けやすい日雇い労働者が多数居住しており、失業、疾病の多発、生活困窮等、大都市特有のさまざまな問題が存在しております。  これらの問題に対応するため、都は、知事を本部長とする、関係区長を含む山谷対策本部会議を設置し、労働、衛生、福祉、環境整備等、総合的な対策に取り組んできたところであります。  今後とも、明るく活気のあるまちづくりを目標に、関係機関と連携のもとに、地域に居住する人々の福祉の向上を図るとともに、地域の環境整備に努めてまいります。  なお、関係局長から補足的に答弁を申し上げます。    〔福祉局長中嶋理君登壇〕 ◯福祉局長(中嶋理君) 仮眠所等ハード的施策について、ご提言、お尋ねがあったかと存じます。
     山谷地域の日雇い労働者は高齢化が進んでおりまして、病弱者や野宿をする人も見られるわけでございます。都は、従来から、山谷対策として、関係区とともに、労働、衛生、福祉、環境整備等総合的対策を推進してきたところでございます。  現に窮迫した状況にある人に対しましては、関係区において、生活保護法を適用した援護を実施しておりますが、都におきましても、生活保護の適用に至らない人に対しまして、施設における宿泊援護を実施しているところでございます。さらに、労働事情の悪化する冬場には、都独自に更生施設や宿泊施設を開設して対応いたしております。  なお、ご提言いただきましたご意見につきましては、関係区とも十分協議しながら研究してまいりたいと存じます。 ◯議長(奥山則男君) 以上をもって質問は終了しました。       ━━━━━━━━ ◯議長(奥山則男君) これより日程に入ります。  日程第一から第二十三まで、第百六十八号議案、東京都収入証紙条例の一部を改正する条例外議案二十二件を一括議題といたします。  本案に関し、提案理由の説明を求めます。  副知事牧野洋一君。    〔副知事牧野洋一君登壇〕 ◯副知事(牧野洋一君) ただいま上程になりました第百六十八号議案外二十二議案についてご説明申し上げます。  初めに、第百六十八号議案から第百七十一号議案及び第百八十九号議案から第百九十号議案までの六議案は条例案でございまして、新たに制定する条例が一件、一部を改正する条例が五件となっております。  このうち、新たに制定する条例といたしましては、江戸川区瑞江駅西部地区の土地区画整理事業に関し施行規程を定める第百七十号議案、東京都市計画事業瑞江西部土地区画整理事業施行規程でございます。  一部を改正する条例の第百六十九号議案、特別区国民健康保険事業調整条例の一部を改正する条例についてでございますが、この条例は、国民健康保険の保険料の料率を平成五年度と同率とすることとし、これと関連いたしまして、特別区が行う国民健康保険の保険料の算定に関し、平成六年度分の特例を定めるものなどでございます。  このほか、職員の給与改定に伴いまして、関係条例の一部を改正するものなどでございます。  次に、第百七十二号議案から第百八十五号議案までの十四議案は契約案でございまして、都立南多摩看護専門学校(仮称)建設工事、東京都葛西臨海公園展望広場レストハウス(仮称)建設工事、都営住宅建設工事、都立先端技術教育センター(仮称)及び都立工芸高等学校建設工事などでございます。  また、第百八十六号議案から第百八十八号議案までの三議案は事件案でございまして、第百八十八号議案、特別区国民健康保険の保険料の料率については、平成六年度の料率を告示するに当たり、ご議決をいただくものでございます。  このほか、大戸緑地事業用地の買い入れなどでございます。  以上で説明を終わります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。 ◯議長(奥山則男君) 以上をもって提案理由の説明は終わりました。  なお、本案中、第百八十九号議案及び第百九十号議案については、地方公務員法第五条第二項の規定により、あらかじめ人事委員会の意見を徴しておきました。  人事委員会の回答は、いずれも異議はないとの意見であります。 五人委任第一三二号 平成五年十二月八日 東京都人事委員会委員長 船橋 俊通  東京都議会議長 奥山 則男殿   「職員に関する条例」に対する人事委員会の意見聴取について(回答)  平成五年十一月二十六日付五議事第四四六号をもって東京都議会議長から照会のあった左記議案については、左記のとおり回答します。    記 議 案 名 意  見 第百八十九号議案  職員の給与に関する条例の一部を改正する条例 第百九十号議案  学校職員の職員の給与に関する条例の一部を改正する条例 異議ありません ◯議長(奥山則男君) お諮りいたします。  ただいま議題となっております日程第一から第二十三までは、お手元に配布の議案付託事項表のとおり、各部門に分かち、それぞれ所管の常任委員会に付託いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯議長(奥山則男君) ご異議なしと認めます。よって、日程第一から第二十三までは、議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託することに決定いたしました。 (別冊参照)       ━━━━━━━━ ◯議長(奥山則男君) 日程第二十四を議題といたします。    〔渡邊議事部長朗読〕 五財主議第四二四号 平成五年十一月二十四日 東京都知事 鈴木 俊一  東京都議会議長 奥山 則男殿   平成四年度東京都各会計歳入歳出決算の認定について  このことについて、地方自治法第二百三十三条の規定により、左記のとおり送付しますので、東京都議会の認定方よろしくお取り計らい願います。    記 一 平成四年度東京都各会計歳入歳出決算書 二 平成四年度東京都各会計歳入歳出決算事項別明細書 三 平成四年度実質収支に関する調書 四 平成四年度財産に関する調書 五 平成四年度決算審査意見書 六 平成四年度主要施策の成果 七 平成四年度東京都決算参考書 (決算書等省略) ◯六十八番(高野之夫君) 本件は、三十人の委員をもって構成する平成四年度各会計決算特別委員会を設置し、これに付託されることを望みます。 ◯議長(奥山則男君) お諮りいたします。  ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯議長(奥山則男君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、三十人の委員をもって構成する平成四年度各会計決算特別委員会を設置し、これに付託することに決定いたしました。  委員は、委員会条例第五条第一項の規定により、議長からお手元に配布の名簿のとおり指名いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯議長(奥山則男君) ご異議なしと認めます。よって、委員は、お手元に配布の名簿のとおり選任することに決定いたしました。   平成四年度各会計決算特別委員名簿  藤井 一君 (公 明) 原  環君 (公 明)  中山 義活君(新 友) 寺山としお君(日 新)  山崎 泰君 (日 新) 大河原雅子君(社・ネ)  曽根はじめ君( 共 ) たぞえ民夫君( 共 )  森田 安孝君(公 明) 鈴木貫太郎君(公 明)  大沢 孝明君(公 明) 宮崎 章君 (自 民)  新藤 義彦君(自 民) 岩附あけみ君(日 新)  藤田 愛子君(社・ネ) 石川 芳昭君(公 明)  山崎 孝明君(自 民) 花川与惣太君(自 民)  新渡 英夫君(日 新) 大澤 昇君 (日 新)  宮尾 英世君(社・ネ) 井口 秀男君(自 民)  田村 市郎君(自 民) 桜井 武君 (自 民)  木村 勉君 (自 民) 尾崎 正一君(社・ネ)  岡野 誠一君(自 民) 近藤 信好君(自 民)  名取 憲彦君(民 社) 木村 陽治君( 共 ) ◯議長(奥山則男君) なお、本日の本会議終了後、役員互選のため、委員会を本議場に招集いたしますので、ご了承願います。       ━━━━━━━━ ◯議長(奥山則男君) 請願及び陳情の付託について申し上げます。  受理いたしました請願二十八件及び陳情三十五件は、お手元に配布の請願陳情付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。 (別冊参照)       ━━━━━━━━ ◯議長(奥山則男君) お諮りいたします。  明十日から十五日まで六日間、委員会審査のため休会いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ◯議長(奥山則男君) ご異議なしと認めます。よって、明十日から十五日まで六日間、委員会審査のため休会することに決定いたしました。  なお、次回の会議は、十二月十六日午後一時に開きます。  以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。  本日はこれをもって散会いたします。    午後八時四十九分散会...